自然観察大学ブログ

クワと昆虫

クワ 花から実へ

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これはクワの雄花。今をさかのぼる4月末の撮影だ。
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アップにするとこんな花序。
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少し控えめな、こちらはクワの雌花序。(去年別の場所で撮ったもの)
クワは基本的に雌雄異株とされているが、花の時期の主役は雄株のようだ。

一か月後の5月末。
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果実が色づくと主役は逆転する。
一見すると美味しそうだが、赤い実は未熟な状態で、このあと黒くなってからが食べごろだ。
私が子供のころは桑畑がたくさんあって、クワの実を食べたものだ。養蚕が衰退した今でも、パイオニア植物としてクワの樹が栄えているのは、この魅力的な果実のおかげなのだろう。

ところで、クワの実は複数の花が集まった果実なので複合果と言う。ちょっとややこしいが、厳密にいうと一つの花にたくさんの雌しべがあるイチゴのような場合は、集合果と言うのだそうだ。

参考:『自然観察大学観察会レポート』 http://sizenkansatu.jp/index_8.html  から「2011年 見沼田んぼ」の第2回報告/クワの実 & コゲラとカワラヒワ …をご覧ください。


虫たちに人気のクワの雌株

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クワの実を旨そうに吸っていたカメムシ。
カメラを向けると、警戒して吸汁をやめてしまった。
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チャバネアオカメムシはなかなかきれいな虫だが、こう見えて農業界では極悪人とされている。
果樹や豆類などいろんな農作物(のうさくもつ)を吸汁し、個体数が多いので被害も大きい。
このチャバネアオカメは嫌われ者を自覚しているのか、素早く逃げ去った。
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こちらはクサグモの幼体。数枚の葉をつづり合わせた奥に、じっと潜んで獲物を待っている。
クサグモは、クワの雌株のほうに獲物が多いことを心得ているらしく、雌・雄が隣りあわせのこの場所で、雌株だけに網を張っていた。


クワキジラミ

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クワの葉裏に、奇怪な花のような、不思議な姿を見せるのがクワキジラミだ。
一年に一度、この季節に観られる。
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白い糸の正体はクワキジラミ(幼虫)とその分泌物。
風に糸をはためかせながら、モゾモゾと意外によく動く。
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集団から抜け出そうとしているのがいた。丸い甘露を出している。となると糸は単なる排泄物ではなく、やはりワックスなのだろう。この糸は手で触ると消えてなくなってしまう。
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こちらは成虫。まだ体色が淡いので、ちょうど羽化したところか?
このコロニーは羽化ラッシュだった。
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成虫はワックスを避けて移動するようだ。どうやら自分たちの出した糸が苦手らしい。
(身勝手な親!)
ちなみに、クワキジラミは選り好みなく雄株にもついていた。

参考: 『虱(しらみ)生物』 http://sizenkan.exblog.jp/13917496/ 
去年のちょうど今頃、クワキジラミの観察をしているのでよろしければ…


2012年6月8日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2012-06-08 19:57 | 植物と虫 | Comments(0)

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