自然観察大学ブログ

江戸川べりの観察-17 クロハネシロヒゲナガとオオスズメノカタビラ

久しぶりに江戸川べりの観察の話。
前回の16話は、去年の12月だったので、なんと5か月ぶりだ。

5月5日に、クロハネシロヒゲナガを観た。
自然観察大学の定例観察地である、見沼田んぼ、野川公園、岡発戸の3箇所では、毎年のように観ているのだが、私の通う江戸川べりではこれまで見かけたことはなかった。
それを今年初めて観たのである。

ヒゲナガ君は、5月初旬限定の愛嬌者だ。
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雄の触角が異様に長く、触角を広げてヤジロベエのような姿勢。
飛ぶときもこのままの姿勢で、フラフラというか、オタオタというか、ゆっくりと不器用そうに飛ぶ。愛嬌があって、一度観たら忘れられない。
一見つらそうだが、けっこう活発に飛び、小さいくせにとても目立つ。

昨年5月、クロハネシロヒゲナガ(長い名前!)を紹介させていただいたのだが、江戸川べりでは今回初めて観たので、ヒゲナガ君に再登場いただいたしだいである。
参考:クロハネシロヒゲナガ -名前の謎- ⇒ http://sizenkan.exblog.jp/15956428/

それにしても、どうしてこんな長い触角になったのか、どんな役割があるのか?
どう見ても、生きていくためには邪魔だと思えるのだが… 
ご存知のかたはぜひ教えていただきたい。

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光の当たり方で黒にも観えるが、実は黄金色/濃紫色の神々しい姿。

江戸川べりのこのあたりは、すこし前に大がかりな護岸工事が施され、植生が一変した。オオスズメノカタビラも工事後に群生するようになったようだ。
そのことと、クロハネシロヒゲナガの登場は、関係があるように思う。

クロハネシロヒゲナガの食草は、オオスズメノカタビラ、ネズミムギ、ホソムギなどとされているが、私はオオスズメノカタビラがいちばんアヤシイと考えている。
前述の3箇所の定例観察地でも、ヒゲナガ君のいるところには必ずオオスズメノカタビラがあった。
これらの雑草が混生していることも多かったが、ネズミムギ・ホソムギだけの群生地(この2種は中間的なものもあって見分けが超困難)ではヒゲナガ君を観た記憶がないのである。

オオスズメノカタビラとはどんな植物か、図鑑を見てみよう。

d0163696_1761729.jpg

左は 「形とくらしの雑草図鑑」(岩瀬徹、全農教) の該当項目を抜粋させていただいたものである。

オオスズメノカタビラは、明治時代の帰化雑草だそうで、けっこうな古株なのだが、最近(といってもここ10年ほど)目立ってきているように思う。

名前はオオスズメノカタビラだが、スズメノカタビラにはあまり似てなくて、むしろナガハグサやイチゴツナギ類に似たイメージだ。


もっとも、上の写真は図鑑らしく穂がきれいに開いた形のもので、ヒゲナガ君が姿を見せる5月はじめの穂は次のような感じ。
d0163696_1724959.jpg
出穂して、まだ展開していない状態である。

季節限定のヒゲナガ君の珍妙な飛翔シーンは、今年はもう観られないかもしれないが、来シーズン以降どうなるか、オオスズメノカタビラともども、気になるところである。

2013年5月13日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2013-05-13 17:09 | 植物と虫 | Comments(0)

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