自然観察大学ブログ

水中の珍味・ざざむしを食べる

先日、長野の松本城を訪れた際に、売店で見慣れない缶詰を見つけた。
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ざざむし(ヒゲナガカワトビケラ)の幼虫を食用とする地域があることは知っていたが、実際に食用にできる状態のものを見たのは初めてだ。佃煮に加工されており、価格は1000円程度だった。
調べてみると、長野県の伊那地方では昔から冬季の貴重なタンパク源となっており、現在も漁期を定めて専門に採取されているという。

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山梨県で撮影されたヒゲナガカワトビケラの幼虫の画像。
巣の画像など、以前掲載された記事をあわせて参照いただきたい。
http://sizenkan.exblog.jp/13591264/

長野県ではハチの子が名物となっているほか、かつてセミの幼虫を缶詰に加工しようとした例もあるといい、昔から昆虫を貴重な食料としてとらえていたことが伺える。
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開封してみると、思っていた以上にトビケラとしての原形をとどめていた。
ヒゲナガカワトビケラは、比較的水質の良い河川の上流部の石の裏に生息する。砂利を固めた特徴的な巣をつくり、一目でそれとわかる。青緑~黒色をしており、類似したいくつかの種をまとめて「黒川虫」などと呼ばれているようだ。川釣りではオイカワ、ウグイなどの特効餌として知られているが、食用に用いるのは伊那地方以外では寡聞にして知らない。

実際に食してみると、予想以上に脂がのっており、生臭みもほとんどなく濃厚な味わいだった。採取地の水質がよいからかもしれないが、ハチの子の匂いが大丈夫なら問題なく食すことが出来るだろう。筆者はハチの子よりもおいしいと感じた。
少々値が張るが、炊き込みご飯にしてもおいしいと思われる。

川の中の小さな虫のおいしさを見つけ出した伊那の人々に心の中で感謝をささげながら、長野の辛口吟醸酒とあわせておいしく頂いた。機会があれば、自分でも採取して食べてみようかとも思っている。

2012年5月9日、報告:自然観察大学 事務局 脇本
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by sizenkansatu | 2012-05-09 18:51 | 昆虫など | Comments(0)

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