自然観察大学ブログ

カテゴリ:植物( 151 )




アケビの花

オトシブミのいたヒメリンゴに、アケビが巻き付いていた。
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からまれたヒメリンゴには気の毒だが、にぎやかで、なかなかみごとな眺め。

(梅雨明けして夏本番だというのに、まだ5月はじめの話が続きます。すみません。)

こちらは完全に覆い尽くされて、ヒメリンゴはほとんど見えない。
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上の2枚の写真をくらべると、花が微妙に違うことに気づく。
一枚目では雄花が多く見えているが、二枚目は雌花が多い。

これがアケビの雌花。
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雌しべが多数あって、先端がねばねばしている。
これが一つずつ実になるらしい。

こちらが雄花。
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なんとなくカナムグラに似た感じだが、あちらはクワ科(APGⅢではアサ科)で、アケビはアケビ科だ。

カナムグラではバナナ型の葯の中に花粉をたっぷり詰め込んでいたが、アケビのほうではバナナ型のものは葯ではなく、表面の二本の筋に花粉をつけているだけのように見える。したがって花粉はごく少量。
ネットで調べるとアケビは虫媒でもなさそうで、受粉に関してよくわかってないらしい。
来シーズンよく観察してみたい。

ひとつ規則性を見い出したのがこれ。
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枝の先に雄花をつけ、元のほうに雌花をつける。雌花は柄が長く、横一線に並ぶ。
少なくとも今回見たアケビでは、どの枝でもこのように規則正しく雌雄が並んでいた。


余談ですが…

アケビのつるの先にクモが網を張っていた。
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網の中心がずれているのは、苦心の造網だったということなのだろう。
(画面で網が見えるとよいですが… クリックで拡大できます。)

つる植物の成長の早さを甘く見てはいけない。網を張っている間にもつるが伸びて、マイッタに違いない。
つるはこの後もどんどん伸びて絡みつき、まもなく網は破れるだろう。
クモの運命や如何に…
続きを観察したかったが、残念ながら観ることはできなかった。

2015年7月19日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-07-19 19:56 | 植物 | Comments(0)

真田の庄-その3 真田氏本城のタンポポ

前回の砥石城のすぐ近く。なだらかな丘陵地に、真田氏本城跡と言われる場所がある。
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真田昌幸が上田城を築くまでは、ここが真田氏の本城だったと考えられている。
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これは現地の案内板。
真田氏本城は右端にあり、砥石城は左上にある。
その先に上田城も記されているが、実際には上田城はずっと離れた場所だ。

真田氏本城は、芝を貼ったりして整備が行き届いた広場になっている。
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予想どおり、目にしたタンポポは雑種ばかり。
最近は「これぞセイヨウタンポポ」というものに、めっきりとお目にかからなくなった。

広場の芝地のすきまに、オドリコソウの群落があった。
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おそらく植栽されたものだと思うが、やはり在来の植物は気品がある。
(暑い日の夕方で、少し萎れている)
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語源とされる踊り子も、これなら納得できる。

在来タンポポをあきらめかけていたら、立派な群落があった。
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日暮れ近くで花は終わっているが、エゾタンポポの群落だ。
自然観察大学の観察会で見た野川公園のカントウタンポポもそうであったが、人の出入りの多い環境でも、うまい具合に管理すると在来のタンポポが残るようだ。

2015年6月13日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-06-14 00:17 | 植物 | Comments(0)

真田の庄-その2 佐久間象山とタンポポ

前回、砥石城のスズメノヤリを書いたが、次は本命のタンポポである。

砥石城へのメインルートは、最近整備されたこともあってか、在来のタンポポは見つからなかった。
やはり人の手が入り、森が拓かれると、セイヨウタンポポがとってかわるようだ。

それならと、別のルートにいってみた。
尾根の東側から大手口を経由して砥石城の本城へ行く。(前回記事の地図参照)
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こんな感じの、快適な小路が続く。(しつこいようですが季節は5月末です)
この小路は、かつては重要な街道だったようだ。
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旧松代街道といって、松代と上田を結ぶ道で、かの佐久間象山が通った道だそうである。
(ちなみに砥石城は戸石城とも記される)

ご存じのとおり、佐久間象山は幕末の学者。当時、洋学の第一人者で、開国論者であった。公武合体を唱えたのも象山である。
吉田松陰や勝海舟など幕末のヒーローたちのほとんどが象山の弟子だったことを考えると、歴史を作った巨人の一人である。

さて、開国論者が通ったという、西洋とかかわりの深い街道のタンポポはどうなっているか?
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明るい林床にポツリポツリとあるタンポポは、予想に反して(?)ほとんどがエゾタンポポであった。
樹林があると、セイヨウタンポポの来襲は阻止されるのだろう。

そんな中にも怪しいタンポポがあった。
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セイヨウタンポポではないが、エゾタンポポとは違う。
拡大して観よう。
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総苞外片は反り返らないが、しまりがない。
日本のタンポポは、外片がキュッとしまっているハズだ。

これがエゾタンポポとセイヨウタンポポとの雑種だとすると、和洋混交か、はたまた公武合体ということか?

別の怪しいタンポポがあった。
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総苞外片は日本のタンポポらしく、きっちりと折り目正しい姿。
しかし、1片ずつが妙に盛り上がっていて、これまでに見たことがない形だ。
もしかすると、これがうわさに聞く“シナノタンポポ”なのだろうか。
それともやはり、セイヨウタンポポと在来種の雑種なのだろうか?
シナノタンポポをネットで調べてみたが、サイトによって定義が違っているようで、残念ながらよくわからない。

そこで私は、この街道と開国にちなんで “ショウザンタンポポ”と呼ばせてもらうことにした。
我ながら、なかなかGoodな命名だと思う。
(ひとりで勝手に命名して遊んでいますが、どなたかご存知の方はぜひご教示お願いします)

……………………………………………………………………………………

<2015年6月10日 追記>

I先生から「このタンポポはシナノタンポポと言われているものでよいだろう」とご意見をいただいた。
ポコポコと一片ずつが盛り上がった総苞外片が特徴のようだ。
逆に、一つ目のタンポポは雑種のようだ、というご意見も。
次からは標本を採集しなければ… 
M先生は花粉を採集して、顕微鏡で確認しておられる。
タンポポは難しい。

……………………………………………………………………………………

おまけ
路傍のマメ科植物にびっしりとついていたアブラムシ。
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「アブラムシ入門図鑑」(松本嘉幸、全農教)で調べると、ソラマメヒゲナガアブラムシらしい。角状管と尾片に特徴があるので間違いなさそうだ。
真っ赤な眼がチョイワル(古い!)っぽいが、なかなかの美形だと思う。

2015年6月8日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-06-08 07:20 | 植物 | Comments(0)

窓際の雑草 オニタビラコ(赤鬼)

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去年から注目していた、窓枠のオニタビラコ。
事務所の近くのラーメン屋さんの窓枠である。
この写真は今年2月19日。
葉が枯れてしまうと、中心部から新しい葉が出て入れ替わる。
枯れることはないが、大きくなることもない。
こんな場所でいつまで成長できるのか、心配しながら観察を続けた。

d0163696_18594252.jpg1か月後の3月19日。


鮮やかな緑色になってきた。







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3月27日。

ついに花茎が伸びてきた。

女性で “(とう)が立つ”というのはこの抽苔したことを例えているのだと思う。
たしかに、キャベツなどの野菜で薹が立ったものは食べられない。


d0163696_19071957.jpgしかし、薹が立つ時期とは花をつける直前である。

花茎先端には瑞々しい蕾があった。

…ということは、大人になりかけであろう。
薹がたった女性とは、青春まっただ中の年頃ということになる。



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3月31日。

前の写真から4日後だが、花茎は大きく伸びている。
スッとして、なかなか清々しい。










d0163696_19074196.jpgオニタビラコは膨らんだつぼみが美しいと思う。
(写真はいまいちで、すみません)

よく観るとつぼみに混じってアブラムシがいる。

窓枠でがんばっているオニタビラコだが、そこに寄生するアブラムシもたいしたものだ。




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窓枠の環境はこんな感じ。路地に面した窓で、陽が当たるのは昼前後の小一時間ほどである。(窓には路地の反対側のビルが映って見えている)

この窓の内側では、鍋で沸かしているのだろうか。窓枠はいつも濡れている。いま流行りの「すきま植物」である。

上の写真でオニタビラコの右手前に見えるのはこのコケ植物。

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左奥にはツメクサがある。
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ツメクサは「すきま植物」の王様的存在だと思うのだが、いかがだろうか。
 ※「都会派の雑草-ツメクサ」   

4月16日。
やっと開花を観ることができた。
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もっと前に開花していたはずだが、雨ふりなどでタイミングが合わず、
この日初めて観察できた。日当たりが悪いためか、草丈だけが伸びて、ひょろひょろしている。

注目したいのは、赤味を帯びた花茎と、茎生葉があること。

それに、枝分かれが多いこと…

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これらの特徴はアカオニタビラコである。

反対に花茎が緑色で、茎生葉がほとんどなく、
枝分かれも少ないものはアオオニタビラコといって
別種として扱われるようになった。

これまではオニタビラコとして同一種とされていたが、
最近は青鬼、赤鬼と分けられたようだ。


4月27日。

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ついに結実!

昨年秋から約半年間を経て、やっと目的を達成したオニタビラコ。
お疲れ様でした。最後のカットだからというわけではないが、
光線の関係で撮影者の事務局Oが映り込んでいる。
お見苦しい点はお許しいただきたい。


余談ですが…
オニタビラコがアカオニタビラコとアオオニタビラコ(赤鬼と青鬼)に分けられたのは、専門家の研究の成果なのだと思う。
それはそれでよいのだが、図鑑などの索引では、オニタビラコの名称でも検索できるようにしていただきたいものである。
私のような素人は、オニタビラコで検索するハズだと思う。


もう一つ余談…
オニタビラコは外来の雑草で、名前のもとになったのはタビラコだという。
 ※「いにしえの雑草タビラコ」  
ところが、オニタビラコより小さいからというのだろう、現在はこのタビラコを “コオニタビラコ” という。
たしかにいま、街なかでも郊外でもオニタビラコはよく目立つ。
空き地や舗装のすきまなどどこにでもある、春の代表的雑草といってもよい。
だからといってコオニタビラコという主客転倒はいかがなものだろう。
大袈裟な表現をするなら“歴史を塗り替える”ことにも通じるのではないか。
将来、環境の変化などがあって、タビラコ(コオニタビラコ)が増え、オニタビラコが減るような再逆転現象が起こらないとは限らない。
そのときはオニタビラコをオオオニタビラコなどと改称することになったりしないだろうか。
文字にするとややこしいが、たとえるなら昆虫のトゲナシトゲトゲ、トゲアリトゲナシトゲトゲのようことになりはしないか?
(もっとややこしい!)

2015年5月26日、報告:自然観察大学 事務局O



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by sizenkansatu | 2015-05-26 19:36 | 植物 | Comments(0)

「新・雑草博士入門」ができた!

自然観察大学講師陣の岩瀬・川名・飯島の三人の先生方による、
「新・雑草博士入門」が全国農村教育協会から発行された。
著者の紹介は自然観察大学HP【講師紹介】でもご覧いただけるが、本書巻末の紹介文がなかなかよいので、そちらをご覧いただきたい。

表紙はこれ。

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自然観察大学でNPO会員のみなさんに協力いただいたデザインで、同じシリーズの「昆虫博士入門」とそっくりだが、同じシリーズだから似ていて当然だ。

書店店頭などで間違えないように、赤い帯がついている。(「昆虫博士入門」は濃緑色の帯)

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「形には理由(ワケ)がある。 …というキャッチも同じだが、これも致し方ない。
どちらも〝形とくらし〟をキーワードにしたもので、
〝形をよく見て、くらしを考えて、そして名前に近づく〟
という自然観察の極意であり、自然観察大学のテーマでもある。
(ほかの案も考えたが、これより好い案が出なかったというのが真相)

この本は2001年発行の「たのしい自然観察 雑草博士入門」のリニューアル版だ。
子どもから大人まで使えるように本格的な内容をわかりやすく表現する、というコンセプトも同じ。
ただし、一年半がかりで見直し、練り直しが行われた。
その結果、各項でより緻密でていねいな解説が加えられるとともに、新たな観察ポイントも多数加えられている。

たとえば、ちょっとややこしい「ツユクサの花」について、著者らは改めてツユクサを詳しく観察した。
その結果が2ページ弱にわたって掲載されている。

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花冠と花序の構造、受粉のしくみ、果実と、実にていねいな解説。2輪咲きのツユクサもある。
なかなか奥が深く、岩瀬先生をして〝いま、ツユクサに魅せられています〟と言わしめたほどである。
ツユクサの花は昨年の見沼の観察会で話題になった。参加いただいたみなさんにも、ぜひ本書で復習していただきたい。

もう一つ、観察会で盛り上がった話題。
「つるに巻かれてみよう」というもの。
見沼の芝川沿いの土手で、みんなでアレチウリのつる(巻きひげ)に巻かれてみたのを覚えておられるだろうか。

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そう。あれですよ。

こんな観察ポイントや話題が、ほかにもたくさん加えられている。キキョウソウなど追加された種も多い。
旧版の「たのしい自然観察 雑草博士入門」を持っておられる方にも、図書館などでぜひ一度目を通していただきたい。

制作裏話
「つるに巻かれてみよう」のコラムは、著者らのすすめにより、私の名前で書かせていただいている。
当初の原稿では文末に〝巻かれるのを待つ間にうっかり眠ってしまうと、搦め捕られてしまうので注意しよう〟と書いていたのだが、調子に乗りすぎという理由で割愛されてしまった。著者の見識というものであろう。

自然観察大学と「新・雑草博士入門」の関係

この本の著者の3人はご存じのとおり自然観察大学の講師だが、ほかにも唐沢学長の推薦文や写真提供をはじめ、村田先生、浅間先生、久保田さんら自然観察大学講師陣の協力でできている。
そして、自然観察大学の学生(参加者)のみなさんにも、観察会での写真の掲載だけでなく、アイデアをいただくなど、有形無形のご協力をいただいた。(感謝)
巻末の協力者リストには『NPO法人自然観察大学』の名が記されている。

本書を使った観察会
4月26日(日)に、北の丸公園でこの本を使った雑草の観察会が実施された。
自然観察大学HPで紹介されている 

http://sizenkansatu.jp/15daigaku/t_1.html


 ※ 出版社からの紹介  

2015年5月8日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-05-08 20:08 | 植物 | Comments(0)

春の雑草 ロゼットのようで、ロゼットではない

変幻自在のスズメノカタビラ

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スズメノカタビラは越年草の代表の一つだ。
主に秋に発芽して越冬し、翌年の春に花をつけるのが越年草。
でも、発芽してその年のうちに開花結実するものや、春になってから芽生えて素早く成長するスズメノカタビラもある。さらに近年は、ツルスズメノカタビラといって多年草化したものもある。
越年草とされているが、1年草として生活するのもあり、そのうえ多年草の系統もある。
スズメノカタビラこそ、まさに「雑草の中の雑草」と言えるだろう。
その変幻自在ぶりは、ほんとうに見事である。


とろで「越年草」といえばロゼットで冬を越すかというと、そうとは限らない。
スズメノカタビラはロゼットではない。

このスズメノカタビラをロゼット植物とする図鑑もあるが、それは誤りだ。
ロゼットでは、地上に出るのは葉(根生葉:こんせいよう)だけで、それが放射状に地表に広がる形をいう。茎は地表面すれすれの、有るか無いかのごく短い部分のみである。
スズメノカタビラは放射状に葉が出ているように思えるが、よく観ると根元から分かれた茎が出て、それに葉がついている。
イネ科はこのタイプで、ロゼットではなく叢生(そうせい)という。

※ 用語というのは人間の都合で決めたものだから、植物にとってはどうでもよいことかもしれない。しかしながら、歴代の植物学者の方たちが積み上げてきたものを、図鑑という立場で誤って伝えるのはよくない。ポケット版といえども図鑑なのだから… (この図鑑は売れているというのでなお困る)

近くに小さなスズメノカタビラがあった。

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大きさからして、これは春になって発芽したもののように思える。
それでも、もう、しっかりと出穂している。


ロゼットではなく、茎が放射状に出て、叢生していることが分かる。(しつこくてすみません)

もっと小さいスズメノカタビラがあった。

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なんと、すでに穂がある。
草丈は2-3cmくらいだが、この幼さで立派に大人なのだ。
う~む。変幻自在!



神出鬼没のノボロギク

芽生えてすぐに開花するといえばノボロギク。

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芽生えて間もない小さな葉(写真ではわかりにくいが葉の長さは1cm未満)の間にもうつぼみをつけている。
この形は、一見するとロゼットのようでもあるが、これはロゼットとは言わないだろう。

ノボロギクは、畑が耕起された直後などに、あっという間に芽を出す。
そしてすぐに開花結実する。


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大きくなったノボロギクはこれ。
耕した後に一面のノボロギク… という光景をしばしば目にする。

春に限らず、冬でも夏でも、チャンスがあればいつでも出芽し、一年中開花結実する。
神出鬼没の雑草だ。

2015年4月30日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-04-30 18:56 | 植物 | Comments(0)

春の雑草 ロゼットの観察-3

2月と3月のロゼットを比較してみよう。
(相変わらず季節外れですみません)

まずは2月末のヒメムカシヨモギ。
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整った形のロゼットだが、顔色が悪い。
冬のヒメムカシヨモギは、みな寒さに耐えるような色になっている。

次は3月末のヒメムカシヨモギ。(だと思う)
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春らしい、鮮やかな緑になった。(ヨカッタ)

次はオニノゲシ。
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2月末のオニノゲシは低い姿勢で寒さに耐える。
ロゼットの時期は、ノゲシと見分けやすいような気がする。

次は同じロゼットの1か月後。
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立体的に盛り上がって、元気いっぱい。
写真では大きさがわかりにくいが、元気に2まわりくらいでっかく成長している。

そして2月末のナガミヒナゲシ。
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1か月後のナガミヒナゲシ。
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これも中心部が上方へ盛り上がっている。
ナガミヒナゲシは、以前中心部の断面も観察しているので、そちらもご覧いただきたい。 ⇒ 

オニノゲシもナガミヒナゲシも、この時期早いものはもう花を開いているのに、まだこんな観察記録を書いている。
いいかげん、イヤになってくるが、もう少しだけお付き合いいただきたい。

2015年4月22日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-04-22 23:18 | 植物 | Comments(0)

早春の雑草 ロゼットの観察-1

2月末の暖かい日のこと。久しぶりに雑草を観に行った。
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ネギ畑の周りの雑草。
南向きに行儀よくならんで、日なたぼっこでもしているようだ。

気の早い、花をつけたヤツもいる。
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ホトケノザにスズメノカタビラ、奥で花茎を伸ばしているのはナズナ。

ロゼットがたくさんあると思ったら…
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よく観ると全部ナズナだ。
葉の切れ込みの深いものや浅いものといろいろある。
大小の違いは発芽時期の違いだろう。小さなものはどう見ても今年になってからの発芽と思う。

越年草(秋以降に発芽し、翌春成長して花をつける)とされるナズナだが、越年しないものも多い。秋に発芽して年内に花から実になるものもたくさんあるし、年を越してから発芽してロゼットを作らずに開花結実するのもある。その柔軟さ、型にはまらないところが雑草の雑草たるゆえんだ。

これもナズナのロゼット。
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寒さに当たったためか、古い葉(大きな葉)は色が悪い。
でも、中心部から新しく緑鮮やかな葉が出てきている。

次は切れ込みが細かくて深いもの。
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葉先のほうに緑が残っているのは、積雪や霜に触れてなかったためなのだろうか。
葉の数が多いのは、枯れた葉を補うために次々に出たものか。
厳しい寒さに震えながら育ったのだろう、このナズナの苦労がうかがえる。

好対照なのが次のロゼット。
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切れ込みが少なく、葉の緑は鮮やか。これもナズナである。
全体に丸っこくて、暖かいところでのんびりと育ってきたのかと想像してしまう。
(同じ畑のナズナだが…)

次はごく小さなロゼットだが、これもやはりナズナ。
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せっかく芽生えたのに、寒さにやられてしまって、なんとか新芽を出して持ちこたえている、といったところか。
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横から見ると宙に浮いたようになっているのは、たぶん霜で持ち上げられたのだろう。


余談ですが…
昨年後半から、なかなか更新できない日々が続いている。
毎週1回は更新できるようにしたいのだが、それが2週に一度になり、最近は月に一度たらずのペースになってしまっている。
雑用(本業とも言う)に追われて時間が作れなかったのだが、それもほぼ解消できた。
ぼちぼちと更新しますので、見捨てずにこれからもお付き合いのほど、よろしくお願いします。

2015年3月25日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2015-03-25 07:22 | 植物 | Comments(2)

続・セイタカアワダチソウの花を観る ‐開花の順序‐

以前にも「セイタカアワダチソウの花を観る」で記したが、今回はさらによく観させてもらおう。
(今ごろすみません)

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頭花の周辺部が舌状花で、中心部は管状花(筒状花)。
舌状花も管状花も小さいが、こうしてみるとけっこうあでやかだ。

別の角度の写真はこちら…
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舌状花と管状花はよくわかるが、雄しべと雌しべはどうなっているのか、いまひとつわからない。

ひとつの頭花を取り出して、よく観てみよう。
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これはまだ開花はじめの、舌状花だけの頭花。
普通は舌状花が先に開き、そのあと少し遅れて管状花が開く。
たくさんの雌しべが観えるが、舌状花には雌しべしかない。
林立する雌しべの奥に観えるドーム型のものが管状花のつぼみだ。

次は管状花も開いた状態。
d0163696_07155100.jpg
管状花から長い雌しべが出ている。
この雌しべは長く、舌状花の雌しべ(少し細身でY字型)よりもアタマ二つくらい突出した感じだ。

雌しべを観ると、二またになった柱頭には花粉がついている。
花柱を取り巻くようについているのが雄しべで、この時点ですでに花粉は無くなっている。

頭花の全体を包むうろこ状のものは総苞片で、その内側に観える白いのは冠毛だ。この冠毛が果実のときに綿毛のようになる。
小さい頭花ながらも、キク科の基本をまもった形だ。

管状花の雄しべと雌しべの関係がよくわかる頭花があった。
d0163696_07155915.jpg
画面で突出して見えるのが3本ある。
両サイドは雌しべが伸びて、ちょっと太めの二またの柱頭が見える。
中央は雄しべが伸びた状態である。雄しべは多数が合着して膜状になり、その中には雌しべがある。
つまり1個の雌しべを多数の雄しべが筒状に取り巻く形だ。

注目すべきは花糸だ。膜状部分の下にある糸状のものが雄しべの花糸である。
両サイドの花糸は剥離して縮んでいる。どうやらこれが縮むことで雌しべの柱頭が出てくるようだ。

連続したシーンを観察したわけではないが、まとめてみると次のように想像される。
① はじめは雄しべが伸びた状態。(画面の真ん中の少しピンぼけのもの)
② 雄しべが終わると花糸が縮んで筒状の雄しべが下にずれる。
③ 中に隠れていた雌しべの柱頭が顔を出す。

う~む。
自家受粉を避けるための雄性先熟だろう。小さい花だが、うまくできているものだ。
しかし、これだと自花受粉(同花受粉)をしなくても、同じ頭花、あるいは同じ株同士では受粉してしまう(隣花受粉)。セイタカアワダチソウは大量の花を次々に着けるのだから、ほとんどは自家受粉になるだろう。緻密な仕組みを持っているくせに、意外にアバウトだ。
しかしこの鷹揚さが先祖代々つちかった、セイタカアワダチソウの繁殖戦略なのだろう。

余談ですが…
セイタカアワダチソウはかつて花粉症の原因植物とされたことがあったが、本当はそうではない。
先日、ラジオのある番組で、かのAさんが次のように言っていた。
「セイタカアワダチソウは花粉症の原因となり、別名ブタクサとも言われる」
セイタカアワダチソウの名誉のために、放送後その番組にメールで投稿しておいた。
お詫びと訂正をしてくれていればいいのだが…

2015年1月26日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2015-01-26 07:21 | 植物 | Comments(0)

ハキダメギク

ハキダメギクは、空き地や畑などで、厳冬期を除いてほぼ一年中現れる。
ちょっとの間に芽を出し、あっという間に花をつける。
ハキダメギクの神出鬼没ぶりは〝これぞ雑草〟
素早い動きのハキダメギクだが、毎年同じ場所に安住することはない。
大群落を作ったり、そうかと思うといつの間にか消えたりする。

ほかの植物のない土地を探してさまよいながら、隙(空き地)を見つけてはあっという間に成長・繁殖する。
雑草の生活としては、一つの完成型のようだ。

花は小さいが、拡大するとなかなかきれい。(これも雑草らしいところ)
d0163696_07104853.jpg
白いのは舌状花で、黄色いのが管状花。
ハキダメギクの花は、小さいながらもキク科の頭状花の掟を踏襲している。
外側の管状花はすでに終わりかけで、真ん中の3つはまだつぼみ、そのあいだにある3つが開花中だ。

こちらはもう少し若い花序。
d0163696_07105655.jpg
つぼみの部分が多い。

外側から内側へという開花順序は、以前見たハルジオンと同じだ。
タンポポやキクイモなど、これまでに見た頭状花はみな外側から順に開花する。
参考:ハルジオンの花を観る ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/13602933/
(キク科の頭状花についても記してあります)

面白いのを見つけた。
d0163696_07111523.jpg
果実と花が同時に観られる。
先に開花した外側はとっとと果実になっているが、遅れた中心部はまだ開花中。
まわりを探すと、こんな花だらけだった。ひとつの頭花で時間差をつけているのはすごい。


ところで、上の写真の右側に卵がついている。(クリックで拡大できます)
鱗翅目の、オオタバコガのような卵。だが行く末がちょっと心配だ。
やっと孵化した幼虫が〝さて餌を食べよう〟と思ったときには、空中を舞っていたりするかも。
さぞかしびっくりすることだろう。

ハキダメギクの果実はこれ。
d0163696_07112449.jpg
冠毛は独特で、ふわふわ飛ぶ感じはしない。
そのかわり表面がトゲトゲで、何かにくっついてさらに移動しそうだ。

ハキダメギクの全貌は、次を転載させていただく。
d0163696_07113254.jpg
「形とくらしの雑草図鑑」(岩瀬徹、全農教)より。

〝掃き溜め菊〟とはひどい名前だが、掃き溜めで発見したというので、かの牧野富太郎氏が命名したそうである。上の群落の写真はまさに吹き溜まりのような場所だ。
少しかわいそうなので〝掃き溜めに鶴〟のように考えたい。

2014年11月11日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-11-10 07:21 | 植物 | Comments(0)

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