自然観察大学ブログ

江戸川べりの観察-16 コセンダングサの悩み

初冬のある日。
センダングサの実が、トゲをいっぱいに広げて、ひっつく相手を待っていた。
 ※ 2012.12.26の追記があります。
 ※ さらに2013.1.24の追記があります。
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食いついたら離さない、逆向きのトゲ。
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拡大すると、ちょっと怖いくらいの果実だ。
捕物に使う刺叉(さすまた)に似ているが、こちらの方が本家だろう。
ふつうは二叉または三叉だが、五叉の果実があった。
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どんなトゲが効率いいのか、いろいろと試しているのだろうか。

そういえば花にもいろいろなタイプがある。
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コセンダングサの頭花は、基本的には管状花とされているが、画面右下の花は舌状花になろうとしているような、怪しげな、悩ましい形をしている。

別の花も観てみよう。
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やはり悩んでいるように観える。
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管状花と舌状花と、その中間の連続した花が観られる。
管状花⇒舌状花への変化なのか、逆に舌状花⇒管状花の途上なのか… 
どっちにしても悩ましい姿である。
(余談だが、雌しべの柱頭の広がりにも注目)

キク科の花の多くは、舌状花と管状花とがあり、それらは訪花昆虫とともに共進化したと考えられるが、その過程はどんなものだったのだろう。
花のは枝先のシュートが進化したものとされているし、舌状花 ⇒ 管状花へと形を変えたような気もする。だとすると、コセンダングサの舌状花は先祖帰りということになる。

シロバナセンダングサ(コシロノセンダングサ)というのがあって、コセンダングサの変種などとされている。
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これなどはシロバナセンダングサというべきなのかもしれないが、シロバナセンダングサはコセンダングサの先祖ということかもしれない。
…あまり深く考えないようにしよう。

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追記2012.12.26
先日、管状花と舌状花について、植物のI先生と昆虫のT先生にご意見をうかがったところ、おふたかたとも 管状花 ⇒ 舌状花 でまず間違いないだろう、というご意見だった。
飾りの要素を持った舌状花が、昆虫と共進化した形だというのだ。
虚飾を廃す進化というのもあるので、個人的には今ひとつ納得できない。
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コセンダングサは花と果実の効率を求めて、たゆまぬ研究と開発を続けているらしい。

茎の曲がったコセンダングサを観ることが多い。
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ところどころで、クネクネと悩ましく曲がっては、方向修正をして戻っている。
コンダングサは、枝を広げながら人間の背丈ほどの高さにもなるが、細い茎は意外に強い。
強さの秘訣はたぶんこの四角柱状の茎。
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おそらくこの四角の茎も、長年熟慮し、試行を繰り返した結果の形なのだろう。
〝智に働けば角が立つ〟 と言うくらいなのだから…

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2013.1.24追記

われらが自然観察大学学長、唐沢孝一先生が、コセンダングサの果実を食べるスズメの観察記録を寄稿された。
 ⇒ 話のたねのテーブル No.208 「スズメとコセンダングサ」 

興味深い話なので、ぜひご覧いただきたい。なお、この続編がNo.209で掲載される。

それにしても、唐沢学長と、同じ江戸川べりで同時期にコセンダングサをめぐる観察をしていたとは、驚きであり、うれしくもある。


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2012年12月15日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2012-12-16 00:02 | 植物 | Comments(4)
Commented by ミルフイユ at 2013-01-04 01:01 x
コセンダングサは畑や畔で一番嫌われているといっても過言ではない雑草なので、あまりマジマジと見たことはなくって、トゲはみんな2本だと思ってました。
この記事を読んで調べてみたら2~4本って書いてありましたね。5叉は珍しいんでしょうか?
2本以外ってそんなにあるの?と畑の縁にあった枯れたものを見てみたら、1株に3本と4本の種が1つずつあってあとは全て2本でしたよ。でも思ったより2叉以外もあるんですね。

シロバナセンダングサは千葉にいた頃は見たことがなかったのですが、群馬ではかなりあちこちで見かけます。
白い花びらがつくと少し可愛く見える気がしますが、やっぱり農地に生えると困りますね。
Commented by sizenkansatu at 2013-01-06 23:06
ミルフイユさんコメントありがとうございます。
そうですか、そんなに嫌われていますか。
たしかに大きくなるとじゃまですよね。
ひっついた果実は除くのがたいへんだし…
今年は果実になる前に刈ってしまいましょう。
Commented by ミルフイユ at 2013-01-09 00:36 x
畑の中や畔に生えたのは、抜いたり刈ったりしてますので
種が出来ることはほとんどありません。

センダングサの類が嫌なのは…
1.種がくっつく
2.背が高くなる
3.刈ってもぐったりせずに茎がピンピンしたまま乾いて、
 刈ったのに種がくっつく
4.刈ってもすぐ伸びて短くても花と種を付ける
といったところなので、梅の下や農地の周りなど油断すると
刈っても伸びて種を付けてしまって、いたちごっこというか
なかなか絶やせないんですよね。

梅の下は乗用草刈り機が導入されたらかなり良くなりました。
刈り払い機で刈ってた頃は、草刈りが追いつかず、刈る時に
細かく切り刻まないと剪定の時にズボンに種がくっついてました。
Commented by sizenkansatu at 2013-01-10 12:57
乗用草刈り機とはグレート、さすがプロですね。
(尊敬の眼差し!)

私も刈り払い機はけっこう利用しますが、けた違いです。
ダイヤモンドチップ入りの替え刃にして、切れ味に感動した自分がちょっと恥ずかしくなります。

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