ラクウショウとメタセコイアをくらべる(続)
紅葉と実(球果)
メタセコイアが鮮やかに紅葉していた。 上の写真は12月9日の水元公園のもの。
紅葉、黄葉、といえばカエデやイチョウに代表されるが、針葉樹の紅葉も素晴らしい。
滋賀県のメタセコイア並木の紅葉はすごい人気のようだが、水元公園もみごとなものであった。
次はラクウショウの紅葉。 この写真は10月末の柏の葉公園のもの。
夕刻の光に鮮やかに浮かびあがっていた。
どちらかというとラクウショウのほうが色鮮やかな気がする。
水元公園ではメタセコイアとラクウショウが数多く植栽されていて、くらべて観察しやすい。
実(球果)をくらべよう
これはメタセコイアの球果。 遠くのものを望遠(600mm相当)で撮っているので、画質はご容赦いただきたい。
じつは、広い水元公園内で球果を確認できたメタセコイアはたった一本であった。そして貴重なこの木にも球果の数は少ない。
(すべてを見たわけではないし、高所で見えないものも多いだろうが…)
ラクウショウはどうか。 遠目にも、枝先にたくさんの球果が確認できる。(クリックで拡大可能)
私の観察しているのは水元公園、柏の葉公園だが、メタセコイアの球果が確認できるのはそれぞれ1株ずつに過ぎない。
かたやラクウショウは、どの木も多数の球果をつけている。これは大きな違いだ。
なお、このブログで次の記録を見てない方は、先にご覧いただけるとありがたい。
10月末、遅い台風によって、たくさんの若い球果が落ちてしまった。
貴重な球果が残念なことになってしまったものだ。
(柏の葉公園のメタセコイアの樹冠下で採集)
規則正しく並んだ鱗片に沿って裂開する。
手で割ってみたのがこれ。 鱗片の間に、翼のある平たい種子があった。
次はラクウショウ。12月はじめの成熟した球果。 不規則な割れ目はいかにも気まぐれなラクウショウらしい。 成熟した球果は、手でふれるとすぐにバラバラになる。
不整形のピラミッドのような、濃い褐色のかけらが種子だろう。
メタセコイアとは全く異なる。
花をくらべる
気になるのは来年開花するはずのつぼみである。
今の季節、メタセコイアでは多くの株で多数のつぼみが確認できるが、ラクウショウはつぼみがまったく見られないのだ。
今年のはじめに観察した雌花の違いを確認しておこう。
上がメタセコイアで、下はラクウショウ。
それぞれの雌花を拡大してみよう。 上のメタセコイアは穂の先端に雌花がある。
下のラクウショウは雄花の穂とは異なる枝に雌花をつけている(すでに若い球果)。
メタセコイアのつぼみ
12月のいまの季節、ほとんどのメタセコイアはすでに多数のつぼみをつけている。
次の写真は9月初めのもの。 ここから葉が落ちて、一つ前のような穂になる。
ずいぶん早くから開花準備を進めるものだ。
※ 7月ころからつぼみらしいものを見たが、そこから新葉が芽吹いてきたものもあった。
ラクウショウのつぼみ~花の謎
問題はラクウショウである。
現時点ではつぼみらしいものは確認できていないのだ。
これは10月末に見たラクウショウ。 枝先についた芽は、果たしてこのあと花になるのか、どんなふうに成長・変化していくのか…
このときはワクワク・ドキドキしたものだ。
こちらは12月初めの芽。(別の枝)
残念ながら、変化はない。
ラクウショウは、どこがどうなって、花を咲かせるのか。
じつは、昨年の2月に自然観察大学のI島先生とメタセコイアの花を観察したときにも、並行してラクウショウの花を探していた。
ところが結局見つからず、気づかぬままにいつの間にか結実していたという次第である。
2人そろって、情けない話である。
たくさんの球果をつけるということは、花もそれだけ多くなければいけないのだが…
メタセコイア、ラクウショウともに、近代に緑化目的で持ち込まれた樹種である。
導入種は植物図鑑では軽んじられることも多いようで、そもそもいにしえの植物図鑑には掲載されてない。
謎の多い植物である。
追 記
ここまでの報告をまとめたあとで、別の場所(さいたま市 見沼グリーンセンター)で、鈴なりになったメタセコイアの球果を発見した。 また、ラクウショウのつぼみも見つけることができた。(見沼自然公園) しかし、それらの詳しい報告を追加するとなると、また投稿が先送りされてしまう。いつまでたってもきりがない。
ただでさえ、めったに更新されないこのブログである。
今回は中途半端な内容ではあるが、欲張らずにここまででアップさせていただくことにした。
ご容赦いただきたい。
2017年12月20日、報告:自然観察大学 事務局O
メタセコイアが鮮やかに紅葉していた。
紅葉、黄葉、といえばカエデやイチョウに代表されるが、針葉樹の紅葉も素晴らしい。
滋賀県のメタセコイア並木の紅葉はすごい人気のようだが、水元公園もみごとなものであった。
次はラクウショウの紅葉。
夕刻の光に鮮やかに浮かびあがっていた。
どちらかというとラクウショウのほうが色鮮やかな気がする。
水元公園ではメタセコイアとラクウショウが数多く植栽されていて、くらべて観察しやすい。
実(球果)をくらべよう
これはメタセコイアの球果。
じつは、広い水元公園内で球果を確認できたメタセコイアはたった一本であった。そして貴重なこの木にも球果の数は少ない。
(すべてを見たわけではないし、高所で見えないものも多いだろうが…)
ラクウショウはどうか。
私の観察しているのは水元公園、柏の葉公園だが、メタセコイアの球果が確認できるのはそれぞれ1株ずつに過ぎない。
かたやラクウショウは、どの木も多数の球果をつけている。これは大きな違いだ。
なお、このブログで次の記録を見てない方は、先にご覧いただけるとありがたい。
●ラクウショウとメタセコイアをくらべる次は落ちていたメタセコイアの球果。
http://sizenkan.exblog.jp/25484953/
●メタセコイアの花から実
http://sizenkan.exblog.jp/24231640/
貴重な球果が残念なことになってしまったものだ。
(柏の葉公園のメタセコイアの樹冠下で採集)
規則正しく並んだ鱗片に沿って裂開する。
手で割ってみたのがこれ。
次はラクウショウ。12月はじめの成熟した球果。
不整形のピラミッドのような、濃い褐色のかけらが種子だろう。
メタセコイアとは全く異なる。
花をくらべる
気になるのは来年開花するはずのつぼみである。
今の季節、メタセコイアでは多くの株で多数のつぼみが確認できるが、ラクウショウはつぼみがまったく見られないのだ。
今年のはじめに観察した雌花の違いを確認しておこう。
それぞれの雌花を拡大してみよう。
下のラクウショウは雄花の穂とは異なる枝に雌花をつけている(すでに若い球果)。
メタセコイアのつぼみ
次の写真は9月初めのもの。
ずいぶん早くから開花準備を進めるものだ。
※ 7月ころからつぼみらしいものを見たが、そこから新葉が芽吹いてきたものもあった。
ラクウショウのつぼみ~花の謎
問題はラクウショウである。
現時点ではつぼみらしいものは確認できていないのだ。
これは10月末に見たラクウショウ。
このときはワクワク・ドキドキしたものだ。
残念ながら、変化はない。
ラクウショウは、どこがどうなって、花を咲かせるのか。
じつは、昨年の2月に自然観察大学のI島先生とメタセコイアの花を観察したときにも、並行してラクウショウの花を探していた。
ところが結局見つからず、気づかぬままにいつの間にか結実していたという次第である。
2人そろって、情けない話である。
たくさんの球果をつけるということは、花もそれだけ多くなければいけないのだが…
メタセコイア、ラクウショウともに、近代に緑化目的で持ち込まれた樹種である。
導入種は植物図鑑では軽んじられることも多いようで、そもそもいにしえの植物図鑑には掲載されてない。
謎の多い植物である。
追 記
ここまでの報告をまとめたあとで、別の場所(さいたま市 見沼グリーンセンター)で、鈴なりになったメタセコイアの球果を発見した。
ただでさえ、めったに更新されないこのブログである。
今回は中途半端な内容ではあるが、欲張らずにここまででアップさせていただくことにした。
ご容赦いただきたい。
2017年12月20日、報告:自然観察大学 事務局O
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追記 2021年3月2日
ラクウショウの花の観察の続きがようやくアップできました。
追記 2021年3月9日
メタセコイアの花の観察もできました。
by sizenkansatu
| 2017-12-20 13:03
| 植物
|
Comments(2)
Commented
by
ぱんだ
at 2020-10-30 16:26
x
ラクウショウについてもっと詳しく知りたいです。追加の報告是非読みたいです。
Commented
by
sizenkansatu at 2020-10-30 17:45
> ぱんださん
コメントありがとうございます。
ラクウショウはメタセコイアに似たところがありますが、くらべてみるとはっきり違います。
来年の早春に花が咲くと思うので、そのようすをレポートできるように心がけます。
『樹木博士入門』には詳しく掲載されているのですが…
事務局Oより
コメントありがとうございます。
ラクウショウはメタセコイアに似たところがありますが、くらべてみるとはっきり違います。
来年の早春に花が咲くと思うので、そのようすをレポートできるように心がけます。
『樹木博士入門』には詳しく掲載されているのですが…
事務局Oより
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