自然観察大学ブログ

ツユクサ-6 二輪咲きと自家受粉

いきなりクイズ。
この写真で、おかしいところにお気づきだろうか。
d0163696_22350092.jpg
気づいた方は、ふだんからよくツユクサを観ている方だろう。
苞を開いてみると…
d0163696_22351970.jpg
主軸には花ではなくて、葉のような、あるいは苞のようなものがついていた。
普通に観られる主軸の途切れたタイプのものは、朝の早いうちはこんなふうになっていて、その後落ちるものなのだろうか?
それとも先祖がえりのような突然変異なのだろうか。

もう一つ、側枝の花はこれから開こうとしているのだろうか。それとも開くことなく過ごすのだろうか?
この写真を撮ったのは朝の5時6分。まだあたりは暗い。

ところで、花序のつけ根にはアブラムシがいる。少し色が淡いがツユクサアブラムシだろうか。

同じ群落にあった別の頭花。
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写真左の主軸は途切れていて、側枝には3つ目の花が開こうとしているところ。
ツユクサは開花の時点で自家受粉をしているという〝なかなか〟さんの観察記録 (⇒) があったので、この日それを確認しようと早起きしたのだ。

苞を開いてみよう。
d0163696_22361583.jpg
左の二つはすでに実になっている。
花を無理やり開いてみたが受粉しているかどうかは分からない。
反対側から観てみよう。
d0163696_22363362.jpg
雌しべの柱頭(紫色の部分)はまわり込んで人字形の雄しべの葯に接近しているが、花粉は着いてないようだ。
花粉が付いているか否かをルーペで観ただけでは、受粉の有無を確認することはできないが…


少し移動して、別のツユクサの群落を観た。
d0163696_22364807.jpg
こちらでも開きかけの花をこじ開けてみたが、受粉は確認できない。
なお、このころようやく日が昇ってきて、背景が少し明るくなった。

この群落では、二輪咲きのツユクサがたくさんあった。
d0163696_22372823.jpg
例によって、苞を開いてみよう。
d0163696_22380726.jpg
予想通り、通常は花のつかない主軸に立派な花がついている。
ここで注目したいのは主軸の花(画面上の花)に雌しべがあること。
主軸の花は雌しべのないことが多いが、まれには雌しべを持つものもあるということだ。
ちなみに、この二輪咲きの同じ株の下では、普通に主軸の途切れた花序であった。

なお、上の写真で二輪とも柱頭に花粉がついていることにも注目。

こちらはまた違ったタイプ。
d0163696_22382671.jpg
主軸の花は、つぼみの状態。
このつぼみはこの後、開くことなくポロリと落ちるのか、それとも立ち上がって花を開くのか?

うーむ。続けて観察したいが、出勤前の観察ではそうしてもいられない。残念。

次はすでに開花済みのツユクサ。
d0163696_22370434.jpg
この状態で、雌しべの柱頭には花粉はついていない。

この写真で注目したいのは仮雄しべ。
一般に、ツユクサの雄しべは長い2個(上の画面の左)が本当の雄しべで、花の奥にあるΠ字形の3個(右側の花弁に隠れたもの)と、その間にある人字形の1個(画面中央)は仮雄しべであるとされているが、人字形の雄しべはたっぷりと花粉を持っているように観える。

〝なかなか〟さんの詳しい観察では、人字形の雄しべ(なかなかさんはY字形と呼んでいる)は授粉能力があり、Π字形の雄しべ(同X字形)は少量の花粉はあるものの授粉能力はないことが確認されている。 (⇒)
〝なかなか〟さんは前述のように、ツユクサの8-9割が自家受粉であることも観察している。 (⇒)


今回の観察では自家受粉が多いことを確認することはできなかったが、自家受粉が多いのであれば、二輪咲きのなどの性質は群落ごとにその傾向が強くなるのも納得できる。
そういえば、今回もそうだが、昨年の自然観察大学での岡発戸の観察会でも二輪咲きのツユクサが群生していた。
群落ごとに性質が違うのであれば、自家受粉かどうかも群落ごとに違ってくることになるので、そう簡単なものではない。

参考までにこれまでのツユクサの観察記録は次の4件。

1花を観る⇒ 2芽生え⇒ 3マルバツユクサ⇒ 4マルバツユクサの地中の花 5二輪の花のこと


ツユクサの開花はまだまだシーズン真っ盛りだ。
みなさんも観察してみては?

2014年8月24日、報告:自然観察大学 事務局O

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by sizenkansatu | 2014-08-24 23:09 | 植物 | Comments(2)
Commented by take_it_easy at 2014-09-09 16:40 x
はじめまして。
見慣れたはずのツユクサが、改めて、どうです、あなたの知らない私でしょ、って自己紹介してくれている感じです。
もう、どぎまぎして、は、はじめまして、というほかありません。

「π字形の雌しべ(同X字形)は少量の・・・」は単なるミステイクですよね。
Commented by sizenkansatu at 2014-09-09 23:31
take_it_easy さん、コメントありがとうございます。
ツユクサだけじゃなく、身近なところにも不思議があふれていますね。
いろいろと、たのしませてもらっています。

ミスタイプのご指摘、ありがとうございます。
さっそく直しておきました。
今後ともよろしく。
事務局Oより

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