メタセコイアの花から実
4月下旬のメタセコイア。場所は千葉県の柏の葉公園。
ちょっとわけの分からない写真かもしれないが、新緑が逆光に映えていた。
ちなみに、メタセコイアは単葉で、複葉の小葉に見えるのが一枚ずつの葉である。
この季節には若い実(球果)も見られる。
毎度季節外れの話で申し訳ないが、この花を冬の間に追跡したので、以下にまとめてみたい。
メタセコイアの雄花
まずは、今年の2月14日のメタセコイア。
しかし、近くで見ることができない。
下枝は剪定されることが多く、そもそも剪定されたメタセコイアには花はつかないようだ。
低い枝に穂の付いたメタセコイアを探し回って、やっとみつかったのがこれ。
葯が顔を出しているものもあったが、まだワックス質で被われているようだ。
それにしても、雌花はどこにあるのか?
あちこち探したのだが、見あたらない。
雌花は遅れて出るのだろうか?
10日ほど過ぎた2月25日に、同じ柏の葉公園でメタセコイアを観察した。
このときは自然観察大学のI島先生と一緒だった。
しかし、あいかわらず雌花が見当たらない。
メタセコイアの枝を、棒で引っ掛けて手繰り寄せては雌花を探す。
I島先生と二人で、手当たり次第に観た。
(柏の葉公園にはメタセコイアがたくさんある)
ついに雌花を発見!
公園のほぼすべてのメタセコイアを観て、最後に行きついたのがこれ。
ずっと成熟が進んで、りっぱな雄花になっている。
I島先生と二人で喜び合った瞬間である。
それにしても、穂の先の、こんなところに雌花が付くとは、予想外であった。
いったんわかってしまうと、雌花は次々に見つかった。
雄花はまだ顔を出しかけた状態だが、ふんだんに花粉を飛ばしていた。
逆に、満開のように見える熟した雄花(ひとつ前の写真)からは、花粉は出なかった。すでに雄花は終わっていたのであろう。
花から実へ
さて、この雌花はこの後どうなるか。継続して観察した。
3週間前よりも、すこし伸び出してきた。
それにしても、この雌花は枝先ではなく、脇芽から出ている。こんなケースもあるということだ。
次は4月2日。
同じ4月2日には、葉芽も膨らんできた。
花芽から遅れること約1か月だ。
そして4月23日。
一つの冬芽から球果と枝葉が出てきたことになる。
ちなみに、5月21日の球果はこれ。
その先の緑色の枝葉が、今年雌花と一緒に伸びた部分である。
球果がやや膨らんでいることが、前回4月23日との違い。あまり変化はない。
このへんで経過観察は終了としよう。
次回はラクウショウとの比較をしてみたい。
よく似ているが花から実についてはかなり違っている。
2017年5月24日、報告:自然観察大学 事務局O
……………………………………………………
追記(2020年3月25日)
メタセコイアの雌花序に関して、中安均先生が観察レポートを寄稿してくれました。
メタセコイアの雌花が梢に集中してつくのはなぜ? ⇒
追記(2021年3月9日)
ラクウショウとメタセコイアの花をくらべる(2) : 自然観察大学ブログ (exblog.jp)
by sizenkansatu
| 2017-05-24 21:16
| 植物
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