夏の木曽駒ヶ岳と宝剣
8月のはじめに木曽駒ヶ岳に行った。
体力に自信がないので、山といってもロープウェイ利用の半日コースだ。
そこで観た高山植物を中心に紹介させていただく。
手前に広がる千畳敷カールは夏の間お花畑になっているはずなのだが、今年は冬の大雪のために遅れているらしい。(画面でも残雪が見える)
我々はこれから写真中央右のつづら折りの登山道(八丁坂という)を登る。
稜線部分(乗越浄土という)を超えて、そこから木曽駒ヶ岳まで往復する。
つい、手前のナナカマドにピントを合わせてしまう。
眺めるには好いが、あとでここを登ることを考えると、ちょっと恐ろしい。
雲海の下にかすかに見えるのは駒ヶ根の街だろう。
天候に恵まれたが、聞くところによると富士山が見えるのはめずらしい由。
常日頃のヨイオコナイによるものであろう。
つぼみかと思ったら、これで花らしい。
左の松ぼっくりは去年の花で、今年の秋に笠を開いて種を散らすのだろう。
開花から種子散布まで通算して一年以上かかるということだ。
ハイマツだけに枝は短く全体が低くなっているが、基本的なことは観察会で観たアカマツと同じだ。
きれいなコマクサと思ったのだが、よく観ると花弁の横に穴が開いているのがある。
たぶんマルハナバチ類の盗蜜によるものだろう。
地上では小さく可憐に見える株でも、礫の間に深くたくましく根を張っているそうだ。
木曽駒から宝剣岳一帯のコマクサは明治・大正期に薬草として採りつくされ、今あるものは植栽なのだそうである。それでもなお盗掘があるとか… 盗蜜と違ってこちらは罪が深い。
名前の由来はいろいろあるようだが、こじつけのようなものもあって決定的なものはなさそう。
シオガマ類の特徴は花の形が鳥の頭に似て、先端がくちばしのようにとがっているところである。
イワヒバリは山頂付近のハイマツと礫地帯で繁殖し、中腹の谷で越冬するそうである。ふもとの街でお目にかかることはまずない。
8月2日(土)というもっとも混雑の予想される日程だったが、頑張って始発のロープウェイに乗ったおかげで、木曽駒から宝剣を回って昼には千畳敷に戻ることができた。
次回はふもとの駒ケ根の話をさせていただく予定。
参考までに行程を記しておく。
駒ヶ根↓ (バス。臨時便4:45発。運転技術にびっくり)しらび平(標高1,662m)↓ (ロープウェイ。臨時便)千畳敷(2,612m)↓乗越浄土↓中岳(2,925m)↓木曽駒ヶ岳(2,956m。折り返し)↓中岳↓乗越浄土↓宝剣岳(2,931m。往復ピストン)↓乗越浄土↓千畳敷
2014年9月6日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2014-09-06 15:46
| 植物
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