自然観察大学ブログ

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雑草の春-3 ヒメオドリコソウ

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春爛漫。これぞ雑草の春。
春の日差しのなかでこんな場面を観るとうれしくなってしまう。
ホトケノザとヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ…
春の雑草の御三家だ。(独断です)

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ヒメオドリコソウは茎が四角柱状。

シソ科には茎が四角柱のものが多いが、これによって強度が増しているのだろう。
ヒメオドリコソウはさらにその面に沿って葉が並び、全体が四角柱のようになる。
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群生もまた好し。
秩序正しく並ぶ姿は、雑草らしくないといえるだろう。
光のかげんと、観る角度で印象が変わり、同じシソ科のホトケノザなどとは違った独特の雰囲気がある。
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上から見ると、十文字型に葉が並ぶ。(十字対生)
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花は唇形花(しんけいか)。
内部の上面にオレンジ色の葯が見える。

ヒメオドリコソウは外来種で、名前のもとになったのは在来のオドリコソウだ。
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これが本家のオドリコソウ。(写真は高井幹夫/自然観察大学土佐支部長)
花を踊り子に見立てたのだという。ヒメオドリコソウのほうが踊り子にふさわしいような気がするのだが…

次のサイトで、オドリコソウの花の構造とハチによる受粉が、素晴らしい写真で紹介されている。
福原のページ/シソ科の唇形花: http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/shisoka.html

2012年4月23日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2012-04-23 12:50 | 植物 | Comments(6)

雑草の春-2 桜とキュウリグサ

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都内の桜の名所のひとつ、上野公園。
空をおおうような満開の花。
今年は例年よりもずっと人出が多かったらしいが、開花が遅れた分待ちかねた人々が集中したのかもしれない。
前夜のにぎわいの余韻を残す4月9日の朝、多数の外国人旅行者が嬉しそうに記念写真を撮っていた。
日本人は桜好きとされるが、意外にワールドワイドな感覚らしい。

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こちらは枝垂桜。

パッと咲いて、サーッと散る。梅が静的なのに比べ、桜は動的なイメージがある。
梅は “観梅” と言うのに対して、桜は “花見” と言い、宴会が似合う。
どちらも日本文化の一部になっているが、みなさんはどちら派?
  よければこちらも見てください⇒『梅が満開』 http://sizenkan.exblog.jp/15638325/

キュウリグサ

さて、かんじんの雑草だ。
上野公園の植えマス。植えマスとは、街路樹などの根元の囲まれた部分で、雑草マニアにとって重要な聖地(!)のひとつでもある。
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ここではキュウリグサが優占して、オオイヌノフグもちらほらと見える。
葉を摘んで揉むとキュウリのにおいがするというのでこの名があるが、遠目には人目を引くものでないところが、いかにも雑草らしい。

花を拡大して見よう。
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明るい青紫色の可憐な花。
花の直径は数ミリほどだが、桜の花にも決して負けていない。

キュウリグサは、桜と違って長い期間つぎつぎに花を開く。写真のちょうど開いた花を起点にして、その左は終わりかけの花、そのまた左はもう実になりかけている。
反対に先端のほうへいくと、開きかけから蕾、そして先端は巻いた形になり固い蕾が多数ついている。
巻いた状態から花茎(かけい)を伸ばし、つぎつぎに開花・結実を続ける。
長い間少しずつ種子散布をするというのは、繁殖のための知恵なのだろう。
伸びきった花茎は長さ30cm以上になる。

ところでキュウリグサはムラサキ科で、同じムラサキ科には園芸種のワスレナグサがある。
感じが似ているが、私はキュウリグサのほうが上品だと思う。(ひいき目か?)

余談ですが…

桜といえばやはり花見、宴会だ。
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ネオンに映える夜桜を観ると、なぜか生唾が出てしまう。
桜がいかに人を狂わせるか、宴会で同席したある女性の例を紹介しよう。女性は仮に I 嬢とする。

ある祝宴があり、二次会は上野公園の満開の花見をしようということになった。
I 嬢はみなに遅れまいと急いで居酒屋を出たが、ばたばたして靴を取り違えてしまった。
サイズこそ同じだったものの、全く違う色の靴だ。持ち物に執着心の強い I 嬢にしては、考えられない事態である。
その後しばらく花見をしながら歩いていたのに気づかなかった。
まさしく異常な状態だったのだろう。桜は人を酔わせるのだから仕方がない。
おそらく相手の方も、困惑しながらも I 嬢の靴で花見に歩いたのではなかろうか。

理解に苦しむのはさらにその翌日である。
I 嬢はまたしても気づかずにその靴を履いて外出した。これを “宿酔い” というのだろうか。
外出先でふと見慣れぬ靴に気がつき、非常なショックを受けたそうだ。

なお、その後無事靴交換の手はずになっている。

人間の興味深い生態である。

2012年4月19日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2012-04-19 12:57 | 植物 | Comments(3)

「芽ばえ」展はパラダイス

S.N.壌です。「芽ばえ」展、行ってきました。
楽しかったですね~。
植物好きには、パラダイスな空間です!

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14:30からのミュージアムトークに合わせていったのですが、トークを聞いて、自分でゆっくり見るには、ちょっと時間が足らない感じです。「あっ」という間に時間が過ぎ、閉館の鐘に追い出されて(!?)しまったような気持ちになってしまいました。
展示室は、決して広くはないと思うのですが、博物館の皆さんはどのような魔法をかけられているのでしょうか? 全く、謎です。

さて、展示の内容ですが、基本は、芽ばえの標本(小さくてかわいい。でっかいのもある)と高精度のスキャン画像と写真で構成されています。
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それらたくさんの芽ばえが、双子葉、針葉樹、単子葉、果物、○○科といったように、分かりやすいテーマに分けられて展示されています。
解説は、芽ばえのユニークさが分かるように、シンプルに添えられており、メインは、あくまでも、その小さな“芽ばえ”たちの姿です。

私が面白かったのは、下から上までの丸ごとスキャン画像。種子(殻)も、しっかりくっ付いている状態の画像です。
地下部から地上部までの姿を見ていると、「種子から根がでて、双葉が出て、茎が伸びて…、イヤ、本葉が開くのが先かな?」と、あれこれ想像してしまいます。「あっちの植物ではこうみたいだから、この植物ではこうかな?」とパズルを解いているような面白さがあります。そして、その答えは…

この展示内にはありません。ガーン!!!
でも、それがこの展示のすばらしいところのような気がします。これだけの芽ばえのコレクションがあるのだから、担当された博物館の先生は、個々の芽ばえがどのように生長して、花が咲いて、実がなって、枯れてゆく、その姿までご存知だと思います。しかし、生態情報は展示せず、小さな“芽生え”に焦点を絞って紹介しています。
確かに、高精度なスキャン画像は見ているだけで楽しいのですが、見ているだけでは分からないことがある。見ている側は、ちょっとした欲求不満を感じ、なんとなく自分も観察してみたいなぁ、という気持ちにさせられて…
ねっ、すばらしい展示じゃないですか!

そういえば、一緒に行った友人が 「あの展示で何が一番言いたかったことだと思う?」 と質問してきました。 「えっ、あの 芽ばえのおしゃべりパネル じゃない?」 と私は返答したのですが、あらためて考えても、本当にその通りだと思います。
おしゃべりパネル(「芽生えの表情」パネル)は、ぜひ見てもらいたいパネルです。
皆さん、「芽ばえ」展に足を運び、ぜひ、味わって? ご鑑賞くださいね(笑)

千葉県立中央博物館 春の展示 「芽生え」 展の案内
http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=233


2012年4月17日、報告:自然観察大学 事務局S.N.
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by sizenkansatu | 2012-04-17 18:57 | 植物 | Comments(1)

芽生えに注目!

桜が満開となった4月7日、千鳥ヶ淵に近い首都高速・代官町入口。
排水口で芽生えを見つけた。
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子葉と本葉が二枚ずつで、たぶんケヤキの芽生えと思われる。

【注】ケヤキは誤りで、文末にお詫びと訂正があります。

芽を出したところがハキダメのような排水口で、本人は途方にくれているのかもしれない。
そのうえ、この日は多数の人間がぞろぞろと頭上を通過して、さぞかしびっくりしているだろう。
この場所は横断歩道になっているのだが、行き交う人々の意識は満開の桜にあって、足もとの芽生えに気づく人はいない。

唯一注目する私には、せいいっぱいの愛嬌ある顔を向けてくれた。
(ワシが正面にまわったとも言えるが…)
哺乳動物の乳児は可愛いとされるが、植物だって負けていない。

これまでの私なら見逃していたかもしれないが、この日は違った。
つい先日 『芽生え』 をテーマにした展示を見て、その魅力にハマっているところなのだ。


『芽生え』 展で、みんなで感動しよう!

『芽生え』 展は、千葉県立中央博物館で開催されているので、ぜひ一度見に行っていただきたい。
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http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=57

実際に眼にするまでは 『芽生え』 がテーマというのは地味ではないか? と思ったのだが、この企画展は驚きの連続であった。(岩瀬名誉学長らも推奨しておられます)

その中でいちばん感心したのはツユクサの芽生え。その信じられない子葉の姿を、ぜひ博物館で見ていただきたい。

『芽生え』 展では “ミュージアムトーク” と言うのがあって、担当研究員の大野啓一先生が詳しく解説してくれる。できればこのタイミングに合わせていかれることをお勧めしたい。
内容が濃いので、説明の有無で理解度が違ってくると思う。
(ミュージアムトークのスケジュールは、上記博物館のホームページで確認してください)

ちなみに、自然観察大学事務局のS.N.嬢と、3月31日のミュージアムトークで偶然一緒になった。彼女はミュージアムトークを拝聴した後、復習と称して繰り返し展示を見ていたが、もう一度訪れたいと言っている。

2012年4月12日、報告:自然観察大学 事務局O

【追記:お詫びと訂正】
この稿のアップ後に、専門の某先生から次の指摘をいただきました。
………………………………………………………………………………………………………………
写真ですが、イロハモミジかもしれませんね。
少なくともケヤキではありません。
昨年は、イロハモミジもケヤキも豊作だったので、公園や庭などあちこちに両者の芽ばえを見かけます。
ケヤキの双葉は先がくぼみ、基がW形になっています。
………………………………………………………………………………………………………………

このところお詫びと訂正ばかりです。誠に申し訳ありません。 反省。
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by sizenkansatu | 2012-04-12 12:35 | 植物 | Comments(0)

親愛なる、そのへんの植物-3 「街中のスミレ」

春の訪れとともに楽しみにしているのがスミレです。一言でスミレといっても、スミレだけで一冊の本ができてしまうくらい多様だとされていて、その奥深さには驚かされます。その中で今回は、街中でよく見られる3種をご紹介します。

スミレは、環境が変わらない限り、毎年同じ場所にいます。散歩をしながら、「今年も咲いたね」と見て歩くのも楽しみです。私の家の周りだと、ノジスミレ、ヒメスミレ、続いてコスミレが咲き始めます。

スミレは変異が大きく、雑種も多いため、同定が難しいとされているのですが、まずは大きく地上茎があるかどうかで区別されます。今回の3種はどれも地上茎がないタイプです。
続いて、花の色、側弁に毛があるか、葉の形や毛、葉柄の翼、距の形などで見分けます。

そうは言ってもここは気楽に。雰囲気なんかもあります。今回も、私のわかる範囲で、おおまかに比べてみたいと思います。


ノジスミレ

田んぼの畦や道端で見かけます。日当たりのよい場所が多いです。通常は全体的に毛があるのが特徴で、雰囲気としては「しまりがない」というか、のほほんとした感じがします。
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距(きょ)は細長め。
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側弁は、ふつう無毛とされているのですが、うちの近所のものにはわずかに毛があります。
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地域によっては普通にみられるようです。有毛のものは「オトコノジスミレ」と言うらしく(品種)、なんとも愉快なネーミングです。


コスミレ

芝生の中や、道端、公園脇などで見かけます。ちょっと日陰の所にもいます。葉の裏が紫色のものが多いです。
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距は若干細長いです。
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側弁の毛は、あるものとないものがあり、東日本では無毛型が多く、西日本では有毛型が多いそうです。うちの近所のものは有毛型で、岐阜県ですが、西日本に入るようです。
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ちなみに、毛があるものですが、その名も「ヒゲコスミレ」だそうです(品種)。これまた微笑ましいですよね。


ヒメスミレ

こちらは、芝生の中で見つけたヒメスミレです。他の種に比べて、ひときわ小さい花を咲かせます。
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距は太めです。
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側弁には毛があります。
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こちらもヒメスミレです。
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ヒメスミレは小さく可憐な花を咲かせますが、よく見る場所と言えば、カンカンに日が照るアスファルトの隙間など、一見過酷なところが多いです。そういった環境は、競争種も少なく、太陽の光を一身に受け取ることができるため、日当たり好きのヒメスミレにとってはまさにうってつけなのかもしれません。小さな姿とは裏腹に、けなげというより、たくましさを感じます。

写真のヒメスミレも、元気がないようにも見えますが、そんなことはありません。毎年ちゃんと花を咲かせ、実をつけます。その姿を見る度に、私もがんばろうと勇気をもらったりもします。


3回にわたり、投稿させていただきました。至らない点もあったかと思いますが、読んでくださった方、どうもありがとうございました。

2012年4月11日、自然観察大学 植物生態学部 S子
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by sizenkansatu | 2012-04-11 13:21 | 植物 | Comments(1)

親愛なる、そのへんの植物-2 「ヒメウズ」

4月に入って見かけたものに 「ヒメウズ」 があります。道端は道端でも、休耕田などよりは、土手や公園脇など、日当たりや水はけがよい環境に多い印象です。私が見かけたのは、祠がある場所でした。
すらっと華奢な姿には、品があるように感じます。
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小さな花ですが、よく見ると作り込まれた造形美が… 

うっすらとピンクがかった花の中には、黄色い膜のようなものが見られます。花弁の中に膜?
数えてみたら5枚あります。
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調べてみると、実は、この膜こそが花弁でした。そして、花弁だと思っていたものは萼片(がくへん)だったのです。
種によっては、花弁が必ずしも「花弁らしい」わけではありません。ヒメウズの場合は、萼片を花弁のように目立たせることで、虫へのアピールをしているのかもしれません。

ヒメウズは、花の造りがオダマキと同じだそうで、オダマキ属に含めて扱われることも多いとか。オダマキの花弁には距(きょ)があって、萼片の隙間から外へ突きだしているのが特徴です。ヒメウズの距は未発達ですが、目をこらして見てみると、おしりに確かに小さな「つぶ」が見られます。
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こんな小さな花であっても、完成された美しさがあります。長い進化の賜物でしょうか。「どうしてこんなかたちに?」と考えるだけでも、楽しいものです。
ふと目を向けると、身近なところにも素敵な植物がいっぱいです。

2012年4月10日、自然観察大学 植物生態学部 S子
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by sizenkansatu | 2012-04-10 12:23 | 植物 | Comments(1)

親愛なる、そのへんの植物-1 「春の訪れ」

はじめまして。某大学院で植物生態学をやっている学生です。
今年から自然観察大学の学生になりました。

植物はなんとなくそこにいるわけではない、そう思ってまわりの環境も見ていると、動けない植物ならではの工夫があったりして、驚きと感動がいっぱいです。
そんな植物の生活を少しでも理解したくて、コツコツやっています。
今回は、私が出会えた植物のちょっとしたおもしろい(?)ことについて、お伝えさせていただきます。観察地は岐阜県になります。

冬本番の2月

人間である私には相変わらず寒い日々が続いていたのですが、植物の中にはすでに春の訪れを感じているものがいました。
田んぼの畦や道端には、オオイヌノフグリ、ハコベ、タネツケバナ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、ナズナ、オランダミミナグサ、ノボロギク、こんなのが、けっこう早くから咲いていました。丈夫なのか気が早いのか、他の種が咲かないうちは、競争もないしいいのかな、と思わなくもないですが、花粉を運んでくれる虫もまだ来ないだろうに……
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ノボロギク : ヨーロッパ原産の帰化植物。住宅近くの道端などに多い。

4月になって新顔が登場

あたたかい日が訪れるたびに、花を咲かせる種類が増えます。「昨日は咲いていなかったのに!」なんてことも。
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コオニタビラコ : 田んぼや畦に見られる。
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トキワハゼ : 庭や畑など。比較的湿った場所の印象がある。

コオニタビラコは、春の七草のうち 「ホトケノザ」 に当たります。ロゼットを広げた様子が、「仏の座」のように見えるからだそうです。別名はタビラコ(田平子)で、田んぼに平たく張りついている様子が由来のようです。
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たしかに…

ところで、シソ科のホトケノザが七草の「ホトケノザ」ではないのですね。標準和名ホトケノザは、シソ科の方ですから、私などはてっきりシソ科のがそうだと思っていました。この例に限らず、植物名と通称が異なることは、しばしばあるようです。要注意ですね。
ちなみに、七草の「ホトケノザ」であるコオニタビラコは、若苗のうちは食べられるようです。
「食べられる」の基準は難しいですが、シソ科の方に関しては、少なくとも積極的においしいという記載は見あたりません。毒性があるのかはわかりませんが、ここは先人達の知恵に従って、食として楽しむなら、コオニタビラコとするのがよさそうです。

コオニタビラコですが、最近は水田管理の仕方の変化で減っているという話もあります。当たり前のものが当たり前にある幸せに気がつくのは、それがなくなったとき。そんなのは悲しいですね。

満開のサクラとともに、いよいよ春本番が訪れます。多くの植物たちも、次々と花を咲かせることでしょう。サクラと一緒に、足元の春にも目を向けたい今日この頃です。

2012年4月9日、自然観察大学 植物生態学部 S子
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by sizenkansatu | 2012-04-09 12:39 | 植物 | Comments(3)

セッケイカワゲラの死

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第一ケルンより白馬三山を望む。左から白馬鑓、杓子、そして右奥が白馬岳。

2月はじめ、八方尾根スキー場でのこと。
この八方尾根の麓で、セッケイカワゲラの仲間を発見した。
セッケイカワゲラは名前のとおり雪渓を歩く不思議な虫だ。俗名で雪虫ともいわれる。
氷点下で活動すると聞いてはいたものの、実物を見るのは初めてだ。
厳寒の中で活発に動く姿に驚かされた。

潰さないよう大事に手の中に捕らえて、カメラのあるところまで移動する、そのほんの数分の間に死んでしまった。
仕方がないので雪の上において撮った遺影…
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原色川虫図鑑」(谷田一三,丸山博紀,高井幹夫、全農教)によると、クロカワゲラ科にセッケイカワゲラ属やセッケイカワゲラモドキ属といったグループがあり、写真のように無翅の成虫も8種以上あるそうだ。
生態は詳しく解明されてないようだが、初冬に成虫が現れてのち雪上で生活し、初春に成熟してから交尾産卵する、と記載されている。
“しろばんば”とも言われるアブラムシは雪のように見えるというので雪虫だと思うが、こちらは雪渓など雪上で生活する雪虫だ。

ネットで調べると、セッケイカワゲラの仲間は-10~+10℃の間でのみ生存できる、とあった。
http://www.nttcom.co.jp/comzine/no016/wise/index.html

体温36度の私の掌の中は、彼にとっては灼熱地獄だったのだろう。
申し訳ないことをした。 合掌。

2012年4月4日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2012-04-04 13:01 | 昆虫など | Comments(1)

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