自然観察大学ブログ

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赤い雑草の正体

2月1日に掲載した謎の赤い雑草を継続して観ているのだが、その正体がわかったので報告しておきたい。

※ 前回の報告は ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/17736719/

まずは2月下旬の観察から…
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これを観ると、株になっているのではなく、たくさんの芽生え(実生)の集まりであることがわかる。

別のを観よう。ここではあちこちに塊があった。
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画面左は倒伏した前年のメマツヨイグサ。
よく観ると、上のほうに怪しい芽生えがある。

もっとよく観よう…
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芽生えは、果実の裂け目から顔を出している。

なるほど。これはメマツヨイグサの芽生えだ!

本来なら、種子は風で散布されるのだろうが、その前に倒伏してまったので、仕方なしに果実(朔果)の中で発芽したもののようだ。さぞかし無念だっただろう。
そしてこの状態から、いくつの個体が無事に成長できるのだろうか。前途多難ではある。


およそ一箇月後の3月半ば過ぎに、また観に行った。
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少し大きくなって、葉には緑の部分が出てきたが、あまり変わってない感じ。

正体を知ってからは、倒伏したメマツヨイグサを探すと、面白いように見つかる。
おあつらえのように、いろいろな成長段階が観られるのがあった。
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倒伏した茎に沿ってスプラウトがあり、そして大小のロゼット。
大きなロゼットは、別の種子から発芽したものかもしれない。
メマツヨイグサの発芽は一斉に出るのではなく、ばらつきがあるとされているから、大きいものは前年の早い時期に発芽したのだろう。

それにしても…
ふつうの植物ならば、果実の中の、こんな状態の種子は発芽しないだろう。
さすが、帰化雑草、メマツヨイグサである。彼らの繁栄の源は、この繁殖力にあるようだ。
彼らにしてみれば、前途には熾烈な生存競争が待っているはずだが…

2013年3月29日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-03-29 18:33 | 植物 | Comments(0)

雑草の花見… ホトケノザのじゅうたん

一面に広がるホトケノザが満開だった。
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梅も桜も好いが、やっぱり雑草はイイ。

ホトケノザがこんなふうになるのは、畑の、耕作のちょっとの間だけだ。
人手が入る土地でこそホトケノザも栄えることができるわけで、自然状態ではこうはならないだろう。
つまりこの絨毯は人間とホトケノザの共同制作ということ…

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仏さまが手を合わせた姿の花冠と、葉を蓮華座に見立てて〝仏の座〟だそうだが、この畑では何十万、何百万もの仏さまが合掌している。
これだけたくさんの仏さまが 〝手と手のしわを合わせてくれている〟 と思うと 〝幸せ〟 な気分になってくる。

秋の彼岸はヒガンバナだが、春の彼岸花にはホトケノザを指名したい。

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となりの畑ではホトケノザとオオイヌノフグリの豪華饗宴。
雑草ならではの彩りで、これもまた幸せな気分になる。

2013年3月20日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-03-20 18:41 | 植物 | Comments(0)

フクジュソウの花の気になること

本当に開閉するか?

フクジュソウの花は、太陽光線の当たり方で開きかたを変えると言われている。
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この花びらは少し閉じた状態。

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こっちは全開。
ネットで見ると「陽射しのある時は全開にして、陰った時には閉じて保温する」とある。
「やってきた虫のために温度を保つ」というのだがほんとうだろうか。このくらいのことで保温できるとは考えにくいが…

いずれにしても全体を開閉させることは間違いなさそうだ。
上の2枚の写真は2012年と2013年の写真で、同じ個体の動きを撮ったものではなく、残念ながら開閉を確認できていないのだが、ぜひ見てみたいものだ。


誤解されやすい集合果

フクジュソウの花には多数の雄しべと、その奥にこれまた多数の雌しべが観える。
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1個の花に多数の雌しべがあり、多数の果実となるものを集合果(集合花)と言うそうだ。
フクジュソウは典型的な集合果ということになる。

 ※ 写真で観る植物用語p124、岩瀬徹・大野啓一、全国農村教育協会より
 ⇒ http://www.zennokyo.co.jp/book/ykhb/sygo.html 


ネットで検索すると、集合花の例として堂々とタンポポをあげているサイトがあった。植物用語ではなく、ガーデニング用語辞典とうたったサイトで、集合果については正しく定義している。
集合花が果実になったのを集合果と言うのが正しいと思うのだが… かなり混乱がみられる。

そういえば “ロゼット” でおかしな図鑑がある。
『野草のロゼットハンドブック』というもので、この図鑑ではアカツメクサやカタバミ、はてはイネ科雑草まで、ロゼットとしてしまっているのだ。
学ぼうとするものにとって、障害以外の何ものでもない。混乱をまねくような勝手な使い方はやめてほしい。

彼ら植物にとっては、人間がなんと呼ぼうと知ったことではないかもしれないが、用語や名称はたいせつにしたいものである。

2013年3月10日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-03-10 23:56 | 植物 | Comments(0)

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