自然観察大学ブログ

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『図鑑大好き!』で見た驚きの昆虫図鑑

千葉県立中央博物館の企画展『図鑑大好き』に行ってきた。
ダーウィンのフジツボ図鑑や、手塚治虫の手作り昆虫図鑑ではじまり、フィールド図鑑の草分け・野鳥観察の「ピーターソン図鑑」、鱗翅目の鱗粉を転写したすごい図鑑もあった。完全アナログのコンピュータ植物図鑑(なんのこっちゃ?)なんていうのもあった。
もちろん歴史的なものだけでなく、実用的な図鑑やその制作裏話も紹介され、充実した楽しいものだった。

私がいちばん驚いたのはこれ。
画像を公開してよいものかどうか悩んだが、少しくらいはよいだろう。展示内容そのもではないし…

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漢字で書くと岡崎常太郎の「天然色写真 昆虫700種」という1930年発行の図鑑である。
これは本扉のページだが、すべてカタカナで記されている。
ここだけでなく、全編がカタカナ。なんという本だ !
ページをめくると、巻頭には 『ユケ カナモジ!』 というのが記されている。書き出しは次のとおり。

オー,アイスルカナモジヨ.ジブンワ イマ ナンジオ ヨノナカエ オクリダス.イヤ,ヨノナカエ ホーリコムノダ.

以下、この項は2ページにわたって続く。
『ハシガキ』という前書きがそのあとに1ページだけあって、そのあとまた 『コノ ホンニ カナモジオ モチイタ コトニ ツイテ』という項目がある。いわゆる凡例であるが、チョクシルイ(直翅類)をスグハネルイ、ハンシルイ(半翅類)をクダクチルイとしたなどということが記されている。(す、すごい…)

「昆虫博士入門」の前書きで「原色千種昆虫図譜」とともに紹介されているので名前は知っていたのだが、実物ははじめて見た。内容は立派な原色図鑑だが、まさかすべてカタカナで表記されているとは驚いた。
筆者によると、カナ文字は読み方で悩むこともなく世界に誇るべき優れた日本の文字である、という。たしかにその通りかもしれないが、読んで理解するにはかなり苦労する。慣れの問題もあるかもしれないが、それだけではなかろう。


あとで知ったことだが、著者の岡崎常太郎氏はカナモジ論者だそうである。(つい最近まで財団法人カナモジカイというのがあったらしい)
出版社の松邑三松堂は、全編カナモジの昆虫図鑑には抵抗はなかったのだろうか。
巻末の出版社の広告ページに、同じ岡崎常太郎著の「通俗蝶類図説」「通俗直翅類図説」「通俗脈翅類図説」の3巻が紹介されていたところを見ると、両者が納得しての発行なのだろう。ちなみにこの広告ページのみ漢字表記だった。



自然観察大学が活躍!

ところで、この企画展ではわれらが自然観察大学の先生方の活躍が目立った。
やや手前みそだが、紹介させていただく。

まず昆虫図鑑コーナーの展示。

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魅力的な図鑑たちにまじって、紫と黄色の「校庭の昆虫」が目立つ。
これは自然観察大学講師の鈴木信夫先生、田仲義弘先生の著書だ。
うーむ。山﨑秀雄先生の「昆虫博士入門」がもっと早くできていれば…


次は植物図鑑の展示。

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村田威夫先生の「シダ植物」が一番良いところにある。

右端には、「カビ図鑑」もある。
著者の細矢剛先生、伊沢正名先生には講習会で講演いただいた。


しかし、植物図鑑コーナーに肝心の図鑑がない。
ちょっとがっかりしていると、最後のコーナーにあった。

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岩瀬名誉学長の「形とくらしの雑草図鑑」と、川名興先生、飯島和子先生と3人で共著の「校庭の雑草」である。
いちばんよい場所に展示されている!
なんとありがたい。

個人的にとくにうれしかったのは、「校庭の雑草」の紹介である。原文のまま引用させていただこう。

校庭に生える雑草に絞った図鑑。付属のCDに花、芽生え、果実なども掲載されている。季節別の花の一覧表などもあるので、オマケかなと侮らずにCDを見なければいけない。

と記されていた。
CDは、デジタルの苦手な著者のかわりに、私が主体的に制作させていただいたものだ。うれしさのあまり涙がこみ上げた。
(出版社のHPにCD-ROMの体験版があるのでぜひ  ) 

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展示では、子供たちの自作の図鑑が多数紹介されていた。
夏休みの自由研究ネタにおすすめである。今ごろ遅いかもしれないが、ぜひ足を運んでいただきたい『図鑑大好き!』であった。
(10月13日まで)  http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=842 


2014年9月4日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2014-09-04 12:48 | その他 | Comments(0)

「昆虫博士入門」と自然観察大学の関係

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文末に追記あり(2014.7.24)

前回()に引き続き「昆虫博士入門」の話をさせていただく。


共通する多くのメンバー

まずは制作にかかわった人々。
本書では、著者の山﨑秀雄先生(講師)をはじめ、撮影の高井幹夫先生は土佐支部長、写真提供で浅間茂副学長、講師の田仲義弘先生、鈴木信夫先生、平井一男先生、さらにNPO会員や常連の方々にもご協力をいただいている。またカバー折り返しには、岩瀬名誉学長の推薦文がある。まさに自然観察大学あっての「昆虫博士入門」なのである。
ついでに、表紙デザインはスタッフのK君、不肖事務局Oも撮影と編集でかかわっている。


『形とくらし』が共通のコンセプト

「第一章:昆虫の体の構造」から、顔のページのひとつ。
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昆虫の顔は変化に富んで興味深い。昆虫たちの顔をじい~っと見ながら、あれこれ想像するのはたのしい。それだけで図鑑になっているものもあるくらいなのだ。
(出版社の案内に、より高画質のものがあります

この本では顔を見て彼らの 形とくらし を考えるところからはじまる。そう、この本の根底に流れるのは 形とくらし なのだ。
「形(構造)をよく観て、くらし(生態、行動)を考えよう」という、自然観察大学のコンセプトを実践しているのだ。

顔に続いて頭部、眼、口、翅、脚… と体の各部に関して考察をすすめる。たとえば眼の項では、いろいろな昆虫の眼を浅間茂副学長の走査電顕の写真などとともに観てゆくのだが、この本では昆虫が見ている世界そのものも考察を試みる。紫外線写真(これも浅間先生)はもちろんのこと、複眼で見る世界とはどんなものか? 申し訳ないが話が長くなるので本書を見てのおたのしみとしよう。

「第二章:昆虫のくらし」の見本ページはこれ(高画質  ) 
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これは子育ての項だが、この章では変態や食性、営巣や擬態といった昆虫ならではのくらしぶりを紹介する。普通の図鑑ではない〝観察図鑑〟なればこそであり、自然観察大学と共通したユニークな視点である。
なお、子育てといえば狩蜂だが、それは田仲先生の 「狩蜂生体図鑑」()にゆずっている。


名前はたいせつだが、それだけではない

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上は「第三章:いろいろな昆虫」のセセリチョウの項。(高画質  ) 
まず左ページで、この仲間の代表種であるイチモンジセセリの成虫、幼虫、卵に加えて、興味深い生態が紹介されている。そして右ページでは、野外で目にすることの多いセセリチョウ科の仲間を紹介している。どれも生態写真なので感覚的に調べやすいはず。
種の同定までは無理だとしても、セセリチョウの仲間であることは分かるだろう。それ以上の正確な種名を詳しく調べるのは専門の図鑑におまかせし、そのかわりに彼らの生活や面白い習性を知ろうというものだ。
日本産の昆虫は既知種だけでも3万種をはるかに超えているそうだから、すべての昆虫の名前がわかる図鑑となれば、膨大なうえに似た昆虫がずらりと並んで慣れないとかえって難しくなってしまう。


予 告 !
「昆虫博士入門」と自然観察大学の密接な関係を知っていただいたところで、ビッグニュースがある。本書の監修をお願いした大野正男先生が、自然観察大学の室内講習会での講演を引き受けてくださった。
大野正男先生は知る人ぞ知る昆虫界の大御所である。
「昆虫博士入門」発刊記念として、大野正男先生と山﨑秀雄先生と、お二人そろって講演いただくことになった。詳しいことは9月末の募集開始をお待ちいただきたい。


本書の巻末に、著者推奨の「参考になるサイト」の紹介があるが、この場でまとめて紹介したい。お気に入りに追加しておこう。(50音順)

■図鑑
昆虫エクスプローラ *1 
進化する昆虫図鑑  
水生昆虫写真鑑  
日本産ゾウムシデータベース  
福光村昆虫記  
ぷてろんワールド  
みんなで作る日本産蛾類図鑑V2  
吉崎ネット甲虫館  

■観察記録・エッセイ
イッカク通信>自然観察な日々  
一寸の虫にも五分の魂  
神戸・明石の虫ときどきプランクトン *2  
ご近所の小さな生き物たち *3  
自然観察大学ブログ(当ブログ)
鈴木海花の「虫目で歩けば」  
そよ風の中で *4  
鎮(チン)さんの自然観察記~写真録~  
ひむか昆虫記  
むしコラ  
ムシをデザインしたのはダレ? *5  

なお、上記のサイト管理者のみなさんへ、紹介させていただいた御礼として本書をお送りしたのだが、番号付のブログで本書の紹介をしてくれている。
*1 ⇒⇒  *2 ⇒⇒   *3 ⇒⇒  *4 ⇒⇒  *5 ⇒⇒  

2014年7月16日、報告:自然観察大学 事務局O

<<<2014年7月24日、追記>>>
次のサイトで本書を紹介してくれました。ありがとうご合いました。
http://www.geocities.co.jp/AnimalPark-Tama/1915/hon/z-konchuuhakasenyuumon.html
このトップページはこちら(
(私のPCでは文字化けしてわかりにくかったので)


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by sizenkansatu | 2014-07-16 18:23 | その他 | Comments(0)

「昆虫博士入門」ができた!

新しい昆虫の本がまもなく発刊になる。名前は「昆虫博士入門」
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著者は、われらが自然観察大学講師、山﨑秀雄先生だ。
 ※ 山﨑先生のプロフィール  
自然観察大学がはじまって以来12年あまり、ずっと進行中だった本がようやくできあがって、来週には大手書店に並ぶはず。


名前を調べない図鑑
この本の特徴は、個々の種名を調べるための図鑑ではないということ。
細かな種名を明らかにするのではなく、とりあえず〝オサムシの仲間〟とか〝セセリチョウの仲間〟というところまで判定しよう、という図鑑なのである。
そのかわり、成虫だけでなく幼虫を含めたその仲間の昆虫がどんな生活をしているかが分かるようになっている。
そもそも、昆虫の種類は日本産の既知のものだけで3万を種はるかに超えるそうだ。いきなり昆虫の種類名を調べようというのはよくばった話で、初心者にとっては〝盲亀の浮木、優曇華の華〟である。


表紙の話(御礼)
中身についてはまたの機会にお知らせするとして、今回は表紙の話である。
決めるにあたっては、会員(NPO法人自然観察大学の会員)のみなさんにご意見をうかがった。表紙の候補案はほかにも何パターンかあって、決めかねていたのである。
候補案をメール添付でお送りしたところ、期待した以上に多くの方々からていねいなご意見をいただいた。

そんなわけで、上のような表紙に決まりました。
みなさん、お忙しい中、ありがとうございました。

 ※「昆虫博士入門」と自然観察大学の関係  
 ※「昆虫博士入門」出版社からの紹介  

2014年7月8日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2014-07-08 07:02 | その他 | Comments(0)

魔法のタイツで野外観察?

前回のコメントにあった機能性タイツの話をさせていただく。

スポーツ用の機能性タイツは、複数のメーカーからでているようだが、私のはワコールのCX-Wというもの。スキー用品店で購入した。

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全体をお見せしたかったのだが、残念ながら自分で撮れるのはこの程度。

ちなみに、店で聞いた説明では、テーピングの効果で運動時の負荷や衝撃を和らげてくれる由。
膝を囲むようにクロスしているのがテーピング効果のある素材らしく、これが全体に縫い込まれている。
価格は約16,000円と驚くほど高かったのだが、思い切って買ってしまった。

じつは、ここ数年、ふくらはぎの肉離れがくせになっていたのである。
自然観察大学の観察会でも、小さな水路を飛び越えた際にピキッと離れてしまったことがある。歩行中の不安や違和感は恒常的にあった。せっかくスキーに行っても、初日の肉離れで悲惨なことになったのも一度や二度ではなかった。

それらが解消されるなら、16,000円の価値はあると考えたのだが、おかげさまでそして今年のスキーは、無事にシーズンを全うすることができた。

なお、ネットで調べると登山やランニングなどの愛好家の間では機能性タイツは評判らしい。
https://runnet.jp/project/shop/campaign/tights/201301/



余談ですが…

私は、もともとスキーや交通事故で、ひざの靭帯を3度も切っていて、スキーのときは筋金の入ったひざ用サポーターも装着している。機能性タイツと筋金入りサポーター、そしてスキー靴でがっちりと固められ、下半身はほとんどサイボーグ状態になる。科学の力はありがたい。
ゲレンデを滑っているときは快適なのだが、問題はトイレである。私の使用する機能性タイツは腰を含む下半身すべてのサポート性を持つタイプで、前が開かない。スキーウエアで上下がつながっていることもあり、ゲレンデではビールを控えなければならないのがつらいところだ。



機能性タイツで野外観察をしよう

お年寄りが階段をさっさっと昇り降りできるようになるタイツを、テレビの通販などで見かけるが、あれも似たようなものなのだろう。
魔法のタイツで活動的になれるので、とてもよいことであるのだが、ひとつ注意しなければならないことがある。負荷を軽くしてくれるだけに、このタイツを着用して普段どおりりの生活をしていては、筋力が落ちてしまうというのだ。
つまり、タイツを履いたら活動すべしということ。

足腰に故障を抱えたお年寄りたちには、ぜひ魔法のタイツを装着して、野外観察に出ていただきたいものである。

2014年4月6日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2014-04-06 17:48 | その他 | Comments(0)

カモシカに遭遇した

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尾瀬の岩鞍スキー場に行った時のこと。
朝一番(といっても9時過ぎ)のリフトに乗っていると、足跡が見えた。
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どうやらカモシカらしい。(画面の影は木立)

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こちらは偶蹄目らしい二叉の蹄の跡。
やはりカモシカだろう。

新雪のそこかしこに観られた足跡は、ゲレンデに出たところで整地され消えていた。

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周囲はこんな環境。画面の左の林縁がリフトで、足跡が観られたところ。
(スキースクールの少年少女が凛々しい!)

カモシカを観ることはできないだろうと思いながらも、あたりを見まわした。
すると、マサイの眼を持つ同行者がカモシカを見つけてくれた。
上の写真の画面の右奥の、ゲレンデからほんの少し離れた、木立の間にいるというのだ。
斜面を懸命に登って、コンパクトカメラをいっぱいにズームして撮ったのがこれ。
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遠目には岩のようにしか見えないので半信半疑だったが、しばらく観ていると耳がピクリと動いた。
やっぱりカモシカだ。
驚くべきマサイの眼に感謝! (最近、近距離は苦手のようだが…)

このカモシカ君は、朝食中にどこからともなくガヤガヤと人がやってきて、戸惑っているのだろうか。それとも、静かに〝反すう〟 しているところなのだろうか。
いずれにしても冷たい雪に埋もれて、じっとしていられるのはすごい。

さらに10メートル以内まで近づいて、正面にまわりこんだ。

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どうやら子どものようだ。
カモシカ君はこちらをじっと凝視している。(つぶらな瞳!)
スキーをバタバタさせながら近づく 〝ヘンな親父〟 に興味を持ったのだろうか。

じっくり撮らせていただけたのだが、直立不動で面白くはない。
さらに近づこうとすると、急斜面を登って悠然と立ち去ってしまった。
危険を感じて逃げたというよりは、ヘンな親父に飽きてしまったのかもしれない。

カモシカが消えていった斜面はこんな感じ。

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かなりの急傾斜である。
今年は積雪が多くて、カモシカたちも食糧難であろう。

冬の間は樹の芽や樹皮を食べるというのだが、そんな食生活でこの山中で厳しい季節を乗り切るのだから、たいしたものである。


2014年3月23日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2014-03-23 19:49 | その他 | Comments(2)

記録的な大雪で思ったこと

2月の前半の2週にわたって、関東と山梨で記録的な降雪があった。
自然観察大学でも、2月16日の室内講習会で一時は危機的な状況だったが、こちらは何とか無事に実施することができた。

私の住む千葉県市川市はこのとおり。

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江戸川の河川敷もまっ白…
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遠望される山々も雪景色。


2度目の大雪から2週間経った3月1日、所用で長野県まで往復してきた。
中央道の道路脇にはまだ雪が残っていて、車線をふさいでいるところもあった。
相模湖付近ではJRの線路わきに大量の雪が積みあげられ、今なお除雪作業が続いていた。「屋根からの落雪に注意してください」という有線放送の呼びかけが、SAにまで届いていた。


高速道路沿いの勝沼あたりで、点在するビニールハウスが無残に雪に押しつぶされていた。ニュースによると農業場面で多方面で莫大な損害が出たという。

ハウス栽培で付加価値を目指すこと、果樹を棚仕立てにして効率を上げること、どちらも農業生産では当たり前の技術だ。
たとえばイチゴである。イチゴは本来初夏の食べ物だったはずだが、ハウス栽培や低温処理などの技術で一変した。相場が最も高いのはクリスマスケーキの時期で、その後はどんどん値が下がる。本来の旬である初夏には、スーパーの店頭で眼にすることもないだろう。

高収入を狙うのは当たり前なのだが、そこには大きなリスクもあるということだろう。農業とは自然との闘いなんだと、改めて考えさせられた。

この先まだ降雪が予想されるという。何事もなければよいが…

2014年3月2日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2014-03-02 23:01 | その他 | Comments(0)

『ダイオウイカ』より、身近な自然がいい

野川公園での観察会の朝、公園に向かうバスの車中で、K沢先生やA間先生たちと、『ダイオウイカ』の話になった。
国立科学博物館の特別展『深海』のことである。
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「1時間待ちで、やっと入ったと思ったら、人混みで見えなかった」
「入場者が50万人を超えたらしい」
「ダイオウイカよりもマッコウクジラがすごい!」
「孫は〝深海6500〟にくぎ付けだった」
「午後がすいているという噂だが、ほんとは午前中のほうがよい」
「常設展のほうがいいですよ。空いてるし…」
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さすがに、みなさん行って見てこられたらしい。
ああだこうだと、バスの中で盛り上がったのだが、
「『深海』展は確かに面白いが、所詮は標本。生きた姿を見られる野川公園のほうが、やっぱり面白い」
という結論であった。

ちなみに、私も知人から招待券をいただいたので行ってみた。観察会前日の9月28日のことである。
行列に並んで、やっと入場すると、そこもやっぱり人垣。
すき間から液浸標本がちらちら見えるだけ。
息苦しくなって、早々に退出してしまった。
なお、『深海』展の開催は10月6日までである。

次回は野川公園で観た奇妙な動物の生きた姿をご報告する予定。

2013年10月2日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-10-02 22:12 | その他 | Comments(0)

『日本原色カメムシ図鑑 第3巻』が出た

まだかまだか、と言われてきた図鑑が、やっと出た。
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迫力の表紙。
厚さはこれまでの6割以上増えていて、なかなかのボリュームだ。

第3巻ではサシガメの仲間とグンバイムシ類の充実が目立つ。
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あいかわらずの鮮明な写真は、さらにパワーアップして、かつ、きめ細かく掲載される。
お断りしてスキャニングさせてもらったが、ぶ厚いのでノドの部分が光ってしまった…
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グンバイムシの中にもこんなのがいるとは…
こうして見ると、グンバイムシはまさしくカメムシの仲間だと実感できる。

ほかにもナガカメムシが3つの科に分かれてすごい充実!(ちょっとショック)

『日本原色カメムシ図鑑』にはじまって、第2巻、第3巻と出版されたが、本書のあとがきに、それぞれの巻の位置付けが次のようにまとめられている。
『日本原色カメムシ図鑑』(第1巻):353種を選抜して日本産陸生カメムシを概観した。
『日本原色カメムシ図鑑 第2巻』:難分類群の代表格のカスミカメムシ科とハナカメムシ科を主体に447種を詳述した。
『日本原色カメムシ図鑑 第3巻』:第2巻の流れを汲み、666種もの陸生カメムシを網羅した。
〝三位一体となって1,100種を超える日本の陸生カメムシの姿そのものを、浮き彫りにしている〟

まだじっくり見る時間がないのだが、私の好きなコラムが倍増しているのも楽しみである。


ほかのサイトでの紹介

本書のことが書かれているものをあげておこう。

① 自然観察者の日常   
② 鈴木海花の「虫目で歩けば」   
③ いもむしうんちは雨の音   
④ 出版社の案内  ⇒  

ちなみに、①は本書の著者のおひとりのブログ。
②では 『日本原色カメムシ図鑑』をめぐる人々を訪ねて という連載もあるので、お時間のあるときにゆっくりご覧いただきたい。日本原色カメムシ図鑑シリーズのすべてにかかわっておられる、高井幹夫 自然観察大学土佐支部長 の紹介もある。


余談ですが…

このところ更新が途絶えてしまっているのは、ちょっと仕事が立て込んでいるためである。
少しは落ち着いたものの、しばらくはこの状態が続きそう。
有志のみなさん、ご投稿をお待ちしております。

2012年11月29日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2012-11-29 13:05 | その他 | Comments(0)

江戸川べりの観察-14 うどんこ病の観察

エノキは河川敷などに先駆的に育つ、いわゆるパイオニア植物のひとつだ。
10月末のある日、そのエノキの葉裏が真っ白になっていた。
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近寄ってみると小さな粒々がある。 …うどんこ病だ。
〝うどん粉〟はいわゆる小麦粉のことで、これをまぶしたように白くなるので 〝うどんこ病
白い粉の正体は、うどんこ病菌の菌糸と胞子(分生子または分生胞子と言う)だそうだ。
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拡大すると表面に粒々があった。
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これは子嚢殻(しのうかく、こまかく言うと閉子嚢殻)と言うのだそうである。黄色から橙色と成熟して、黒いのが完熟なのだろう。直径は0.2㎜強で、よく見ると脚立のような付属器(付属糸)ではなく、カッパの頭状になっている。 (写真をクリックすると拡大します)
この粒のまま飛散して越冬し、翌春、中から子嚢胞子を出して新しいエノキに感染するのだそうだ。
なお、子嚢殻ができるのは秋で、普段は前述の分生子で繁殖する。


ややこしい 〝うどんこ病菌〟

うどんこ病のことを調べてみると、いろいろとややこしいことが分かった。
ちょっと長いが、お時間のある方はお付き合いいただきたい。

●まず カビ図鑑』 (細矢剛ほか、全農教)  で入門させていただいた。
うどんこ病菌は宿主植物を枯らすことなく、落葉するまで仲良く共存する。〝絶対寄生菌〟というそうだ。
植物とともに進化してきたためか、宿主植物とうどんこ病菌の種類は、組み合わせがほぼ決まっているらしい。

●では、どのくらいの種類が知られているのか…
日本植物病名データベース』(日本植物病理学会、農業生物資源ジーンバンク) で調べると、各種植物のうどんこ病といわれる病名が405件あった。これに対し、病原菌の種類は判明しているだけで180種弱である。
十把一からげに 〝うどんこ病〟 と呼んでいるが、その正体は多種多様だ。
ちなみに、エノキには〝エノキうどんこ病〟と〝エノキ裏うどんこ病〟の2種が確認されている。

●さらにエノキうどんこ病、エノキ裏うどんこ病を調べよう。
病害虫・雑草の情報基地』 で 『インターネット版 日本植物病害大事典』(岸國平、全農教) のp1116-1117に掲載されている。(閲覧には無料会員登録が必要)
病徴の写真からは両者の区別はつかないが、裏うどんこ病の解説に 「付属糸は閉子嚢殻の頭部に冠状に生じ…」 とあるので〝裏〟と判明した。
ちなみに、直径0.2~0.25mmの子嚢殻の中には16~33個の子嚢があり、さらにその中に3個(まれに2個)ずつの子嚢胞子が入っているそうである。


超ややこしい話ですが…

菌類のなかで、子嚢殻をつくるものを〝子嚢菌類〟という。
うどんこ病菌の中で子嚢殻が確認されたものは子嚢菌類であり、未確認のもの(あるいはもともとつくらないものもあるか?)は糸状不完全菌類(不完全菌類)に分類される。
うどんこ病菌は絶対寄生菌であり、人工培養はできないのだから、子嚢殻の確認は難しそう。

子嚢菌類と糸状不完全菌類の分類のレベルは、亜門 (門と綱の間)だという。
なんということか !
粒々(子嚢殻)が確認されると、そのときから所属の亜門が変わるとは !!

ミクロの世界でありながら、ダイナミックな世界を感じてしまった。

2012年11月8日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2012-11-08 20:28 | その他 | Comments(2)

狩蜂生態図鑑が出た

田仲義弘先生の 「狩蜂生態図鑑」 が出た。
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すごい図鑑だ。
掲載された写真の数々は、どのカットも決定的な瞬間をとらえた見事なものだ。
しかもただの写真ではなく、狩蜂の専門家が生態解明・確認のために撮った、一つ一つ意義のある写真なのである。(写真を撮ってはじめて解った生態というのが多数あるらしい)

写真だけではない。精密なイラストもすべて田仲先生ご本人による。
自然観察大学のみなさんは、田仲先生の狩蜂への情熱を知っておられると思うが、この本はそのすべてが注ぎ込まれた〝珠玉の図鑑〟なのだ。

中から一点だけ紹介させていただく。(クリックして拡大可能)
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着地に備えて後脚を構えたところだろうか。狩蜂って、理屈抜きでかっこいい。
このコイケギングチバチは体長5mm弱、抱えている獲物はチャタテムシだそうだ。
微小で素早い狩蜂の、その決定的な瞬間を、ピントばっちりで捉えている。
どうです? こんな写真が撮れるなんて、信じられます?

ところで、すべての写真に撮影データが記されていて、各地を飛び回っていることがうかがえるのだが、その中にさいたま市見沼、千葉県我孫子市、東京都野川公園、というのが多数ある。
そう、自然観察大学で観察会を実施している場所ではないか。なんとなく嬉しくなってしまった。

観察会の朝、田仲先生は誰よりも早く来て、フィールドを事前につぶさにチェックする。
そして観察会終了後、カメラを手にまたフィールドへ向かい、誰よりも遅くまで撮影を続けている。
おそらく、その後も継続して現地に通いつめておられることと思う。脱帽である。
私の知っているのは観察会当日の行動だけなのだが、おそらくいつでもどこでもこの調子なのだと思う。
そうなると、田仲先生の家庭平和が心配されるが、仲のよい円満なご家族のようなのでご安心いただきたい。(いまのところですが…)

『狩蜂生態図鑑 -ハンティング行動を写真で解く-』(田仲義弘著、全国農村教育協会、2,500円+税)

最後に「狩蜂生態図鑑」について紹介されたサイトがあるので、以下にあげておこう。
●虫をさがしに… ブログ(jkioさん)  
●自然観察大学HP:本の紹介(鈴木信夫先生)
<追記>
NPO会員の寿原さん、それに唐沢学長が、本書を見て感動し、紹介文を書いてくれました。
※ 単独のURLがないので、一覧表からクリックしてご覧ください。3件が併記してあります。

●全国農村教育協会HP(出版元)  


2012年9月18日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2012-09-18 19:09 | その他 | Comments(0)

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
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