自然観察大学ブログ

赤トンボの産卵

文末に追記があります(2013年12月8日)

前回に続いて、10月末の館山。(今ごろすみません)
さすがは南国、ひこばえが出穂していたので、カメムシでにぎわっているのではないかと思ったのだが、残念ながら空振り。
そのかわりに、赤トンボがたくさん舞っていた。

d0163696_09100418.jpg

ナツアカネの産卵。雄が前で、雌の首根っこを押さえている。
みなさんご夫婦で、ひこばえの株間を縫うように、次々に飛んでくる。産卵ラッシュであった。

こちらは湿った田面に這いつくばっているので、服を通して水がだんだん浸みてくるのだが、おかまいなしである。気にしてはいられない。

秋だからアキアカネだと単純に考えていたのだが、調べてみるとナツアカネだと分かった。
ナツアカネは打空産卵なので、もっと上空から産卵するのだと思っていたが、けっこう地表近くで産卵するらしい。
写真のように雄が全身真っ赤になるのはナツアカネで、アキアカネはこうはならない。胸部の側面の縞模様も違う。(けっこう微妙な違いで、私にはよくわからないのだが…)
ちなみにアキアカネは打水産卵である。

それにしても、トンボはどうして産卵のときまでつながっているのだろう。
この状態は交尾ではなく、すでに朝のうちに交尾をすませていて、そのあとはこうして連結したまま、移動して産卵するというのだ。
それなのに、どうして連結を続けているのだろうか? 卵を振り出す力を増大するには効果がありそうだが納得できる理由ではない。

ちなみに、交尾シーンはこれ。

d0163696_09112074.jpg
シオカラトンボの交尾(高井幹夫土佐支部長の撮影)だが、基本的に同じだろう。
画面左が雄で、尾端で雌の首をつかんでいる。首をつかむのは連結飛行と同じで、雄には尾角という挟み付けるための器官がある。
雌のほうは、尾端を雄の胸元(腹部の付け根)にくっつけて精子を受け取る。
雄のここには貯精嚢があって、精子が貯めてあるというのだが、ずいぶんややこしことをするものだ。
交尾の姿勢がハートマークの形になることがあるが、もしかしてそれが目的だったりして…


余談ですが…
ここ数か月は非常に多忙で、雑用(本業ともいう)に追われる日々が続いている。
この状態はもうしばらく続きそうだが、観察と記録はのんびりやらせていただく。


…………………………………………………………………
<12月8日追記>
つくば市けんぞうさんから、コメントをいただいた。
けんぞうさん、ありがとうございました。
産卵のときまで連結飛行するのは赤トンボの仲間とギンヤンマで、これを〝おつながり〟と言うそうだ。
連結飛行は雄が好適な産卵場所に誘導するためのものだそうである。
ギンヤンマの産卵は以前このブログで報告したが、水中の植物組織に産み込むためにお手伝いをしているということである。はた目には水責めみたいだが… ⇒ 
…………………………………………………………………

2013年11月23日、報告:自然観察大学 事務局O


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by sizenkansatu | 2013-11-23 09:16 | 昆虫など | Comments(0)

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