自然観察大学ブログ

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ツルマメの花

少し前の9月18日、ツルマメの花を撮った。ギンヤンマを待つ合間のことだ。
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ツルマメは池の端の雑草にからみつきながら伸び、小さいが鮮やかな色の花が目立っていた。
名前のとおりつる性のマメ科植物で、大豆の原種とされているらしい。
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もう少し拡大してみた。
右の花の中心部に何かいる。これはアザミウマの一種。なかなかかわいく撮れている。
これまでずいぶん雑草を撮ってきたが、花のアップを撮るとアザミウマがいることが多かった。撮影時には気づかなかったものが、現像してみると花の奥からこちらをのぞいているのだ。(当時は全部フィルム撮影)
虫がいる写真は図鑑には使えないが、写真としては面白い。

皆さん、手近な花をルーペでのぞいてみませんか? びっくりするほどたくさんのアザミウマがいるはずです。

ちなみに漢字で表すと “薊馬”で、名前の由来はいろいろな説があるようだが、今ひとつしっくり来ないので紹介しない。

話をツルマメに戻そう。ツルマメの果実は枝豆にそっくり。
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これは 『形とくらしの雑草図鑑』(岩瀬徹著、全農教) の該当ページ。果実を見るとたしかに原種説に納得。
茹でて枝豆の原種を味わってみたくなった。ラガービールや地ビールに合うのではないだろうか。
ツルマメに限らず、作物の原種は雑草である場合が多いとされている。
勇気ある方の体験報告をお待ちしています。
【注】少量で慎重に体験してください。

9月28日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-09-28 12:29 | 植物 | Comments(0)

秋を代表する花

知人との酒の席で、このブログの話になった。マニアックな話でけっこう盛り上がったのだが、今後の傾向と対策に関して貴重なご意見をいただいた。誰しも酔った時にこそ遠慮のない言葉が出てくるものだ。
その結果私の反省として、昆虫のマニアックな話もよいが、もっと花にも眼を向けようと考えるようになった。秀麗なご婦人の意見なので、たいせつにしなければいけない。分野を狭くせず、間口を広くしよう、というものである。
ということでさっそく身近な植物の話。次の植物は何か、お分かりだろうか。
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先端のツクシのようなものは蕾の集まりで、葉はニラのよう。
開花すると…
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拡大して観るとこんな花だ。ツルボである。
ユリ科の植物だが、いわゆるユリの仲間には見えない。でも、同じユリ科のニラやネギには似ている。(ネギの花も普通は拡大して観ないか…)
花序(かじょ:花の集まりを言う)の下のほうから順に咲くので、写真の下のほうはすでに果実になっていて、先端のほうはまだ蕾だ。
ユリ科は花びらとがくが同じ形をしているので、花皮片(かひへん)とまとめて呼ぶ。花皮片は6個(6枚)ということだ。ちなみに雄しべも6で、雌しべは1個だがもとにある子房は3室。ユリ科の花は3という数字を基本としたものになっているということだ。(『雑草博士入門』岩瀬徹・川名興著、全農教)

ツルボは地下に球根を作って増える。そのためか路傍にみごとな群生を見せてくれることがある。

私にとってツルボは秋を代表する花なのであります。
雑草の花は地味で目立たないが、拡大して観るとけっこう楽しいですよ。

9月24日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-09-24 19:11 | 植物 | Comments(2)

またまたギンヤンマ

前回の飛翔の写真を“りりねこ”さんにコメントで褒めていただいた。まことに恐悦至極である。
ところが実はまだギンヤンマを追いかけている。しつこくて申し訳ないが、もっと近くに寄ってピシッとした写真が撮りたいのだ。
しかしどうしてもうまくいかない。あれ以来ギンヤンマは日に日に警戒心が強くなるようで、このところ近寄ってもくれないようになってしまった。
この公園は近所の家族連れで賑わい、ギンヤンマたちはいつも捕虫網で追い掛け回されているためだろうか。
そんなわけで飛翔の写真は撮れなかったのだが、交尾が撮れた。
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待機中に偶然足元に飛んできたのである。
雄が雌の首根っこを押さえて、ぐいぐいと水中に沈めるような動作をする。一見すると拷問の水攻めのようにも見える。
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おそらくこれで水中の草に一粒ずつ産卵するのだろう。
これまでに遭遇したトンボの産卵シーンは、水面に尾端をチョンチョンと打ちつけるような打水産卵、田んぼの稲の上で見かける打空産卵、オニヤンマで見た尾端を水面に突き刺すような産卵、そして今回見たギンヤンマの拷問型産卵である。
いろんなパターンがあるものだ。
ギンヤンマは産卵時も飛翔力を生かして活発に移動するので、今考えるととてもラッキーな一瞬だった。
でもやっぱり王者の飛翔が撮りたい…

2010年9月22日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-09-22 16:04 | 昆虫など | Comments(0)

ギンヤンマ撮影に挑戦

ギンヤンマの飛ぶ姿は、トンボ、いや数ある昆虫の中でも別格ではないだろうか。無人の野を行くかのように颯爽として風格がある。
オニヤンマに比べるとさすがに体は小さいが、何しろ堂々としているのだ。まさに池の王者だ。

胸部には筋肉がびっしり詰まっているのだろう。ずっしりと重量感のある胸板だ。この筋肉で休むことなく飛び続け、悠然と縄張りを巡回する。
シオカラトンボやアカネ類のように止まって休むことがないので、撮影では泣かされる。
ようやく撮れたのが次の写真。
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長い脚をぴったりと密着させているのがわかる。私の手持ちには望遠レンズがなく、かなりトリミングしているので画像が荒れている。ご容赦いただきたい。
腹部の付け根が青いのが雄で、写真はもちろん雄。 『校庭の昆虫』(田中義弘、鈴木信夫著・全農教) を見てみると、青い部分の後部腹側が銀白色なのでギンヤンマと言われるという。
文面には、素早く飛びめったに止まらないこと、捕虫網のぎりぎり届かないところを測ったように飛ぶのでなかなか採れない、という記載もある。

池の王者らしく決まった巡回ルートを飛ぶので、撮影は予測して待てばよいのだが、困ったことにこの池には王者がたくさんいて、別の王者がしょっちゅう縄張り荒らしに来るのだ。
上の写真は千葉県市川市の大柏調整池(正式名称:大柏川第一調節池緑地 http://www.city.ichikawa.lg.jp/gre05/1111000012.html )というところに3日間通って撮った。延べ6-7時間は粘っている。まだ満足の行く写真が撮れてないので、もう少しチャレンジを続けるつもりだ。

ところで、ヤンマという名称はどこから来ているのだろう。漢字で書くと『蜻蜒』となるらしいが、意味は不明だ。二文字目の用例で 『蜿蜒』 は “えんえん” と読み、延々、うねうね、長々という意味らしい。どなたかこのあたりのことをご存知でしたらご教示ください。

2010年9月16日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-09-16 18:32 | 昆虫など | Comments(1)

カビ観察ブームか?

少し前に発行された 『カビ図鑑』 という本が評判を呼んでいるようだ。
これは “カビ” を自然観察の対象にしようというマニアックな本である。もともと自然観察をしようという人たちは、多かれ少なかれマニアックな資質を持っていたのだろう。この 『カビ図鑑』 が予想外に売れているらしいのだ。

アウトドア雑誌で 『ガルヴィ(Garrrv)』 というのがある。その10月号の巻頭特集が “カビ観察のススメ” なのだ。下がその記事。
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これは驚いた。一見して出版社(全農教)の広告かと思ったが、そうではない。編集部がカビは面白いと判断したのだろう。

ところで…
これはまだ極秘事項だが、自然観察大学の室内講習会で 『カビ図鑑』 著者の細矢先生に講演をしていただく予定だ。細矢先生は “カビを観察対象にする” という革命的な考えを持っておられる。ご期待ください。

岩瀬学長の 『カビ図鑑』 の紹介は、 http://www.sizenkansatu.jp/index_11.html をご覧ください。

2010年9月9日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-09-09 20:56 | その他 | Comments(0)

岡発戸で秋をさがす

猛暑が続く9月4日、岡発戸・都部谷津(おかぼっと・いちぶやつ)へ行った。この日も熱い。途中路上で何度も救急車とすれ違ったのは熱中症なのだろうか。だとしたらおそろしいことだ。
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到着していきなりカマキリがアブラゼミを捕食しているシーンに遭遇。
捕食性昆虫の中でも、カマキリのようにバリバリかじるタイプは迫力がある。カメラに気づいて時々頭をあげるが、食べるのをやめることはなかった。
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水の少ない田んぼではクモが忍者のようにすばやく水面を走る。スピードはアメンボよりもずっと速そうだ。
A先生に写真を見ていただくとキクヅキコモリグモの幼体の由。 “幼虫” ではなく “幼体” というのは、クモは昆虫ではないからか。
背中に子供を背負うので “子守グモ” だそうだが、その姿を見てみたいものだ。このクモは網を張ることはなく、水面や稲体を移動しながらウンカなどを捕らえ、田んぼの捕食者の代表とされている。

ここは今年から “生き物田んぼ” として手入れを開始されたところで、水生生物や多数のトンボ(主にシオカラトンボ)もいた。今後さらに楽しみな場所になりそうだ。
ところで、トンボの交尾は雄が腹部先端の尾角で雌の首っ玉を捕まえ、雌は腹部をひねって雄の腹部の付け根にある貯精のうから精子を受け取るそうだ。ややこしいことこの上ない。よくこんな格好で飛べるものだ。そんなことを考えていたのでピントが甘くてすみません。
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岡発戸へ行くと、毎回必ずAさんにお会いする。Aさんはこの谷津の環境を守る谷津守人のメンバーだ。いつもゴム長で泥まみれになって作業をしておられる。今年は雨がなくて田んぼの水が干上がってしまい、苦労をされている由。

この谷津は 『谷津ミュージアム』 といって、昭和30年ころの里山風景を取り戻そうと、谷津守人のみなさんががんばってくれています。2009年には「第一回水と緑のネットワーク拠点百選」に選ばれました。自然観察大学でも観察会のフィールドとしてお世話になっています。本当にありがとうございます。
谷津ミュージアムの紹介:http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/21,12055,211,765,html

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キジの親子に遭遇した。1羽ずつ順に通路を横切ったのが全部で4羽。写真のどこにいるかお分かりだろうか。ヨシ原の前で小休止し点呼を取っているようにも見える。このあとまた順番にヨシ原に入って行った。規律正しい隊列だ。子供も親と変わらないくらい大きく、雄は目の周りが赤くなっている。

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クズの花が咲いていた。花穂の下から開花するので上は蕾。まだ咲き始めだ。クズも熱中症が怖いのか、葉を閉じて我慢しているようだ。こちらはクズの甘い香りで心なしか暑さも和らぐ。
ところで、クズは秋の七草とされている。これが咲いているということは、やはり秋は近いということか。
昨年の自然観察大学の岡発戸での観察会で『自分にとっての秋の七草』というアンケート調査をした。その中でクズはススキに続くランキング第2位だった。詳しくは2009年の第三回観察会レポートをご覧いただきたい。
(見ていただく場合、お手数ですが自然観察大学トップページ http://www.sizenkansatu.jp/ の【バックナンバー】から順にクリックしていくしかありません)
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キツネノマゴに止まるマイコアカネのコンビ。これぞ秋限定の一品。日陰の草むらに大勢いて、S先生に写真を見ていただいてマイコアカネと確認できた。雄は成熟すると真っ赤になる由。雄のこの体色は秋を感じさせる。
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こちらの雌は黄色。額の斑紋を眉に見立てるようだが、複眼と口器の間なので鼻の穴のようにも見える。
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最後に見たのは作業小屋裏の電柱の補助ワイヤ(?)に行儀よく並んだトンボ。おそらくノシメトンボだと思う。写真で数えると少なくとも27-28頭はいる。

2010年9月8日、以上報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-09-08 14:58 | フィールド | Comments(1)

エノコログサとオオエノコロを改めて観た

岩瀬学長が書かれた『エノコログサとオオエノコロ』を見て、遅まきながら8月28日に改めて近くのエノコログサ類を観てみた。
人家の庭先には、まずエノコログサが目に付いた。
エノコログサは黄白色がかって、8月末の時点では終わりかけのものが多いようだ。
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穂の全体がほかのエノコログサに比べて小さめで、立ち上がっている。手で包むように握ると毛が柔らかいのがわかる。

少し歩いた江戸川沿いでは、アキノエノコログサを観た。こちらは8月末が最盛期のようだ。
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穂はエノコログサよりも大きく、全体が垂れ下がっていて、握るとゴワゴワした毛の感触が伝わる。

少し歩いて今度はゴミの集積場脇で、オオエノコロと思われるものを観た。
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アキノエノコログサのように穂がたれているが、このようなタイプのオオエノコロもあるのだろうか。
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穂先がゆるやかに細くなるのがオオエノコロとしては少し違和感がある。
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穂をよく見ると、やや長めの小枝に小穂がついている。小枝ごとに5,6個の小穂が塊って見えるので、やはりオオエノコロなのだろう。

さらに歩いて、今度は畑の脇でオオエノコロを見た。刈り込まれて小さいが、穂は立派なオオエノコロのようだ。
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穂先が細くなる感じといい、小穂にぽこぽこと小枝ごとの塊りがある感じはまさにオオエノコロだ。
前掲したエノコログサとアキノエノコログサの穂では小穂が一様にびっしり付いているので、違いがわかる。

以上3つのエノコログサ類を個人的な印象で定義付けすると次のようになった。
(統計を取ったわけではないし、あくまで個人の直感的な印象です)
エノコログサ:都市型、最も人間に近い存在。
アキノエノコログサ:郊外型。畑地周辺や非農耕地に多い。
オオエノコロ:造成地など、裸地化したあとに多い。都市部にも郊外にも見られる

【I先生からの補足】
街なかには7月ごろはエノコログサと雑種型(オオエノコロ)と思われるものが混在しています。雑種型にもいろいろあるようで、中には変異の幅に収まりそうなものもあります。
まだまだ観察の余地があります。

【参考】
岩瀬先生の『エノコログサとオオエノコロ』は、全農教HP/話のたねのテーブルhttp://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html  から左上の過去の掲載記事『もくじ』をクリックして、No.101でご覧いただけます。

【情報をお待ちしています】
エノコログサ類に関して皆さんのご意見、ご感想、観察報告などをお寄せいただけるとうれしいです。
NPO法人自然観察大学事務局まで。お待ちしております。

【余談】
近くの畑で、アワをみた。何十年も前に、大井川上流の山奥で祭礼用として栽培されているのを見たことがある。それと同じだ。オオエノコロの片親とされるだけあって、小穂の塊感がはっきりしている。
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珍しいので撮影していたら、年配の女性があらわれ、ニコニコしながら声をかけてくれた。
“アワが珍しいかい。お盆で仏様に上げるんでつくってるだ。わしも何年か前に近所のお年寄りに種を分けてもらっただよ。ホオズキとアワとキビ、ナス、カキ、クリなんかと一緒に供えるだと。”
アワのほかにキビも栽培されていたが、目の前でそれらをいきなり刈り取り始めた。
“知ってる人で畑のある人に分けてくれ、絶やさないようにみんなで作ってほしいんだ。”
ありがたくいただきました。種は自然観察大学講師の何人かの先生方で分けて、来年栽培してみてくれることになりました。

2010年9月1日、報告:事務局O

追記
2010年10月20日、『またまたオオエノコロのこと』 をアップしました。
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by sizenkansatu | 2010-09-01 12:53 | 植物 | Comments(0)

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