自然観察大学ブログ

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千葉ニュータウンでの観察-4 アカガネサルハムシ

アカガネサルハムシは動く宝石だ。
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ノブドウなどに普通に観られる昆虫で、何度も撮っているのだが、ついまた撮ってしまった。
しかし、何度やっても実物の色合いは再現できない。
体長は5mmちょっとと小さいので、タマムシのように人気のある虫ではないが、かなりの美麗昆虫だと思う。
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実物はもっと鮮やかなのに…

背中を丸めたこの体型が、サルハムシの仲間の特徴。
サルハムシは金属光沢をもつものもあるが、アカガネサルハムシは別格!

それにしても、派手なメタリックカラーには何か理由があるのだろうか。
いつも葉表の目立つところにいるのは何故か?
CDが鳥除けになる理屈で、天敵を脅かす役割でもあるのだろうか?

ところで…
もう7月も終わりだというのに、まだ6月末の千葉ニュータウンでの観察記録が続く。
もうしばらくお付き合いください。

2013年7月30日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-30 18:33 | 昆虫など | Comments(2)

千葉ニュータウンでの観察-3 タバゲササラゾウムシ

おもしろいのがいた。
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タバゲササラゾウムシ という。体長は3mm前後。
白黒の色合いとつぶらな瞳。小さいくせにエラそうに踏ん張っている。
よく観ると、両肩の白い長毛など、虎刈りにされてしまった哀れな姿のようでもある。
前翅の合わせ目にある毛の列は、モヒカン刈りのようだ。

短い脚を高速回転して活発に歩き、意外によく飛ぶ。

漢字では 束毛筅象虫 あるいは 束毛簓象虫 だろう。
筅は茶筅(ちゃせん)のささら、簓はささら電車や、こきりこ節で鳴らす楽器のささら(編木)で、どちらもありそうだ。

タバゲササラゾウムシを見つけたのは林縁に点々とあるクワの幼木で、葉裏にけっこうな密度でついていた。
刺激には鋭敏に反応してすぐに葉から落ちるし、小さいので現場で撮るのはあきらめてサンプル管に入れて持ち帰って撮った。
サンプル管の中で異能を見せてくれた。サンプル管の中でもすぐに落下するのだが、くるくると落ちながら、ガラス面に接触すると、瞬時にくっつくのだ。
クルッ、ピタッ! クルクルッ、ピタッ!!
見かけによらず、運動能力抜群のタバゲくんであった。


余談ですが…

はじめてこの虫を拡大して観て、はっきりした特徴があるので簡単にわかると考えた。
ところが帰ってからあれこれ調べてもわからない。
そこで自然観察大学のメーリングリストでみなさんに聞くと、ありがたいことに、H井先生T中さん からすぐに回答いただいた。
「タバゲササラゾウムシか、クワササラゾウムシではないか。少なくともササラゾウムシ属の一種だろう。」
さすが、専門家や愛好家が集まる 自然観察大学ML だ。ありがたい。

名前がわかって、もう一度北隆館の大図鑑で見ると、ちゃんと掲載されていた。しかし鼻を伸ばした標本写真は、実物と印象がかなり違う。私のように絵合わせで調べるのは不可能だ。

話はそれるが、ゾウムシ類の体長は悩ましいところだが、口吻を伸ばさずに測るものらしい。たしかに、シギゾウムシで口吻を含めるとなると、実態にそぐわない気がする。

その後、遅れてMLに参加したY崎先生(甲虫類が専門)に標本をお送りして、タバゲササラゾウムシと同定された。
胸部背面が前方に盛り上がるのが決め手の一つのようだ。
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上の擬死状態の写真の、象の頭頂にあたるところの盛り上がりだ。
(それにしてもゾウムシの名の通り象に似ている!)
いろんな角度で撮っておく必要があることを再認識したのだが、Y崎先生の言葉で
〝1000枚の写真よりも、1体の標本ははるかに情報量が多い〟
というのを思い出した。至言である。

ところで、タバゲササラゾウムシはイヌビワとヒメコウゾだそうだが、私がクワとヒメコウゾを間違ったのか? 果実を見てクワと確認したつもりだったのだが…

2013年7月29日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-29 06:57 | 昆虫など | Comments(0)

千葉ニュータウンでの観察-2 巣箱を作る人々

前回のトンボを撮った場所で、ちょっと怪しげな人たちが集まっていた。
暑いなか、ぐつぐつ沸いた鍋を囲んでいる。
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話をうかがうと、ここは 〝本埜まなびの森〟 といって、子供たちの野外観察のために提供された森だそうである。
このひとたちは、子供たちのために森をされている、けっして怪しくない皆さんであった。

自慢の巣箱。
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手ごろな立木に、簡単な工作で立派な巣箱になっている。よく工夫された巣箱だ。
と思って前に回ってみると…
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立派なエントツドロバチの巣があった。
ほんとうは、シジュウカラが入ってくれるのだとか。
手軽で費用ゼロなのが自慢で、このアイデアを全国の皆さんに利用いただきたい由であった。

巣箱をブログで紹介させていただくこともあり、〝自然観察大学の事務局Oです〟と名乗ると…

「おぅ、知ってるよ。唐沢先生が学長をやってるやつだろう。わしは唐沢先生の初めての教え子なんだ。教師になって一年目の 〝教え子第一号〟 ということだな。」

奇遇というか、世間は狭い。などと考えていると別のかたが、

「私は以前、岡発戸での観察会に参加したことがあります。おもしろかったですよ。」

出先で自然観察大学を知っている方に出会ったのははじめてだ。
なんだか、自然観察大学がメジャーになったようで、感動してしまった。

後日、唐沢先生に報告すると、

「KBくん (注:前述の教え子第一号のかた) のことは、もちろんよく覚えています。彼は、ついこの前まで高校生だったのに、あっという間におじいさんになっていますね。」

この前って、半世紀くらい前の話だと思うのだが…

2013年7月27日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-27 08:17 | | Comments(0)

千葉ニュータウンでの観察-1 ノシメトンボのマジック

千葉県の北部に千葉ニュータウンというのがある。
地図で見ると印旛沼や手賀沼、利根川にかこまれ、いかにも豊かな土地。
現地に行くと、谷津のような地形が随所にあって、森と小川と田んぼ、その反対側は住宅地、といった環境で、多数のトンボが舞っていた。
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ノシメトンボだ。
トンボは、飛び立ったあと、一回りして同じ枝に止まることが多い。
この習性を見越して、このところ凝っている顔を撮ろうと待ち構えた。
予想通り、何度も飛び立っては同じ枝に戻ってきてくれ、こちら向きに止まってくれた。
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何かくわえている。
空中で捕まえた獲物だ。
これはチャンスと、連続して撮るつもりで構えると、むしゃむしゃと数回咀嚼して、あっという間に獲物は消えてしまった。

上の写真をトリミングして拡大してみよう。
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獲物はオサゾウムシの一種らしい。
ノシメトンボにしては、けっこう大きな獲物だろう。
これをわずか数度の咀嚼で飲み込めるものだろうか。
まるでマジック! 
そもそも、トンボは固形物を飲み込めるような構造をしているのか?
謎だ。

豊かな環境ではおもしろい観察ができる。

2013年7月24日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-24 12:57 | 昆虫など | Comments(0)

ブラジルコミカンソウ -秋葉原で気ままに暮らす-

雄花と雌花

ブラジルコミカンソウは、花よりも果実が目立つ。
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名前の元になったコミカンソウと違って、こちらはあまりミカンの実には似ていないように思う。
コミカンソウに比較して花柄が長いので、別名ナガエコミカンソウあるいはナガエノコミカンソウとも言われる。
原産地はブラジルではなく、インド洋あたりだそうだ。
※ 日本帰化植物写真図鑑、清水矩宏ほか、全農教 

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果実と同時に開花しているのは雄花だ。もとの方にはつぼみが多数観られる。
先端はもう果実になっているのに、まだ開花が続くというのはどういうことなのだろう。

雌花の方が先熟するということなのか、と思ったのだが…
別の枝では雄雌が、同時に開花していた。
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星形の花が雌花で、真中のが雄花だ。
う~む。
このところS子さんが雌雄の開花順序について観察報告をしてくれているのだが、ブラジルコミカンソウはどうなっているのか? わからん。
雄だろうと雌だろうと、こだわらないおおらかな性格なのかもしれない。

それにしても、直径2㎜程度のちいさな花だが、こうして拡大するとなかなかのものだ。
(残念ながら柱頭にごみが付着)


木か草か

ブラジルコミカンソウには、もう一つ悩ましいことがある。
木本か草本かということだ。

ブラジルコミカンソウは事務所のある秋葉原かいわいでは、冬場でも遅くまで枯れずに残っている。
さすがに1~2月の厳冬期には枯れるのだが、春になると芽吹きがあるのだ。

これは4月はじめのようす。
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ビルの間の空き地の、舗装の隙間にならぶブラジルコミカンソウだ。
画面左の株に寄ってみると…
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木質化した去年の枝から芽が出ていた。
やっぱり木本だ。
前述の「日本帰化植物写真図鑑」で確認すると 〝低木または一年草本〟 とある。
在来のコミカンソウが草本だからといって、近似種のブラジルコミカンソウも草本とは限らないのである。
さらに、同書に掲載のキダチコミカンソウというのがあって、こちらは草本だそうである。名前は木立なのに…

木本だろうと草本だろうと、本人たちにしてみればたいした問題ではないのかもしれない。環境しだいで気ままに暮らしているのだろう。
ましてや、インド洋出身なのに 〝ブラジル〟 と呼ばれていることなんか、どうでもよいことだろう。
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6月。秋葉原の路地裏で、元気に育つブラジルコミカンソウであった。

2013年7月21日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-21 00:27 | 植物 | Comments(0)

江戸川べりの観察-19 エノキワタアブラムシとテントウムシ

ふるい話で恐縮だが、6月上旬のこと。
エノキに、エノキワタアブラムシがいた。
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これは有翅虫で、もやもやした棉の中に虫の形がわかる。
棉は自身が分泌するワックスだ。
これさえなければ美形アブラムシなのに、惜しい。

参考 『テントウムシの共食い』

エノキワタアブラムシは、5月中旬ころから爆発的に増える。
風に乗って宙を舞い、時ならぬ雪のような情景となることがある。

上の有翅虫はまだよい方で…
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こちらはもう正体不明。

失礼して、棉を除けさせていただいた。
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無翅虫も、お肌にハリとツヤがあってなかなかGood。

このワックスは、捕食者から逃れるためなのかとも考えたが、そんなこともなさそうだ。
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ナミテントウの幼虫は、怪しいワックスなどものともしない。
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〝どうだ〟 と言わんばかりのポーズ。

エノキワタアブラムシはほとんどいなかったのだが、テントウムシに食われてしまったためだろうか。

ナミテントウの方はご盛況で、いろいろな場面が観察できた。
こちらは産卵中。
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どこにこんなに入っていたのかと思うくらい、次々に卵が出てくる。

近くでは孵化した幼虫がいた。
卵の大きさと比較して、もう2齢なのか?
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卵塊から離れないのは、緊急時に共食いできるように備えているのだとか…

こちらでは、卵が幼虫に食べられている。
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食べているのは、たぶん同じナミテントウの先輩幼虫だろう。

テントウムシの人生も、つらいものだ。

2013年7月17日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-17 12:59 | 昆虫など | Comments(0)

親愛なる、そのへんの植物-11 「ヘラオオバコの開花の仕方」

6月、道端や堤防、公園など、身近ないろんなところで、花を咲かせたヘラオオバコを見かけました。
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オオバコは踏みつけられる場所に多いですが、ヘラオオバコは草刈りされる場所に多いようです。
それぞれに適応した環境が異なり、それぞれに生育環境に合った工夫があるのだと思います。ヘラオオバコが草刈りに強いのは、ヨーロッパ原産の帰化植物であり、はるか昔から、草刈りが定期的に行われていた牧草地で生活していたためかもしれません。

今回は、そんなヘラオオバコの開花の仕方について、詳しくみてみたいと思います。(2012年6月28日に、事務局Oさんもヘラオオバコについて報告されています ⇒  )


● 花序について

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これは、ある時期のヘラオオバコの花序です。ヘラオオバコは穂状花序(すいじょうかじょ)で、花軸に柄のない花が並んでついています。一見わかりにくいですが…

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模式的に描くとこんな感じです。花軸は成長して伸びていきます。それにしたがって、花芽の数も増え、花序が長くなっていきます(このような花序は、無限花序と呼ばれ、穂状花序は無限花序のひとつです)。ヘラオオバコは、花軸の成長が著しいようで、花序はぐんぐん伸びます。


穂状花序では、基本的に花軸の下の方から順に花が咲いていきます。
花序の成長と開花の順番を模式図で示すと、こんな感じになります。
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● ひとつの花

次に、ひとつの花を見てみたいと思います。

ヘラオオバコは両性花ですが、ひとつの花には雌性期と雄性期があります。つまり、同じ花が、雌機能を持った時期と雄機能を持った時期に分かれています(これも自家受粉を避ける仕組みのひとつで、雌雄異熟と呼ばれています)。

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こちらが雌性期です。花柱が出ているのがわかります。d0163696_18184936.jpg


d0163696_18192591.jpg次に、これが雄性期です。花糸の先に、花粉がいっぱい詰まった葯があります。d0163696_18195130.jpg


どちらも地味な花ですね。
花冠はあるものの、小さくて色も目立ちません。香りもあまりない気がします。
ここから予想されることがあるのですが、何でしょう?

答えは “ヘラオオバコは風媒花ではないか?” です。
花の大きさや色、香りは、すべて虫など送粉動物の誘因効果になります。これらが発達していないと花粉を運んでくれる動物を引きつけることができません。
よって、質素な花のヘラオオバコは、風媒花ではないかと考えられます。


● 風媒花であるならば

風に花粉を運んでもらう場合、雌機能と雄機能の花の配置は、どのようになっているのが有利でしょうか。
(ヒメコウゾのブログ ⇒  を読んでくださった方は、お分かりかもしれませんね)

「雌機能が上、雄機能が下」です。
その理由は、雄機能の花が上ではたくさんの花粉が自然落下し、下にある雌機能の花が自家受粉しやすくなってしまうからですね。

ちなみに、風媒花は、雌性先熟が多いと言われています。まわりにまったく雌がいない状態で雄が花粉を出し始めても、せっかくの花粉が無駄になってしまうからかもしれません。花粉をつくるのにも、コストがかかりますからね。


● 開花の仕方を考えてみよう

ということで、ヘラオオバコの開花について、これまでの話をまとめてみると…

① 穂状花序で、下から順に開花していく
② ひとつの花は、雌性期から雄性期へと変化する(雌性先熟)
③ 花序の中の花の配置は、常に雌性期が上


以上、3つをまとめてイメージしてみると、どうでしょう。
規則性を考えると、開花の仕方がわかりやすいかもしれません。

それでは実際に、順を追って観察してみましょう。

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まずは、つぼみ。花序の下の方から、花が咲き始めています。

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次第に上へ上へと開花していきます。次々と咲いていく花は、はじめはみんな雌性期です。

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しばらくすると、はじめに開花した下の方の花が、雌性期から雄性期に変化します。

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そして、今度は次々と雄性期の花に置き換わっていくわけです。

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そのときも、常に「雌機能が上、雄機能が下」です。雄が雌を追い越すことはありません。こうして、雌の後を雄が追うように、開花は進んでいきます。

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雄性期の花は葯が飛び出て目立つので、開花している部分がリングのように見えます。リングが順々と上に登っていくのがよくわかりますね。

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花序の長さが伸びているのもわかります。ぐんぐん伸びて、こんなに長い花序になったものもありました。ところで、こうして順を追って花序を見ていくと、雄性期の下の茶色の部分が気になりますね。ここは何なのでしょう?

花は、花期が終わると実になります。
ヘラオオバコの花期が終わるというのは雄性期が終わる時です。
したがって、花序において、雄性期の後を追いかけるのは…?
結実期ですね。雄性期の下にある茶色くなった部分は、実になる部分です。
結実期のひとつの花を見てみましょう。d0163696_1848288.jpgd0163696_18482059.jpg
 
雄性期が終わって、しおれた花を分解してみると、ちゃんと子房が膨らんでいるのを確認できました。

このように、ヘラオオバコのひとつの花は 「雌性期 → 雄性期 → 結実」 と変化します。
つまり、ヘラオオバコの開花は、花が入れ替わるわけではないのですが、ひとつひとつの花の機能が段階的に変化することによって、花序の構成(内訳みたいなもの?)が変化するわけですね。

ヘラオオバコの開花の仕方は、いかがでしたでしょうか。
確かに複雑ですよね。そんなとき、その仕組みと、なぜそうなっているのかを考えてみると、イメージしやすい気がします。
植物の名前に加えて、特徴についてあれこれ考えてみる。すると、そのちょこっとのことで、その植物への親近感は大幅にアップするように思います。

2013年7月11日、報告:自然観察大学 植物生態学部 S子
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by sizenkansatu | 2013-07-11 18:48 | 植物 | Comments(6)

エグリグンバイとアワダチソウグンバイ -グンバイムシを拡大して観よう-

グンバイムシはカメムシの中のひとつのグループだが、みんな個性的な姿かたちをしている。
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これはエグリグンバイ
翅脈は網目状の透かし彫り風で、翅の真ん中あたりには立体加工がなされている。
体長4mm前後の微小な世界で、この精密さだ。
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頭の後ろにお椀のようなものを付けていて、これにも透かし彫りが施されている。

ところで、この口器を観ると、グンバイムシはカメムシの仲間であることがうなずける。
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よく観ると、口器を収納するように盛り上がった部分(唇?)があって、そこにも透かし彫りが…
すみずみまで行き届いた造形だ。

う~む。いい仕事してますねぇ。


次はアワダチソウグンバイ
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全身の縁にとげをめぐらしていることと、翅の先端近くに大きめな○印が3個ずつ並ぶのが、アワダチソウグンバイの特徴。
頭上の風船は控えめだが、顔の両側に突き出す大きな膜がある。
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アワダチソウグンバイはえぐりグンバイより一回り小さく、体長約3mmなのだが、本体はさらにずっと小さい。
薄い膜(翅や付属物)の中央に胴体がちょこんとくっついているだけだ。

アワダチソウグンバイは、最近ほんとに増えている。
以前の記事: 『アワダチソウグンバイとゴボウと風と』  
(このときと同じような写真だが、今回は接写用の新兵器を導入したので再度掲載させていただいた)

さて、グンバイムシはどうしてこんな複雑怪奇な造形なのだろう。
この形態なら、飛び上がったあと、軽量化と風を受けやすい形態とで、どこまでも風に乗って飛ぶのだろう。エグリグンバイのお椀は、とくに風をはらみやすい形状だ。
風に乗るということは遠距離移動には効率がよいが、目標地点に到達するのは宝くじに当たるようなものだろう。心ならずも大海に放り出されてしまう仲間も多いに違いない。
「盲亀の浮木、優曇華の花」を超越しそうな「軍配虫の着地」である。


ところで…

奇怪な姿のグンバイムシの中でも、異形チャンプ として知られるのがヘクソカズラグンバイだ。
『ヘクソカズラとグンバイムシ』  
この記事を振り返って読んで、みずから課した宿題を思い出した。
● 臭いヘクソカズラを吸汁するヘクソカズラグンバイはどれだけ臭いのか?
…である。
今年はぜひ確認したい。

2013年7月8日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-08 19:09 | 昆虫など | Comments(0)

江戸川べりの観察-18 ノブドウの花の魅力

6月中旬、ノブドウの花が咲いていた。
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(ノブドウでよいと思うのだが、間違っていたらご指摘いただきたい)
このノブドウといい、ヤブガラシといい、ブドウ科の花はみな小さく控えめだ。
それにしては、ハチやハエ・アブの仲間が多数集まって、羽音がうるさいくらいに賑わっていた。
残念ながらみんな急がしそうで、じっと写真を撮らせてくれるヒマはないらしい。

この花のどこに魅力があるのか、拡大してみてみた。
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ほとんどが蕾で、開いた花はすぐに花弁を落としている。
花床だけが残るのもヤブガラシと似ている。

参考 つる植物の話-4 『ヤブガラシ』 ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/14613008/

ほかの花も観てみよう。
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こちらは蜜を満々と湛えている。とくに右側のはあふれんばかり。
いかにも美味しそう。
味見を失念していたが、舐めるとブドウの味がするのだろうか。

別のタイプの花もあった。
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花弁が反り返って、こちらのほうがいくぶん華やいだ感じだ。
あらためて写真で見ると、わずかに雌しべが短いような気がする。

どこに隠れていたのか、アザミウマが出てきた。
さらに拡大してみよう。
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蜜はあまり残っていないようだが、アザミウマ君にとっては、膨大な蜜源だろう。
呑みすぎて身体を壊さないように!

2013年7月4日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-04 20:16 | 植物と虫 | Comments(0)

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