自然観察大学ブログ

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セセリチョウとキク科植物

畑の脇に栽培されるキクでセセリチョウが吸蜜するのを見た。
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セセリチョウの仲間の多くは翅のたたみ方が独特で、ひと目でセセリチョウと分かる。
ところが仲間同士では似たものが多く、私には区別ができない。
いちばん多いのはイチモンジセセリだと思うが、これはどうだろうか。

観ていると、たくみに口吻(こうふん)を動かして次々に吸蜜していく。
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体は動かさず口器だけを右に左に、あるいは前後に、鞭のようにしなやかに動かしている。

キクの花は頭花(頭状花序)と言って(*)小さな花が集まったものなので、ひとつずつ吸う虫のほうもたいへんだ。例えるならごはんを一粒ずつ食べるようなものだろう。

* キク科植物の特徴。タンポポもヒマワリも似たような構造。詳しくは『セイタカアワダチソウの花を観るhttp://sizenkan.exblog.jp/12241705/ を参照ください。

セセリチョウはキク科の吸蜜に好適な進化をしたのだろうか。
そういえば、キク科のアザミ類やヒメジョオン、ユリ科のハナニラなど、小さい花が集まった植物で観ることが多いような気がする。
セセリチョウは小型で活発に動くイメージがあるが、吸蜜では無駄なく要領よく行動している。

そんなことを考えていると、隣の頭花にヒメアカタテハが来た。
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ヒメアカタテハの口吻は頑丈そうだが、しなやかな動きでは劣るようだ。体全体でくるくるまわり、移動しながら吸うので、いかにも効率が悪そうだ。

セセリチョウに関してもう少し…
イチモンジセセリやチャバネセセリの幼虫は稲の葉を食べる害虫として知られている。
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写真はチャバネセセリ幼虫で、稲の葉を巻いて中におさまっているところ。(2010年7月21日、高井幹夫氏撮影)
大きな複眼に見えるのは筋肉袋(*)だ。猫の目のような紋様があるのは擬態のひとつなのだろうか。

セセリチョウはほかにも面白い習性を持っているようなので、引き続き注目したい。

* 筋肉袋については『イモムシの眼は筋肉袋』: http://sizenkan.exblog.jp/12032640/ を参照ください。

2010年11月30日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-11-30 20:11 | 昆虫など | Comments(0)

晩秋の雑草観察

11月の半ばに、近くの農道で雑草を観た。
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イヌタデは秋の代表的な雑草だ。道ばたの群生が、光の具合で驚くほど鮮やかに見えることがある。
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一粒一粒がイヌタデの花で、花には花弁(花びら)がなく、赤いのは“がく”。
よく観るとほとんど花が終わっていて、閉じたがくのなかで果実になっている。
薄茶色の粒はもう熟したもので、光沢のある黒褐色の果実がむき出しになった粒もある。

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これはホトケノザ。秋に芽生えたあと、普通は翌春に成長・開花する “越年生(えつねんせい)” とされているが、このように秋に花をつける場合も多い。
唇形花(しんけいか、唇に似ているのでこう呼ぶ)を仏さまに見立てて、その付け根に葉が蓮華座のように着くので“仏の座”と名づけられたそうである。
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拡大してみると、花が終わったところでは、蓮華座に小さく黒い果実が着いているのが観える。仏さまの子供だ。
右下の花は蕾のようだが、ホトケノザには閉鎖花(へいさか)と言って開かないまま実を結ぶものがある。これはその閉鎖花かもしれない。
近年、ほとんど閉鎖花だけのホトケノザが街なかに増えていて、自然観察大学のI先生は “これらのホトケノザは外国から侵入した別系統のホトケノザではないか” と考えておられる。
閉鎖花か通常花(開放花)かの判別は意外に難しく、別系統の閉鎖花と思って撮影したホトケノザが、翌週見ると盛大に開花していた、という経験がある。

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スズメノカタビラの花穂。スズメノカタビラも普通は越年生だが、ホトケノザ同様秋に開花するものがあるようだ。類縁種のツルスズメノカタビラというのがあり、こちらは多年生とされる。両種を見分けるのはかなり難しいようだ。
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上の写真の左下の枝先の小穂(*)のアップ。羽毛のように見えるのは雌しべの柱頭。
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こちらはその上の枝につく小穂のアップ。雄しべが出て花粉を飛ばしたあと。

これらは雄花と雌花というわけではない。
スズメノカタビラなどのイネ科植物は、雄しべと雌しべを備えた両性花(りょうせいか)だが、一つの花からは先に雌しべが出て雄しべはあとから出るものが多い。これを雌しべ先熟(雌性先熟)と言って、これによって同一の花で受粉するのを避けることができる。

* 小穂(しょうすい)について詳しく知りたい場合はこのブログの10/20の『またまたオオエノコロのこと』 http://sizenkan.exblog.jp/12109470/ を見てください。

2010年11月26日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-11-26 17:57 | 植物 | Comments(0)

エイリアンが参加していた!

11月21日の自然観察大学 シダ植物観察会でのこと。
みなさんのうしろで、そっと村田先生の話を聞く怪しいヤツがいた。
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のっぺらぼうの頭にごつい脚。これは地球外生物か? 

正体はヤゴの羽化殻。頭に見える部分は捕獲仮面だ(*)。
頭部が反り返っているらしく、写真の上端は捕獲仮面の間接部にあたる。
映画のエイリアンのモデルはこいつか? と思った。

“面白いからみなさんに紹介しようか” と考えたが、観察会ではシダの前葉体を観察しライフサイクルの重要な話の最中だった。
発見者のKさんたちと相談した結果、集中しているところなので後日ブログで報告しよう、ということになった。
(後ろでゴソゴソ騒々しくて申し訳ありませんでした)

*捕獲仮面については “話のタネのテーブルNo.82『ヤゴの捕獲仮面』” http://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html で紹介しています。バックナンバー一覧から探してもらわないといけないのですが、まだ見てない方は面白いのでぜひ!

2010年11月25日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-11-25 19:19 | 昆虫など | Comments(1)

セイタカアワダチソウの訪花昆虫(5)

コアオハナムグリ
花に潜るから “ハナムグリ”というそうだが“潜る”を“むぐる”というのはどこかで転訛したのだろうか。そういえば私も子供のころ、潜水で泳ぐのを“むぐる”といっていたような記憶がある。
コアオハナムグリは意外に敏感で、危険を察知すると頭を埋めるようにしてじっと動きを止める。一度警戒体勢に入ると5分から10分は起動しない。気長に待って撮った。
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コアオハナムグリはミカンの花に潜って、頭や脚でミカンの子房表面に傷を付ける。成長したミカンは果実の表面に傷が残るので、商品価値がなくなるので、この虫はミカンの訪花害虫といわれている。味は変わらないと思うのだが、商売となると難しいのだろう。

テントウムシ
訪花昆虫ではないが、テントウムシの話をさせていただく。
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ナナホシテントウの飛び立つ瞬間の撮影にチャレンジしてみた。前翅が少し開いた直後にシャッターチャンスが来るのだが、そう何度も繰り返すことはできないので、けっこう難しい。
飛んでる姿をテーマに撮り続けている http://geocities.yahoo.co.jp/gl/tanatinsan 鎮さん に、秘訣を伝授いただきたいものだ。
(鎮さんは自然観察大学の学生です)

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ナナホシテントウは、擬死(偽死とも書くらしい)を撮るつもりで持ち帰った。ご存知の方は多いと思うが、昆虫が死んだふりをすることである。擬死はハムシやタマムシ、ゾウムシなど小さな甲虫類に多く観られる。葉の上の虫を採ろうとして、ポロリと落ちて逃してしまった経験は皆さんにもあると思う。
擬死は、野外では普通に体験できるが、撮影用に採集した昆虫は意外にも擬死しないようだ。環境の変化のためか、持ち帰った虫たちは興奮してしまって擬死どころではない。みなクモの子を散らすように逃げるのだ。
この写真は7,8頭のテントウムシをぶちまけて、何度目かの試技でやっと死んでくれたものである。

テントウムシの黄色い汁
擬死を撮るつもりが、思いがけずに黄色い汁が撮れた。
撮影中は気づかなかったのだが、写真の仕上がりをチェックしていて “擬死から復活したテントウムシ” の中にの中に次の写真を発見した。
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両肩(胸部と翅の境界部分)に黄色い汁が見える。ウィキペディアには関節から出るとあるが、どこの関節なのだろう。
なお、黄色い汁には呼び名がないようなので、“黄毒汁(きどくじる)” と呼ばせていただくことにする。黄痰、黄粘液、黄臭毒… ほかに良い名前が思いつかない。
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けっこう大量に出るものだ。その後もたらしながら歩いていたらしい。
汁に気づいていたら、臭いをかいだり、ちょっと舐めてみたりできたものを… 

黄毒汁も野外では普通に体験できるが、いざ撮影しようと思うと困難であった。
以前、試行錯誤したあげくに自然観察大学のY先生に黄毒汁撮影の秘訣をうかがったことがある。
Y先生いわく “カメラを構えた状態で奥さんに刺激を与えてもらうのがいいでしょう。だから秘訣は夫婦円満であることです。ちなみに私も撮影を試みていますが、いまだに成功していません。”

余談ですが…
黄毒汁の臭いと毒のおかげで捕食者に襲われることはない、というのは広く言われている話なので、ホントは正式な呼称があるのかもしれない。ご存知の方がいらしたら、ぜひ教えていただきたい。
しかし、もしも名前がないとしたら情けない話だ。
以前 『イモムシの眼は筋肉袋』 : http://sizenkan.exblog.jp/12032640/ でも呼称がないらしいことを記した。
昆虫学にかかわる先生方にお願いです。ぜひ適切な名称を付けていただきたい。
そうでないと、日常会話が困難になってしまうマニアックな人々がいるのです。

2010年11月23日、報告:事務局O

【11/26追記:反射出血と言うそうです】
南十字星さんから、これは “反射出血” と言う、というコメントをいただきました。本稿の右下の “Comments” をクリックするとコメントを読むことができるので、ぜひどうぞ。
「反射出血 テントウムシ」で検索してみましたが、DNA解析に利用されているそうですね。
南十字星さん、ありがとうございました。今後ともご指導よろしくお願いいたします。
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by sizenkansatu | 2010-11-23 17:50 | 昆虫など | Comments(2)

セイタカアワダチソウの訪花昆虫(4)

カメムシとクモ

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セイタカアワダチソウの花が終わったところに、カメムシの幼虫が群がっている。
子房を吸汁しているのだろう。キク科のヒメジョオンなどの花上でカメムシ類を見かけることがあるが、あれも子房を吸汁しているのだろうか。アワダチソウに混生していたオオニシキソウから移動してきたのかもしれない。
カメムシが花を吸蜜するということは聞いたことがない。 “ハナカメムシ”というグループがあるが、彼らは名前に反して捕食者である。

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食事中のクモがいた。食べられているのはカメムシの一種らしい。
クモは捕らえた獲物に消化液を注入して、溶かしてから吸収するそうだ。考えると恐ろしい。このカメムシの体内は溶かされてドロドロになっているのだろうか? 身の毛もよだつ食べられかただ。
自然観察大学のA先生は、この話を明朗快活に身振り手振りで説明してくれたのだが…

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こちらは別のクモ。眼の間がひらいて愛嬌のある顔をしているが、この表情にだまされてはいけない。
第1脚と第2脚を大きく広げているのは獲物を待つポーズ。獲物を捕らえた後は前述のおぞましい食べ方をするのだ。
このクモはカニグモ科のハナグモの仲間だろう。(前掲のクモもハナグモの仲間だろうか)
眼が顔の両側に離れて見えるが、その間にある二つの小黒点も眼。こちら側に4つの単眼があり、反対側(頭の後ろ側)にも単眼が4つある。
普通クモは8つ眼ですべて単眼、配列は種によって違うという。おそらくみな生活に適した配列になっているのだろう。ハナグモの8つの眼が前後(上下?)2列に並ぶのは、前方の獲物を捕らえる眼と、後方を警戒する眼と考えられる。
この体制なら地上のすべてを半球状に見ることができそうだ。それにしても、8つの眼から同時に入る視覚情報をうまく整理するとは、小さいながらなかなかやるものだ。

このハナグモが獲物を捕らえるところを撮ろうとねばっていたのだが、うまくいかなかった。ハナグモはずっと不動の姿勢で、こちらもけっこう長い間観ていたのだが、クモのほうが先にあきらめて、スゴスゴと不器用に後ずさりしながら移動していった。

参考にさせていただきました:『改訂 校庭のクモ・ダニ・アブラムシ』(浅間茂ら、全農教)

2010年11月19日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-11-19 19:38 | 昆虫など | Comments(0)

セイタカアワダチソウの訪花昆虫(3)

アブとハエ
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これはホソヒラタアブの一種。セイタカアワダチソウの頭花と比べると大きさがイメージできると思う。
はじめは無難な写真を紹介した。

アブもハエも翅が2枚で、触角が短いのが特徴で、どちらも分類学上 “ハエ目” に属する。
後翅が平均棍という棒状に変化して一対の前翅だけなので、かつては “双翅目” という言われていたが、この名前のほうがしっくりする。
カ(蚊)も同じハエ目なのでなおさらだ。

【注意】 次の写真にご注意。
(画面をスクロールする前に、虫嫌いの人はパスしたほうがいいかもしれません)
ハエの頭のアップ。
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光の反射であろう。複眼に不思議な紋様が浮き出ている。
もうひとつご注目いただきたいのは “行儀のよい食事”。
両前脚で雄しべを持って、そっと口を当てている。何流の作法か?
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全身が写ったのはこれ。ツマグロキンバエあるいはその仲間と思われる。
ハエ類の口器は折りたたみ式で、先端から吸収するので、象の鼻に例えられている。イエバエは食料に消化液をかけて溶かしたものを吸収するというが、このハエもそうしているのだろうか。

ハチに似たアブ
訪花性のアブはハチに似たものが多い。“擬態”と言って、危険なスズメバチやミツバチなどに姿を似せることによって天敵から身を守ると言われている。
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これはオオハナアブの仲間。擬態の主はマルハナバチや小型のクマバチといったところか。このアブにも複眼に紋様が出ている。
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こちらはナミハナアブ。私の身近ではもっとも多く、普通に見られる。ミツバチに似ている。

参考:ハチの口器
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ミツバチは先の尖った舌のような口器。これで蜜を吸うのだろう。
よく観ると舌のような口器のほかに大あごもある。ミツバチの大あごは目立たないが、スズメバチではよく目立つ。ハチ類の口器は複雑な構造だ。

余談ですが…
私はハエに好かれるタイプらしい。このブログの初期にコバエと共同作戦でホソミオツネントンボを撮影したという報告をさせていただいた。
(5月の十二天の森 http://sizenkan.exblog.jp/11129305/
不潔にしているためだろうか、ぼんやりと昼寝をしている時などに、ハエが体にとまってひんやりとすることがある。あれはもしかすると消化液をかけられているのだろうか。
現在の私の苦悩(?)は、寝ている間に頭髪を消化されてしまったことによるとか…
まぁ、相手がサシバエや吸血アブでなかったことをラッキーとするか。

2010年11月16日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-11-16 19:56 | 昆虫など | Comments(0)

セイタカアワダチソウの訪花昆虫(2)

ニホンミツバチとセイヨウミツバチ
訪花昆虫といえばミツバチが代表だ。
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全体が黄色っぽいのがセイヨウミツバチ(上)で、ニホンミツバチ(下)は黒っぽい印象。
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腹部の第1節と第2節が橙黄色がセイヨウで、黒褐色に縞があるのがニホンミツバチだが、色の変異もあるので、正確には後翅の翅脈で見分けるらしい。
今回観察できたのはどうもニホンミツバチのほうが多かった。季節的なものか、それとも場所柄か、あるいはセイタカアワダチソウという植物への嗜好性によるものなのか。

花粉を後脚に貯める
ミツバチが花粉を集めて巣へ持ち帰ることはよく言われているが、後脚に花粉だんごをつけたミツバチは普通に観察できる。次の写真はニホンミツバチ。
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d0163696_2065946.jpgミツバチの後脚はスプーン状になっていて、さらに周縁部に長毛があって花粉を貯めやすいようにできている。左の写真はセイヨウミツバチでこの部分を花粉籠:ポーレン・バスケットと言うらしい。

全身花粉だらけのニホンミツバチが、前脚で顔を拭う動作をはじめた。
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観ていると、ゴソゴソやっているうちに顔がきれいになった。
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顔や頭だけでなく全身に付着した花粉を、うまく脚を使って花粉籠に貯めるらしいが、細かいことは分からなかった。また機会を見つけて観察したい。

※ 予定変更してミツバチの話でした。次こそアブとハエの話です。

2010年11月15日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-11-15 20:04 | 昆虫など | Comments(0)

セイタカアワダチソウの訪花昆虫(1)

まずは、やっぱりチョウから紹介しよう。
ホントはハエ・アブからはじめたいのだが、嫌われてしまいそうだ。
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キタテハ。これは秋型で、赤味が強く翅の縁の切れ込みが大きい。夏型はもっと色が弱くて切れ込みが浅いらしい。
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この角度だと口器がよくわかる。もうひとつ注目してほしいのは脚。
タテハチョウの仲間は、一見すると脚が4本に見える。

d0163696_2031398.jpgよく観ると頭部からツノ状のものが突き出ているが、これがあと2本の前脚だ
前脚は感覚器として特化し、味覚を感じるといわれているが、これで探っているところを見たことは未だない。こんどは気をつけて観察せねば。

<2013.12.3 訂正> これは下唇髭だそうです。訂正します。小さくなった前脚は複眼の後ろあたりにあるようです。見えにくいですが。

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これはベニシジミ。ここまでの人生(蝶生?)、波乱万丈だったのだろう。鱗粉が落ちて、かなりくたびれたように見える。写真では匂いがわからないが、実物からは加齢臭がした(ウソ)。
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チョウ類の成虫の口器はみな針状で、吸蜜するときに伸ばすが、普段は前の写真のように丸めている。
構造的には左右の顎(あご)が合わさってできたもので、細い口針の左右の合わせ目の毛細管現象で蜜を吸うというが… いずれA先生に走査電顕で解明していただきたいものだ。

次回は本番のハエとアブ。嫌がらずに見てほしいです。

2010年11月11日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-11-11 20:38 | 昆虫など | Comments(0)

セイタカアワダチソウの花を観る

11月7日。セイタカアワダチソウが満開だ。
写真は堤防沿いの草刈後に再生してきたものなので草丈が低く、小さいものは10cm未満でも開花している。
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小さな花がびっしりついているが、全体のことを花序(かじょ)という。セイタカアワダチソウは円錐状の花序だ。
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嫌われものの外来植物として名高いが、こうしてみるとなかなか美しい。

それもそのはずで、花屋さんなどで観賞用の切花として売られている “ソリダコ” はセイタカアワダチソウと近縁なのである。(あるいは改良品種か?)
セイタカアワダチソウの学名は Solidago altissima L. だが、“ソリダコ” の名称は属名の Solidago からきているのだろう。
かつて、撮影用にセイタカアワダチソウの花を室内に持ち帰ったら、花がバラバラととめどなく落ちて閉口した。 “やはり野に置け…” である。

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花序の一部分を拡大してみると、個々の花がさらに小さな花で構成されているのがわかる。

少しややこしい話だが…
写真と文章を比べながら見ていただきたい。
個々の花の集まりを頭花(とうか)と言い、この頭花を構成する小さな花を小花(しょうか)と言う。
セイタカアワダチソウの小花には二つのタイプがある。
● 頭花の周囲に細長い花弁を見せているのが舌状花(ぜつじょうか)
● 中心部で反り返ったごく小さな花弁があるのが管状花(かんじょうか)
上の写真で管状花の中心から突き出ているのは雄しべだろうか。
『形とくらしの雑草図鑑』(岩瀬徹、全農教)によると、10数個の舌状花と数個の管状花でひとつの頭花となる。

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こちらは開花途中の花で、管状花の多くはまだ蕾だ。舌状花にくらべると管状花のほうが開花が遅いのだろうか。

ちなみに、セイタカアワダチソウはキク科で、小花が集まって頭花を構成するというのはキク科植物の特徴。

※ 以上、えらそうに説明しましたが、つい数年前までは訳が分からずにただ撮影するだけの私でした。文中で誤りなどがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

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セイタカアワダチソウは、多くの植物が花を終えた今ごろに開花する。考えてみると、自然界では貴重な植物と言えるだろう。わずかな時間でミツバチをはじめとするいろいろな訪花昆虫が観察できた。
それらについては改めてご報告したい。

2010年11月10日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-11-10 19:12 | 植物 | Comments(0)

スズメバチの巣を見つけた

11月6日、久しぶりの晴れ。週末の雨や台風で延び延びになっていた実家の庭仕事がやっとできた。快晴の草刈り日和のなか、スズメバチの巣を見つけたのである。
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昨年剪定した枝を積み上げておいたところに、人間の頭ほどの大きさの巣があった。
調べてみると “コガタスズメバチ” らしい。体長は働きバチで21-27mm。オオスズメバチの27-40mmに対してかなり小さい。このような地表近くで木の枝に巣をつけることが多いそうだ。(『野外の毒虫と不快な虫』(後述)より)

巣の存在を知る前、私は庭仕事の手はじめに台風で落ちた枯れ枝を集め、ここに積んだ。
スズメバチが何頭か飛んでいたが、オオスズメバチほどの迫力はないし、ハチのT先生から “スズメバチは巣の近くでなければたいした危険はありません” とこれまでの観察会で聞いていたので、気にもせず作業をしていた。
直径20センチほどの大きな枝をドサドサ積み上げていたその時である。
大勢のスズメバチがブゥーンと沸いて出て、ゆっくりと私を取り巻くように近寄ってきた。
気味が悪くなって、静かに後ずさりして身を遠ざけ、安全なところまで逃げた。

たぶん巣があるのだろうと考え、落ち着いたころを見はからって再接近した。カッパを着込み手ぬぐいをかぶり、カメラを携えてくだんの枯れ枝の山へ恐る恐る近づくと、前述の写真の巣を発見。出入り口に見張り役(?)がいる。
撮影はしたものの、正面の枝がどうにも邪魔だ。イチかバチか高枝切りバサミを伸ばして除去することを試みた。
及び腰でやったためか失敗、もっと邪魔なところに引っかかってしまった。その上、刺激に反応したハチがぞろぞろと巣の表面に出てきた。
再び静まるのを待って、撮った写真がこれ。
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思い切って近づいたつもりだが、これで限界。

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しかたがないので、パソコンでトリミングしてしまおう。

ハチは時々穴から飛び出し、正面にいる私に向かって飛んでくる。攻撃するつもりはなさそうだが、これは恐い。ぎりぎりのタイミングまで我慢して撮ったのが次の写真。これでご勘弁いただきたい。
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後で調べると、コガタスズメバチはオオスズメバチなどに比べると攻撃性が弱いということであったが、この時はそんなことは知らないのだ。膝が振るえ、腋の下に汗びっしょりの撮影であった。
ぐだぐだと説明文章ばかりで、決定的な写真が撮れなかったのはご容赦いただきたい。

スズメバチは冬にはいなくなるそうなので、そのときは巣を割って中を観ようと考えている。そのときはまたご報告させていただく。

ご参考までに…
スズメバチ類(アシナガバチを含む)の駆除は、原則として専門業者に依頼すべきだそうですが、やむをえず自力で駆除する場合の注意と手順は 『野外の毒虫と不快な虫』 (梅谷献二編、全農教発行)という本に状況別に詳しく出ています。この項の執筆はスズメバチ研究で著名な故・松浦誠先生です。
なお、この本について世間では “信じられないほど超マニアックな図鑑” と称しているようですが、プロ向け(?)のいい本です。

2010年11月9日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-11-09 19:02 | 昆虫など | Comments(1)

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