ホトケノザの花 -シソ科の花1
まったく季節外れで申し訳ないが、ホトケノザの花の話。
やっぱりこの花は蓮華座に乗った仏さまだ。
ところで、仏さまの顔にあたるところに朱色の葯が見える。
吸蜜しようとする虫の背中に花粉をつけるためには、理想的なつくりだろう。
たいしたものである。
雄しべは合着して、全体がシャワーハンドルのようになっている。
この形状で、訪花昆虫の背中に確実に花粉をつける。
しかし、雌しべはどこにあるのか?
合着した雄しべを、ピンセットで突っついてはがしてみると…
4本の雄しべの真ん中にあるのが雌しべである。
先端が二またになった、ヘビの舌のような柱頭だ。
この形状だと、同花受粉の可能性はかなり高いと思うが、何かそれを避けるための工夫があるのだろうか?
もともと、ホトケノザは閉鎖花で繁殖するくらいだから、自家受粉には抵抗がないのだろう。
しかしそうなると、昆虫の背中に花粉をつけるための理想的な構造は、何の目的なのだろうか。
う~む。むずかしい。
ホトケノザの花については、『なかなかの植物ルーム/ホトケノザの閉鎖花』⇒ に詳しく紹介されている。
余談ですが…
閉鎖花と開放花を見分けるのはなかなか難しい。
開花した花を観れば当然開放花であることは分かるのだが、閉鎖花だと思っていたものが、開放花の若い蕾だったという経験は何度もある。
閉鎖花のりっぱな群落を発見し、これはと思って夢中で写真を撮った。その1週間後に同じ場所に行くと、ホトケノザの花のじゅうたんのようになっていた。
このときはけっこうショックであった。
次回はカキドオシの花の予定。
2016年7月26日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2016-07-26 19:33
| 植物
|
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