自然観察大学ブログ

千葉ニュータウンでの観察-3 タバゲササラゾウムシ

おもしろいのがいた。
d0163696_6465299.jpg
タバゲササラゾウムシ という。体長は3mm前後。
白黒の色合いとつぶらな瞳。小さいくせにエラそうに踏ん張っている。
よく観ると、両肩の白い長毛など、虎刈りにされてしまった哀れな姿のようでもある。
前翅の合わせ目にある毛の列は、モヒカン刈りのようだ。

短い脚を高速回転して活発に歩き、意外によく飛ぶ。

漢字では 束毛筅象虫 あるいは 束毛簓象虫 だろう。
筅は茶筅(ちゃせん)のささら、簓はささら電車や、こきりこ節で鳴らす楽器のささら(編木)で、どちらもありそうだ。

タバゲササラゾウムシを見つけたのは林縁に点々とあるクワの幼木で、葉裏にけっこうな密度でついていた。
刺激には鋭敏に反応してすぐに葉から落ちるし、小さいので現場で撮るのはあきらめてサンプル管に入れて持ち帰って撮った。
サンプル管の中で異能を見せてくれた。サンプル管の中でもすぐに落下するのだが、くるくると落ちながら、ガラス面に接触すると、瞬時にくっつくのだ。
クルッ、ピタッ! クルクルッ、ピタッ!!
見かけによらず、運動能力抜群のタバゲくんであった。


余談ですが…

はじめてこの虫を拡大して観て、はっきりした特徴があるので簡単にわかると考えた。
ところが帰ってからあれこれ調べてもわからない。
そこで自然観察大学のメーリングリストでみなさんに聞くと、ありがたいことに、H井先生T中さん からすぐに回答いただいた。
「タバゲササラゾウムシか、クワササラゾウムシではないか。少なくともササラゾウムシ属の一種だろう。」
さすが、専門家や愛好家が集まる 自然観察大学ML だ。ありがたい。

名前がわかって、もう一度北隆館の大図鑑で見ると、ちゃんと掲載されていた。しかし鼻を伸ばした標本写真は、実物と印象がかなり違う。私のように絵合わせで調べるのは不可能だ。

話はそれるが、ゾウムシ類の体長は悩ましいところだが、口吻を伸ばさずに測るものらしい。たしかに、シギゾウムシで口吻を含めるとなると、実態にそぐわない気がする。

その後、遅れてMLに参加したY崎先生(甲虫類が専門)に標本をお送りして、タバゲササラゾウムシと同定された。
胸部背面が前方に盛り上がるのが決め手の一つのようだ。
d0163696_6501498.jpg
上の擬死状態の写真の、象の頭頂にあたるところの盛り上がりだ。
(それにしてもゾウムシの名の通り象に似ている!)
いろんな角度で撮っておく必要があることを再認識したのだが、Y崎先生の言葉で
〝1000枚の写真よりも、1体の標本ははるかに情報量が多い〟
というのを思い出した。至言である。

ところで、タバゲササラゾウムシはイヌビワとヒメコウゾだそうだが、私がクワとヒメコウゾを間違ったのか? 果実を見てクワと確認したつもりだったのだが…

2013年7月29日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-07-29 06:57 | 昆虫など | Comments(0)

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