自然観察大学ブログ

<   2011年 09月 ( 7 )   > この月の画像一覧




つる植物の話-4

ヤブガラシ

d0163696_19375644.jpg
灌木を覆うヤブガラシ。
d0163696_19382768.jpg
後の大きな木まで覆いつくしている。
d0163696_19385760.jpg
先端は巻きひげになってからみ、次は交代した脇芽が伸び、また巻きつく。
主軸が次々に交代する仮軸成長(かじくせいちょう)だ。
d0163696_19393128.jpg
たぶんアバウトな性格なのだろう。巻きつきかたはこんな感じのことが多い。

d0163696_19395884.jpg
小さな花が集まって花序となる。この形は散房花序という。
d0163696_19402496.jpg
ヤブガラシの花。
花びらは早く落ちて、オレンジ色の台座部分だけ残る。台座は花床とか花盤などと言われる。果実になることはまれだそうだ。

マニアにおすすめのサイト:福原のページ(植物形態学・生物画像集など) http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/yabugarashi.html

地味な花だが、ヤブガラシにはハチやアリなどの昆虫がよく集まる。
d0163696_19423155.jpg
ナミテントウ。アブラムシだけでなく、花蜜も食べるらしい。
d0163696_19425223.jpg
マメコガネ。こいつは好き嫌いがなく、何でもよく食べる。

すごいのを見つけた。
d0163696_19431826.jpg
ブドウトリバの交尾。
トリバガ科という蛾の仲間で、翅が鳥の羽毛のようになっているので “鳥羽蛾” という名前なのだと思う。翅を真横に伸ばした形も特徴的だ。
翅も奇妙だが、脚のトゲも不思議。どうしてこんな姿なのだろう?

もうひとつ、自然観察大学の見沼田んぼの観察会で、6月の下見のときにすごいのを見た。
d0163696_20155871.jpg
ブドウスズメの幼虫。
イモムシに詳しい方(?)なら、写真は逆さまにしがみついていて左が頭であることはおわかりだと思うが…
d0163696_20162169.jpg
よく観ると頭部はとても小さい。画面のカギ爪状の茶色いのが胸脚で、その下にあるのが頭部だ。

ヤブガラシにかかわる昆虫は多彩なようだ。いずれじっくり観てご報告したいと思う。

2011年9月22日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-09-22 20:20 | 植物と虫 | Comments(1)

つる植物の話-3

カナムグラ

d0163696_19302686.jpg
林縁の低木を覆うカナムグラ。
d0163696_19305943.jpg
しなやかにつるを伸ばす。
d0163696_19312033.jpg
先端部付近は、葉の裏まで白い毛がビッシリ。
d0163696_1931416.jpg
六角形の茎の稜には反り返ったトゲが並び、これで引っかかりながら巻きつく。
鉄葎(かなむぐら)という名前の通り強靭で、なめてかかるとこちらが傷だらけにされてしまう。

d0163696_1932550.jpg
カナムグラの雄花序。
d0163696_19323053.jpg
花は小さいが葯は大きく、中には花粉がたっぷり入っている。
この花粉は風でよく飛び、花粉症の原因になるとされている。
d0163696_193257100.jpg
こちらは雌花序。あまり花らしくはないのだが、雌しべの柱頭が観え、下部では若い果実も観える。

強靭なカナムグラにも敵がいる。
d0163696_19331969.jpg
茎が膨れているのをよく見かけるが、愛用の備前長船で割ってみると、中に虫がいた。
d0163696_19334399.jpg
調べたところ、たぶんヨツスジヒメシンクイの幼虫。
カナムグラに近縁のホップの害虫として知られている。

ところで、いくつか虫こぶを切ってみたのだが、すべて雌株だった。気になってさらに幾つか確認したが、やはり雌株。シンクイ虫は選んで雌株に食入するのか、それとも偶然なのだろうか?

余談ですが…
カナムグラは雌雄異株とされているが、つるが絡み合って確認しにくい。
素手でつるをたどると、すっかりトゲの餌食。
自慢の磁器のような私の腕は赤絵に彩られてしまった。

もうひとつ余談
9月半ばというのに暑い毎日で閉口したが、植物は着々と秋へ向かっている。
d0163696_1934428.jpg
カナムグラのすぐそばに、チカラシバやカゼクサ、キンエノコロが登場していた。
d0163696_19345899.jpg
このチカラシバはまさに出穂したばかり。ぜんぜん力強くない。

2011年9月20日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-09-20 19:37 | 植物 | Comments(5)

つる植物の話-2

ガガイモ

d0163696_12462812.jpg
植え込みをガガイモが覆っていた。
名前とたくましい姿はいかにも外来雑草的だが、れっきとした在来種だそうである。古くは種子の綿毛を朱肉に利用されるなど、古来より日本人のくらしにはかかわりの深い植物だったらしい。

d0163696_12471080.jpg
ガガイモの花。個性的で逞しく、なかなか美しい。

ガガイモの花については、次を見ると詳細な観察報告がある。
『花*花・flora』 http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/gagaimo.htm
植物愛好家の方は、お時間のある時にゆっくりご覧いただきたい。

余談ですが…
サッカーで世界一になった “なでしこジャパン” にならって、男子代表のネーミングを “ががいもジャパン” としてはいかがだろう。
● 素早い成長で他を覆いつくす攻撃力
● べとつく汁による守備力
● しなやかなつるで、支え合って伸びる結束力
● 外来雑草にも負けない逞しさ
ガガイモは神代にはカガミと呼ばれていたらしく、神話で天之蘿摩船(あまのかがみのふね)として果実を利用するシーンがあるらしい。神話つながりということで、八咫烏(やたがらす)との相性も良い。
そもそも、ザックジャパンとかトルシエジャパンといったネーミングはいかがなものか。監督の所有するチームであるかのような名称ではないか。
なでしこに続け! ががいもジャパン!

無敵のガガイモに敵がいた
つるの先端部にアブラムシが付いていた。
d0163696_12502535.jpg
キョウチクトウアブラムシだ。
逃れようと伸びるガガイモと、負けじと先へ回り込むアブラムシ。静かなチェイスが繰り広げられている。
d0163696_12504684.jpg
なかなかきれいなアブラムシだ。
名前の通り有毒植物で知られるキョウチクトウに着くのだが、どうして平気なのだろう?
アブラムシには毒は蓄積されないのだろうか?

2011年9月15日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-09-15 12:51 | 植物と虫 | Comments(5)

つる植物の話-1

ク ズ

d0163696_12442194.jpg
8月25日、今年はじめてクズの花を見た。
葉の陰に隠れて、周りのようすを窺うかのように咲いている。
隣の花序も “遅れてはならん” とあわてて準備をしているようだ。
甘いにおいが、気のせいかとりわけ濃厚に感じた。

d0163696_12445932.jpg
二週間後のいま、別の花。花序の下の方はすでに小さな莢になっているが、上部はまだまだ開花が続きそう。

d0163696_12454562.jpg
ほうっておくと、どんどん伸びる。
つるの伸び方はいかにも草本らしいのだが、茎が木質化して太くなり木本のようでもある。
d0163696_1246713.jpg
これは今年の春、4月末の芽出し。これを見る限りは明らかに木本だ。

タケ類もそうだが、草本か木本かははっきり分かれるものではないようだ。
I先生いわく “人間の都合できっちり分けられるものではありません。本人にとってはどっちでもよいことでしょう。”

2011年9月13日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-09-13 12:47 | Comments(0)

紀伊半島を襲った台風12号

台風12号では、紀伊半島を中心にたいへんな被害がありました。
被災されたみなさまに、心よりお見舞い申し上げますとともに、
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
救助・復旧などに尽力されているみなさま、ほんとうにご苦労様です。

わたくしごとですが、先月紀伊半島の現地を見てきたばかりということもあり、報道で次々に明らかになっていく被災地の状況を見て、水の恐ろしさを知らされました。
今回の台風12号は、紀伊半島で2400ミリ以上の降雨量だったそうです。
1か月前の台風6号で850ミリの雨があったばかりなのに…
生物を育む水の、別の顔です。
自然の強大な力を実感しました。

2011年9月9日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-09-09 20:55 | その他 | Comments(0)

アオマツムシとアオドウガネ

アオマツムシ

夜、帰宅途中のJR上野駅前でアオマツムシの声を聴いた。
人や車が行きかう中で、どこからか “リリリリ…” という鳴き声が聞こえた。
雑踏の中で聞こえる虫の音に、どこかうれしい気持ちになった。
d0163696_12433874.jpg
このアオマツムシは別の場所で撮ったもの。
鳴きかたは一本調子のガサツな感じで、在来種にくらべて風流とは言えないものだが、都心で虫の音を聞けるというありがたい虫ではある。
今年はとくにアオマツムシが多いような気がする。
都心でも鳴き声を聞かない日はないくらいなのに、実際に目にすることが少ないのは、昼間は樹上などでじっとしているからだ。

アオドウガネ
d0163696_12443568.jpg
今年多いと言えば、このアオドウガネもそうだ。
こちらも昼間は葉上でじっとしている。
夜間、街灯に飛来するらしく、翌朝の路上で無残に踏みつぶされた姿を頻繁に見る。

もともと暖地性だが、このところ関東でもめっきり増えたようだ。
これに似たドウガネブイブイは体色が濃いモスグリーン。関東では以前はドウガネブイブイが圧倒的多数派だったのだが、今ではアオドウガネの圧力によるものか、少なくなったようだ。
なお、体色は変異があるので、アオドウガネでは前翅の縁が反り返っているのが見分けるポイントと、Y先生からうかがった。

2011年9月5日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-09-05 12:47 | 昆虫など | Comments(0)

カメムシの心霊写真?

マユミの樹にただならぬ気配を感じて近寄ってみると…
d0163696_12422468.jpg
カメムシが鈴なりになっていた。
キバラヘリカメムシの幼虫だ。
鮮やかな体色で黒い翅芽(しが)はモダンなタキシード風。(たとえが旧い?)
よく観ると、小さな若い幼虫から大き目の幼虫まで混在していて、翅芽がだんだん大きくなっているのがわかる。
d0163696_12425340.jpg
吸われているマユミがちゃんと結実するかどうか、ちょっと心配だが…

d0163696_12433096.jpg
成虫もいた。
虎斑のふちどりとツートンの脚がモダン。(やっぱり旧い!)

ところで…
カメムシは全般に幼虫の方が派手だと思うのだが、どうしてだろう。
d0163696_1244392.jpg
これは近くで観たクサギカメムシ。ふ化したばかりのようだ。
d0163696_1244211.jpg
こちらは以前に撮ったクサギカメムシの成虫。

幼虫の時に派手な姿で、成虫は地味な体色というのはどういうことだろう。
まさか、目立つ幼虫を捕食者の生贄にささげて、そのスキに成虫は逃げる、などということはないと思うのだが…

心霊写真?
ところで、キバラヘリカメムシの写真データを整理していて不思議なものがあった。
d0163696_1245653.jpg
現場では気付かなかったが、頭部が不思議な映像になっている。
多重露光になったのかとも考えたが、触角はちゃんと映っているのでそうではない。

も、もしかして、生贄にされた子カメムシの怨霊だったりして…

それとも、今まさに頭が割れて脱皮をはじめた瞬間なのか?
ちなみに別の通常の個体は次のとおり。
d0163696_1245262.jpg
よく観ると、頭部から胸部にかけて、Y字型のごく細い白線があり、いかにもここから割れて脱皮しそうに見える。Y時が割れると前掲の写真のようになるのではないか?

撮影に集中して肝心の観察ができていないのは、まことに慙愧に堪えない。

脱皮か、はたまた怨念か、どなたかお心当たりのある方、ぜひご教示ください。

2011年9月2日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-09-02 12:46 | 昆虫など | Comments(0)

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
by sizenkansatu
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

最新の記事

最新のコメント

> チョコさん コメン..
by sizenkansatu at 12:44
こんな感じの本が欲しかっ..
by チョコ at 14:10
鈴木裕子さん、コメントあ..
by sizenkansatu at 15:19
日経新聞で冬の雑草の記事..
by 鈴木裕子 at 19:35
アレチヌスビトハギ 最悪..
by EVIS at 15:16

検索

ブログジャンル