自然観察大学ブログ

擬態するクモ

オナガグモの木の葉隠れ

この写真、一目でクモだとわかる方は、かなりのクモ通だ。
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オナガグモと言って、糸を横に張ってじっとしている。
林縁で風にゆれるその姿は、どう見てもクモの糸に引っかかった小枝か針葉樹の葉に見える。

少しでも風があると、揺れて撮影が難しいのだが、今回は物干し場にいたので、ゆっくり見ることができた。

というわけで、もう少し寄ってみよう。
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脚と頭(頭胸部)らしいものがあって、なんとなく体の構造がわかる。
脚に糸クズがついているのは物干し場ならではのこと…

失礼して、ちょっとつついてみると…
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一瞬、正体をあらわしたオナガグモ。(驚かしてスミマセン)

“これはしまった” と言わんばかりに、すぐにもとの態勢に戻る。
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長い腹部のもとの方にある少し盛り上がったところが尻で、写真では見えないかもしれないが、ここから糸を出している。
“腹長” ではなく “尾長” という名前はその意味で正しいようだ。命名者の慧眼に恐れ入る。

オナガグモはクモを食べるとされている。針葉樹の木の葉に化けて、獲物のクモが近づくのを待つらしい。クモがほかのクモの糸を利用して移動するのは普通に行われるものらしく、それを待つというのだ。(オナガグモの気の長いこと!)

ところで、写真を見ると第1脚から第3脚までを前に伸ばし、第4脚だけを後ろにしている。
ウィキペディアでは “前二脚を前方に真っ直ぐ伸ばし、後ろ二脚を腹部に添え、腹部を後方に真っ直ぐに伸ばしており…” とある。不審に思ってネット上の画像を検索してみると、やはり第3脚までは前に出しているようだ。


アリに化けたクモ

アリグモというのがいる。
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形も大きさもアリにそっくりで、こうしてみるとかなりカッコイイ。(写真がいまひとつですみません)
写真は葉の上で獲物を咥えているところ。獲物はユスリカかなにかのようだ。

6本脚に見えるのは第1脚を触角のように付きだしているからである。
腹部の付け根が細くくびれ、頭部と胸部にもくびれがあるように見える。(クモは頭部と胸部が一体で頭胸部という)
雄のアリグモは巨大な大顎があってアリらしくないが、写真のように雌は完ぺきなアリ!

アリグモが正体をあらわした一瞬。
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眼が横に並ぶ姿はどう見てもクモ。
おのれ、妖怪!” 思わず声を出してしまいそう… (びびってピントがいまいち)


余談ですが…

昆虫は変態することで多様な進化をしたのだと思うが、昆虫ではなく変態をしないクモがこのような擬態を獲得したとは驚きだ。
しかも昆虫よりも原始的とされるクモが、昆虫の中でも進化したアリ(ハチ目)に擬態するとは…

生物には下等、高等とかいう形容詞はふさわしくない。すべての種にはそれぞれに優れた面がある。例えば人間は、たまたま知恵に優れているというだけのこと
…というY崎先生の言葉が思い出された。

2012年5月14日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2012-05-14 12:44 | 昆虫など | Comments(0)

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