自然観察大学ブログ

カテゴリ:昆虫など( 154 )




スプリング・エフェメラル 2014 ツリアブと五芒星

関東は梅雨に入ったが、こちらは前回の続きで、まだ5月はじめの話。
(なんというマイペース!)

神社の裏の河原にツリアブがいた。
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たぶんビロウドツリアブの雄。
これも春先限定のスプリング・エフェメラルだ。
妖精というより小悪魔のような怪しげな風貌。よく観ると、ふっくらして見えるのは全身をおおう長毛によるもので、本体は意外に痩せているようだ。
蜂類に寄生するという生態からしても、ダーティーなイメージである。

近づくとすぐに飛ぶのだが、遠くへ去ることはなく、すぐに戻ってくる。
何かの拍子で驚かしてしまったときは、激しいスピードで、前後左右に行ったり来たり…
ときにマークを描いて飛ぶようにも観える。
こっ、これは、五芒星ではないか! 
ビロウドツリアブが魔除けの呪符を結んでいる!!
…ということは、もしかして祓われているのはワシ??
このワシを魔物扱いするとは、フトドキモノめがっ!

などと考えながら待っていると、また着地してくれた。
d0163696_06170159.jpg
雄は体が一回り小さいのと、左右の複眼がくっついているので見分けられる。

雌は真面目に花を渡り歩いて栄養を摂っている止まる瞬間がないので、写真に撮るのは難しかった。
それに対して雄は、ときどき縄張り争いのような行動も観られたが、おおむね河原の石の上で日向ぼっこをしている。気楽なくらしのようだ。

それにしてもこの口器はすごい。
この日はタンポポやカキドオシの花に来ていたが、ドウダンツツジのような筒型の花も吸蜜可能だ。筒形の下向きの花に吊り下がるようにして吸蜜する姿から 〝吊り虻〟 だそうである。とはいえ、ここまで極端な形になったのは何か理由があるのだろうか。不思議だ。


私が怪しいものではないと認めてくれたのか、こんどは後ろ向きに止まった。
d0163696_06171576.jpg
なかなかキュートだ。やはりスプリング・エフェメラルである。
どこかのゆるキャラに似ているかも…

2014年6月8日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-06-08 06:23 | 昆虫など | Comments(0)

不思議なヨコバイダンス

〝実験や観察で育まれる「不思議がる感性」は、あらゆる可能性の卵だろう〟

ちょっと前の朝日新聞「天声人語」にあったフレーズである。
記事によると、東京都では教員採用内定者を『虫にさわれる教師』にすべく、特別講座を開いているらしい。理科教育を大事にしたいということであろう。
STAP細胞(現象?)で大騒ぎのマスコミだが、このような記事を掲載するとは、さすが天声人語である。

…というわけで、「可能性を育む観察」をしよう。

葉上にたたずむ謎の昆虫。

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体長は5mm弱で、一見すると虫の糞のよう。肉眼では頭と尻も定かではない。
拡大するとなかなかきれいな紋様があるが、全く動かないので面白味はない。

横から撮らせていただくと…

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後脚にすごいとげがあるので、ヨコバイの仲間かな? などと考えていると、ピンッと跳ねて視界から消えてしまった。
あとで調べるとクロヒラタヨコバイという虫らしい。

ヨコバイの仲間は後脚に多数のとげがある。
危険を感じた時にこの脚で跳ねて逃げる。とげは、ジャンプするとき滑らないためのものだろうか。

脚はふだんたたんでいるが、たたみ方はバッタと違ってひざ(?)が前方にくる。
バッタはひざが後方に出る胡坐(あぐら)のようなたたみ方で、それに対してヨコバイは行儀よく正座している状態だ。

はじめのクロヒラタヨコバイに跳ばれたあと、同じ場所(ハーデンベルギア:マメ科の園芸植物)を捜すと、いた!(たぶん別の個体)

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正面で相対すると、両手をついて挨拶しているようで、やはり行儀がよい。
なんだか、お座敷でお出迎えいただいたような気分になる。

しばらくして、突然動き出した。

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歩き方はちょっとヨタヨタして、不器用そうな感じ。

すこし歩いたあと、立ち止まってひざの曲げ伸ばし運動のような動きをはじめた。

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この動作はヨコバイ類ではわりによく見かけられる。右に左に体をゆする動作は不思議なダンスのようだ。まさか、ジャンプの前の準備運動ということはないと思うが… 

もっとちゃんと撮りたかったのだが、このあとすぐに跳ばれてしまった。
(私の接写システムでは、動くものを撮るのは超困難)

『チンさんの自然観察記』では、この動作を〝四股踏み〟と名付けて、分かりやすい写真で紹介されている。
※ ツマグロオオヨコバイ-19
 ⇒
 http://tanatyan.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-2855.html
チンさんもこの不思議なダンスの意味は分からないと記されている。

ところが、である。
バッタ類がご専門のU田先生に、ご意見をうかがう機会があった。バッタ類でもこの不思議なダンスが観られることがあるそうで、バッタ類の場合はジャンプした着地点の距離を測るための動作ではないかと考えられている由。

昆虫たちは着地点のことは何も考えてないと思ったのだが、驚きである。とくにバッタ類は、適当に跳びだしたあと、ぶつかったところにあわててしがみつくような印象だったのだが…

ご存知の方、ご意見をお持ちの方、ぜひコメントください。

2014年4月21日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2014-04-21 23:11 | 昆虫など | Comments(5)

赤トンボの産卵

文末に追記があります(2013年12月8日)

前回に続いて、10月末の館山。(今ごろすみません)
さすがは南国、ひこばえが出穂していたので、カメムシでにぎわっているのではないかと思ったのだが、残念ながら空振り。
そのかわりに、赤トンボがたくさん舞っていた。

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ナツアカネの産卵。雄が前で、雌の首根っこを押さえている。
みなさんご夫婦で、ひこばえの株間を縫うように、次々に飛んでくる。産卵ラッシュであった。

こちらは湿った田面に這いつくばっているので、服を通して水がだんだん浸みてくるのだが、おかまいなしである。気にしてはいられない。

秋だからアキアカネだと単純に考えていたのだが、調べてみるとナツアカネだと分かった。
ナツアカネは打空産卵なので、もっと上空から産卵するのだと思っていたが、けっこう地表近くで産卵するらしい。
写真のように雄が全身真っ赤になるのはナツアカネで、アキアカネはこうはならない。胸部の側面の縞模様も違う。(けっこう微妙な違いで、私にはよくわからないのだが…)
ちなみにアキアカネは打水産卵である。

それにしても、トンボはどうして産卵のときまでつながっているのだろう。
この状態は交尾ではなく、すでに朝のうちに交尾をすませていて、そのあとはこうして連結したまま、移動して産卵するというのだ。
それなのに、どうして連結を続けているのだろうか? 卵を振り出す力を増大するには効果がありそうだが納得できる理由ではない。

ちなみに、交尾シーンはこれ。

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シオカラトンボの交尾(高井幹夫土佐支部長の撮影)だが、基本的に同じだろう。
画面左が雄で、尾端で雌の首をつかんでいる。首をつかむのは連結飛行と同じで、雄には尾角という挟み付けるための器官がある。
雌のほうは、尾端を雄の胸元(腹部の付け根)にくっつけて精子を受け取る。
雄のここには貯精嚢があって、精子が貯めてあるというのだが、ずいぶんややこしことをするものだ。
交尾の姿勢がハートマークの形になることがあるが、もしかしてそれが目的だったりして…


余談ですが…
ここ数か月は非常に多忙で、雑用(本業ともいう)に追われる日々が続いている。
この状態はもうしばらく続きそうだが、観察と記録はのんびりやらせていただく。


…………………………………………………………………
<12月8日追記>
つくば市けんぞうさんから、コメントをいただいた。
けんぞうさん、ありがとうございました。
産卵のときまで連結飛行するのは赤トンボの仲間とギンヤンマで、これを〝おつながり〟と言うそうだ。
連結飛行は雄が好適な産卵場所に誘導するためのものだそうである。
ギンヤンマの産卵は以前このブログで報告したが、水中の植物組織に産み込むためにお手伝いをしているということである。はた目には水責めみたいだが… ⇒ 
…………………………………………………………………

2013年11月23日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2013-11-23 09:16 | 昆虫など | Comments(0)

ヘクソカズラグンバイ その2(幼虫) -続・グンバイムシを拡大して観よう-

ヘクソカズラグンバイ〟という名前だが、アカネ科植物につくらしいので、もしもアカネで発見されていたらアカネグンバイになっていたのだろうか…

これは吸収されたヘクソカズラの葉。
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中央左寄りに成虫が一頭いる。葉の大きさと比較すると、小ささがわかる。
日本原色カメムシ図鑑 第3巻』( )によると、成虫は体長2.6-3.2mm。

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葉の裏を見ると、幸子さんたちが並んでお食事中だった。
小さい虫でも、大勢で何度も吸収されては、ヘクソカズラがかわいそうになってくる。

ヘクソカズラグンバイの体臭をチェックした。
屁糞の臭いがするヘクソカズラの葉を吸汁するグンバイムシは、いったいどんな臭いなのか…
濃縮されて極め付きの悪臭なのか??
失礼して一頭だけつまんで臭いを確認したが、残念ながら臭いは感じられなかった。
たくさん捕まえて磨り潰せば臭うのかもしれないが…

さて、幼虫である。
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これは若齢幼虫。翼のかわりにとげとげをまとっている。透明な体は親ゆずりだ。とげの先に水滴状のものが多数あるが、これはなんだろう。
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触角にもある。分泌物なのか、あるいは結露なのか。(写真クリックで拡大)
うぅむ。謎だ。

こちらの幼虫はたぶん終齢。
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翅芽(しが)があるのは他のカメムシの仲間と同じだが、両肩も盛り上がって、若齢とは明らかに違う。おそらくこの盛り上がりが翼になるのだろう。(翼芽と言うのか?)
さすが、グンバイムシだ。

ところで、これだけ多数の成虫がいたのに、卵が観察できなかった。
おちゃたてむしさんのところに別のグンバイムシの卵が出ていた。(前述の水滴状のものも観察されています)

アワダチソウグンバイ ⇒  
ナシグンバイ ⇒ 

ヘクソカズラグンバイの卵も、これらと似ているのだろうか。観てみたいものだ。

2013年11月4日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-11-04 08:29 | 昆虫など | Comments(0)

ヘクソカズラグンバイ その1 -続・グンバイムシを拡大して観よう-

ヘクソカズラグンバイは以前にも登場 ( ) しているのだが、再度、異形チャンピオンに登場いただこう。

前回7月の エグリグンバイ、アワダチソウグンバイ と比べてご覧いただくとありがたい。

全身がステンドグラス状なのはグンバイムシ類に共通の特徴で、なかでもヘクソカズラグンバイは透明度が高く、キラキラとよく光る。
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特筆すべきは、なんといっても背中の飾り。
派手好きのグンバイの中でもナンバーワンだ。
写真ではよくわからないかもしれないが、頭の上に球状の袋が、まず一つ。
その後ろ、両側に大きなお椀型の膜が一対。
さらに後の翅の付け根には小さなお椀が一対ある。

立体的なので観ると面白いのだが、写真にするには困りものだ。
全身を撮ろうとすると、この角度でないと全体にピントが合わないのだが、頭は隠れて見えなくなる。
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複眼が見える角度から撮ると、今度は翅にピントがない。立体的な造形で、接写泣かせの困ったやつだ。

横から観ると派手さがよくわかる。
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この角度で観ると、翅に隠れた胴体が確認できて、本体が意外に小さい。

今度は正面にまわって顔を見る。
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うぅっ。やっぱりすごい迫力!
Y崎先生いわく 「グンバイ界の小林幸子」 である。
スタア揃いのグンバイムシ界で、際立った装いだ。

翅が大きいうえに、帆のような付属物があるのだから、さぞかし風に乗って飛ぶのだろう。
台風が来たらひとたまりもないように思えるが、意外と脚力があって、葉の裏にしがみついて頑張っているらしい。(Y永先生にうかがった)
それはそうだ。もしも台風の風に乗ったりしたら海の藻屑だ。二度と着地することはないだろう。ましてや、食草のヘクソカズラに降り立つことなど限りなく不可能だ。

おまけにもう一カット。
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触角は意外に毛深く、懸命に手入れをしていた。ということは感覚を研ぎ澄ましているというところなのだろう。
動きが鈍くてのんびりして観えるが、意外に神経質なのかもしれない。

余談ですが…
前回のヘクソカズラグンバイは2年前である。
当時はデジタルカメラで接写することができなくて、フィルムで撮影したものをスキャニングしていた。
現在はふるいオリンパスの接写レンズをデジタルカメラに着けて撮っている。
比べてみるとどうだろうか。どちらが好いかは別として、ブログの画面ではデジタルが上のようだ。

以下次回に続く。

2013年10月30日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-10-30 07:50 | 昆虫など | Comments(0)

江戸川べりの観察-22 続アシナガバチの営巣2013

文末に追記(訂正)があります(2013.10.25)

8月16日。事件が起きていた。
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家族全員が消えている。巣穴はすべて空っぽで、まわりに成虫の姿もない。
蛹のふたは、羽化したのではなく、引きちぎったように食い破られている。
おそらくスズメバチに襲われたのだろう。
一家皆殺しの残酷な事件ではある。

それにしても、観察が続けられなくて残念である。
給餌シーンや給VAAMシーンを観たかったのに…
前後編に分けておきながら、いきなり The end で申し訳ない。来年以降の宿題とさせていただく。
実はタイトルに2013とつけたのは、機会を見つけてまたぜひ観たい、チャレンジしたいという気持ちからなのだ。

空っぽの巣を観ながら、攻防戦が眼に浮かんだ。
必死に妹たちを守るフタモンアシナガバチを、オオスズメバチは圧倒的な力で殺戮する。
野生生物の厳しい一面である。

ちなみに、アシナガバチを含むスズメバチの仲間は、ふだんは全部雌で、秋になるとはじめて交尾・繁殖のため雄蜂が現れる。


余談ですが…

アシナガバチ類もスズメバチの仲間で、みな社会性狩蜂である。彼らの家族構成をご存じない方もおられるかもしれないので、まとめておこう。

春、越冬から覚めた女王蜂はたった一頭で巣作りをし、産卵、子育てをする。ふつう生まれてくるのは雌蜂である。新生の雌蜂は母親に協力して妹たちのために働く。(働き蜂、ワーカーという)
母娘で協力して妹たちを育て、大きな家族となっていく。
秋になると、はじめて雄蜂と女王蜂が生まれ、交尾した女王蜂が越冬して、翌年営巣するということになる。
詳しい話は、百田尚樹氏の『風の中のマリア』(名著!)を読んでいただくとよいと思う。
ちなみに以前撮った雄蜂はこれ。
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触角の先が丸まっているのが雄蜂の特徴。
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11月の半ば過ぎだったが、その時期には花のないところでも、陽だまりに集まる雄蜂を目にすることがある。彼らはいったい何をしているのだろう?


もう一つ余談…

去年の秋、私の住む集合住宅の掲示板にスズメバチがはりつけにされていた。
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〝階段の踊り場で捕獲しました〟 と管理人さんの誇らしげな文言とともに、一か月以上もさらされていた。

秋のオオスズメバチは危険だとされているし、子供たちにとっては危険かもしれないが、屍を長期間さらすというのはいかがなものだろうか。そもそも彼は階段をうろついていたというだけであり、なにか悪さをしたというわけではないのだ。

2013年10月18日、報告:自然観察大学 事務局O

<2013.10.25追記>
スズメバチ研究家のIさんから、次のメールをいただいた。
………………………………………………………
「掲示板にはりつけされたスズメバチ」につきまして、
オオスズメバチ・彼女 と書かれてありましたが、正しくは
ヒメスズメバチ・彼 であると思われます。
根拠は、
1.膨腹部末端が黒色
(日本産大型スズメバチでここが黒色になるのはヒメスズメバチと南西諸島産のツマグロスズメバチのみです)
2.膨腹部の「節」の数が7つ
(スズメバチのメスは6節、オスは7節)
3.触覚がカーブしている
(オスはメスよりカーブします。触角の節数もオスは13節、メスは12節なのですが、お写真からはちょっとわかりかねます)
………………………………………………………

Iさん、ご指摘ありがとうございました。

ヒメスズメバチについては、下記に詳しい情報がある。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/vespa_d2.htm  (都市のスズメバチ)
上記サイトによると、大型でヒトにまとわりつくように威嚇するが毒性は弱いそうだ。
最近、ビルの最上階付近で雄蜂が飛び回って問題視されることが多いとか…
私の集合住宅でも、まさしく、この解説どおりであったのだ。

毒性の弱いヒメスズメバチで、しかも、なんと 針のない雄だったとは!!
無実の罪もここにきわまった!!

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by sizenkansatu | 2013-10-18 07:01 | 昆虫など | Comments(0)

江戸川べりの観察-21 アシナガバチの営巣2013

今年の夏、7月14日のことである。
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江戸川べりのヨモギの群落の中にアシナガバチの巣を見つけた。
すでに新成虫が誕生したのだろう、母子姉妹で巣の拡大に励んでいる。
この場所は人通りのない草むらなので駆除されることはなさそうだ。
よい機会なので、継続して観察させていただくことにした。

約一週間後の7月20日。
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部屋数がだいぶ増えていた。
観た感じで2、3倍。わずかの間に見事に増築している。
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中央の彼女は翅の先端がちぎれているので、もしかすると女王蜂かもしれない。
画面左上の2列目の部屋には卵がある。

7月28日。
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さらに部屋が増えている。すべては順調なようだ。
しきりにこちらを警戒する働き蜂がいる。家族が増えて、役割分担がはっきりしてきたということだろうか。
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いまさらだが、種名はフタモンアシナガバチ。腹部にある黄色い二つの斑点が目立つので、すぐにわかる。
田中義弘先生の『狩蜂生体図鑑』(名著! )を見ると、アシナガバチの仲間で巣穴が横向きになる角度で営巣するのはフタモンアシナガバチだけだそうだ。
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部屋の奥には幼虫がいた。格別かわいい顔とは思えないが、働き蜂たちはこの妹たちのために懸命に働くのだ。

ところで、画面上方の部屋に観える液体はなんだろう。もしかして、幼虫が成虫に与えるという栄養液(VAAM)かもしれない。VAAMとは、あの高橋尚子がCM出演していたドリンクで、Vespa Amino Acid Mixture 、和訳するとスズメバチアミノ酸化合物の意味。スズメバチ・アシナガバチの成虫は、幼虫が出すこのVAAMが活力源なのだそうだ。
夏バテ気味の私も舐めて活力をいただきたかったが、刺されるのはイヤなのでまたの機会にした。

一週おいて8月10日。
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白いふたのあるところが蛹。猛暑に負けず、順調なようだ。
姉蜂(母蜂?)が翅ばたいて風を送っている。
話には聞いていたが、眼にしたのははじめてだ。こんなことで涼しくなるとは思えないのだが、気は心ということか…

観察を続けたかったのだが、猛烈に暑い日で、残念ながら私のほうが暑さに参ってしまった。
姐御の涼風は私には効果がなく、危険を感じて早々に切り上げた。
それが大きなまちがいだったのだ…

以下次回に続く。

2013年10月14日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-10-14 07:06 | 昆虫など | Comments(0)

野川公園で観た 〝奇妙な動物〟

これが何か、写真を観て分かる人はかなりの虫好きだろう。
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突出した頭頂と、縞々の複眼が特徴的。(クリックすると拡大写真。お好みで…)
複眼の下にあるのが単眼だろう。(丸くて縁の赤いもの)
その下の触角がまた不思議な形で、ポップなデザインだ。
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正面にまわって観ると、鼻すじというか鼻柱というか、おそらく頭楯(とうじゅん)にあたるところだと思うが、それがビシッとしている。
それにしても、この突き出た頭は何の意味があるのだろう。まさか頭突きが得意とか…
鼻すじからそのまま口器につながっているのだろうか。その構造なら、口針を刺す時に効率よく力が伝わるだろう。

全身はこれ。
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ツマグロスケバという。
カメムシ目テングスケバ科で、天狗の鼻のように頭頂が突出しているのと、翅が透けているので 〝テングスケバ〟
〝ツマグロ〟 は昆虫名には多いが、翅の先(褄:つま)が黒いということだ。
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横からもみていただこう。
頭が少し突き出ている以外、ごく普通の虫に見える。
ちなみに、ツマグロスケバの幼虫は、そよかぜさん のところをご覧いただきたい。

世の中は今、深海生物ブームだそうである。
科学博物館の『深海』展(10/6まで)やNHK番組の影響か、たいへんな盛り上がりで、書店の店頭には関係の本がずらりと平積みになっている。

たしかに深海生物は、我々が眼にすることがない神秘であり、環境に適応した特異な姿をしていて見るだけで面白いのだが、標本や写真だけでは…

身近にいる生物の面白さを、やっぱり生きた姿で観察したい。
(参考までに前回の 『ダイオウイカより、身近な自然がいい』 はこちら  

2013年10月6日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-10-06 23:49 | 昆虫など | Comments(0)

アダンソンハエトリ

このところ雑用に追われ、観察ができない状態が続いている。
デスクワークの最中に、ハエトリグモがキーボードに跳んできた。
仕事に飽きた私を慰めようというのか?

捕まえて、写真を撮らせていただいた。
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図鑑で調べるとアダンソンハエトリ。
鮮やかな白の触肢とラインは雄のアダンソン。なかなかおしゃれな紳士である。
ほんとはキーボード上のほうが彼にふさわしい場所なのだろうが、緑の葉をバックしたほうがフォトジェニックだ。

顔は恐ろしげ…
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徘徊性のクモなので視力が発達したのだろう。
大きな単眼が並ぶと、どこか妖怪じみて観える。
月岡芳年の描いた土蜘蛛が連想された。

癒されて、嚇されたアダンソン君であった。

2013年9月24日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-09-24 12:47 | 昆虫など | Comments(0)

江戸川べりの観察-20 カマキリの食事

7月中旬のカマキリ幼虫。
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小さいうちから、すでに悪ガキっぽい風貌だ。
ずいぶん前の写真だが、このあと徐々にショッキングな場面になるので、とりあえずソフトな写真を掲載した。以降要注意!

1か月後の8月中旬のこと。
一番暑い季節の最も暑い時間に、いつもの観察コースを歩いていると、ただならぬセミの声が聞こえた。
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カマキリに捕えられたアブラゼミが暴れている。
飛び立とうと必死にバタバタしていが、カマキリに翅の付け根を捕まえられている。
カマキリは(ハラビロカマキリ)は存外チカラ持ちのようで、浮き上がるセミを軽々とあしらっている。

仲間がつかまっているのに、画面右下のアブラゼミは隣で素知らぬ顔。

ハラビロカマキリは、暴れる獲物を抑えつつ、頭からかじりはじめた。
d0163696_8521532.jpg
アブラゼミはまだ激しく抵抗を続け、時おりジジジジッと大音量で鳴く。

つらい場面だが、この機会に詳しく観察させていただこう。
近づくと、ハラビロカマキリがこちらを睨む。
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妖気を含んだ視線に、一瞬ひるむ私… 
カマキリは私を威嚇しておいて、すぐに食事に戻る。

アブラゼミのほうは、複眼が食われてしまったが、まだ鳴いている。
ここまでの時間は、捕えられてから約10分経過。鳴き声もだんだん小さくなる。

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ううっ。妖怪っぽい顔。風になびく触角が妖気を増幅する。
アブラゼミの表皮はけっこう硬そうだが、ものともせずにサクサク食べてしまう。

頭がなくなって、アブラゼミはついに静かになり、さらに食べ進むと、アブラゼミの脚が取れた。
d0163696_8544426.jpg
なんと、脚を持ってかじっている。
生命のありがたみを知ってか、はたまた母の教えか?
いずれにしても、余さず行儀よく食べる。

ハラビロカマキリは、食事を見つめる怪しいヤツ(私のこと)がどうにも気になるらしい。
残りの獲物を高々と差し上げて、後ずさりして高所へ移動してしまった。
残念ながら観察終了。はじめの写真からここまで35分であった。

ところで、冒頭の画面右下のアブラゼミだが、まだ同じところにじっとしていた。
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普段はちょっと近づくと敏感に逃げるのに、不思議だ。
近くで仲間が食われている間は安全、というヨミなのだろうか。


余談ですが…

最近、百田尚樹氏の「風の中のマリア」を読んだ。
主人公は 〝疾風のマリア〟 と異名をとるオオスズメバチの戦士(ワーカー)という、変わった小説だ。
この中でマリアとオオカマキリの決闘シーンがあるが、この描写がなかなか素晴らしい。文庫本の巻末の養老孟司氏の解説文もよい。
百田尚樹氏のような人気作家がこのような小説を書いてくれたので、蜂好き、虫好きが世の中に増えるかもしれない。たのしみ。

2013年9月7日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-09-07 08:58 | 昆虫など | Comments(0)

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