自然観察大学ブログ

キバチのようでキバチじゃない

キバチではないことを、すでに田仲義弘先生に正解をうかがっているのだが、私の思考過程を記しながら一緒に悩んでいただきたい。

6月上旬、千葉市の青葉の森公園で、ハチの産卵シーンに遭遇した。
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樹幹に産卵しているので、当然キバチだと思った。
しかし、よく観るとキバチにしては胸部と腹部の間が少しくびれているのが気になる。
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背面から見ても、くびれが有るような、無いような…

以前観たキマダラヒラアシキバチは、くびれが全く無くてズン胴だった。産卵管の形も違う。

※ 『キバチの産卵』 のキマダラヒラアシキバチと比較してご覧いただきたい ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/16547132/


狩蜂や寄生蜂は 〝細腰類〟 とされ、腰(胸部と腹部の間)が極端にくびれているのだが、キバチの仲間はハバチとともに 〝広腰類〟 とされ、腰のくびれがないのだ。

ちょっとおじゃまして、顔も観てみた。
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〝お人好し〟のマダラヒラアシキバチにくらべると、ちょっと精悍な蜂らしい顔だ。

産卵していた樹はこれ。
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枯れかかったコブシで、右下部分だけから新芽が出ている。衰弱すると樹脂が少ないのでキバチなどに寄生されやすいという。

…となると、やっぱりキバチかなぁ。キバチでも、進化の過程で少しくびれが出てきて、顔も精悍になったとか…
などと考えながら、帰宅してネットで調べる。
なんとなくニホンキバチに似ているような気がしたが、こいつの寄主植物はマツやスギなどの針葉樹らしい。

悩んだ末に、自然観察大学講師で『狩蜂生態図鑑』の著者である田仲義弘先生に写真をお送りすると、即座に次の返答をいただいた。
……………………………………………………
キバチではなく、キバチに寄生する ニホンヒラタタマバチ です。
広い意味ではタマバチの仲間ですが、ヒラタタマバチ科は植物に寄生してゴールを作るのではなく、昆虫に寄生します。クロヒラアシキバチに寄生することが多いようです。小石川植物園、石神井公園、秋ヶ瀬公園でクロヒラアシキバチに寄生することを確認しています。同じ木から出てくるキバチがわかれば、ホストと寄生者の関係がまた増えるかもしれません。
……………………………………………………


さっそく ニホンヒラタタマバチ で検索すると、まさしくこれ!
そうか… 検索キーワードを 〝キバチ〟 にしているのだから、見つかるはずがないのだった!!
便利なようでいて、ネット検索の盲点 である。

ついでに クロアシヒラアシキバチ を検索すると…
蜂が好き』にあった。 ⇒ http://www.raipon.jp/hachi/?p=121 

ところで、このとき同じコブシの樹幹に、多数の羽化殻があった。
d0163696_12513752.jpg
これがクロヒラアシキバチのものなのか? 
ニホンヒラタタマバチにしては、産卵管の抜けた跡が違うような気がする。

10日後にもう一度同じ場所を訪れた報告は次回に続く…

2013年6月25日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-06-25 12:59 | 昆虫など | Comments(0)

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