自然観察大学ブログ

アオスジアゲハの観察-4

青太の脚

12月上旬のこと。
めずらしく、まだ明るい時間に青太が活動を始めた。
d0163696_1946325.jpg
さっそく写真を撮りはじめたのだが…
d0163696_1947587.jpg
警戒して首をすくめ、動きを止めてしまった。
残念だ。刺激しないよう、もっと慎重に近づくべきだった。

仕方がないので、この機会に腹脚をよく観ておくことにする。
d0163696_19473024.jpg
腹脚は意外に自在に動くものらしく、細い枝を器用につかんでいる。

上の写真の一部を拡大してみよう…
d0163696_19475067.jpg
脚の裏は吸盤のようになっていて、その縁には毛の列が並ぶ。
d0163696_1948944.jpg
尾脚も同じ構造のようだ。

原色日本蛾類幼虫図鑑』(保育社)で、腹脚についての記載を見ると、毛のようなものは “鉤爪” と言うらしい。
イモムシを扱うときに腹脚の意外な力に驚かされるが、なるほど鉤爪なら力強いはずだ。
同図鑑によると、グループによって鉤爪の位置と配列が異なり、識別のポイントとなっているようだ。例えば潜葉性の蛾は腹脚がないとか、イラガの仲間は吸盤だけでナメクジのように歩く… と解説されている。うーむ。観てみたい。

余談ですが…

原色日本蛾類幼虫図鑑』 は概説が充実している。今回の腹脚を例にとると、名称と構造が検索の手引きとなるだけでなく “形とくらし” にまで解説が及んでいる。食草や生活史の一覧表もあり、至れり尽くせりである。ネット上の 『みんなで作る日本産蛾類図鑑』 とは別の、代えがたい価値があると思う。
本書は昨年復刊され話題になった。上下2巻で19,950円とやや高価だが、オンデマンド出版という小ロット印刷のため、いたしかたないだろう。
当時、復刻された実物を見る機会があり、手元のオリジナル版と比べてみた。かなり高品質で、見かたによってはオリジナルよりもきれいな写真もある。
現在も復刊ドットコムから購入できるので、虫好きの方にはおすすめである。
http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68313799
なお、蛾類のみのイサギヨイ図鑑で、チョウであるアオスジアゲハはもちろん掲載されていない。


訃 報

12月26日の朝、残念ながら青太は息絶えていた。
18日の室内講習会のとき、りりねこさんとミルフイユさんに会っていただいたのだが、その少し前から全く動かない静止状態が続いていた。
d0163696_19494886.jpg
上の遺影は12月21日のもの。
やはりこのところの本格的な寒さによるものだろう。
まわりからは事務所内での飼育を勧められたのだが、そうすればよかったかと悔やまれる。

…合掌…

2011年12月27日、報告:自然観察大学 事務局O
[PR]



by sizenkansatu | 2011-12-27 19:53 | 昆虫など | Comments(4)
Commented by りりねこ at 2011-12-28 10:56 x
えーー・・青太…残念です。冬至を過ぎた寒さは、幼虫の姿ではやはり越せなかったんですね。18日の室内講習会で会わせてもらってから、このところの朝の厳しい寒さに、どうしてるか気がかりでした。真冬に毛布も掛けないで寝てるようかなとか・・。青太の脚、かわいいですね!きゅんとしちゃいます。
おかげで私には、蝶の幼虫がグッと親しみを感じる存在になりました。
ありがとう、青太!
Commented by ミルフイユ at 2011-12-29 01:19 x
えーー亡くなっちゃったんですか。やっぱり…と思いつつも悲しいです。会わせて頂いた時に3日前から動かないということでしたし、通常蛹で越冬とのことだったので、あぶないかなぁ?と思ってたんですよね。

どんな条件で産卵しているのでしょうか?
今年は秋が暖かかったから?今年の秋は暖かい期間が長かったせいか白菜の巻きが悪かったりしました。
いやまて、冬に畑の凍り付いた白菜をむくと死んだり弱った芋虫とか良く出てくるんですよね。ダメ元?

脚がすっごく可愛いですね!でも、鉤爪がいっぱいなのはちょっとこわいかも。
Commented by sizenkansatu at 2012-01-05 17:54
コメントありがとうございます。
本当に残念ですが、これも自然の摂理でしょうね。人知れず青太のような最期を遂げる虫たちは多いのではないかと思います。

ハクサイのイモムシですが、友人にもらった自家製ハクサイに、ヤサイゾウムシの幼虫がたくさんいました。ころころして栄養がありそうでしたがやめておきました。
自然観察大学土佐支部長から、昨年の冬に、ヤサイゾウムシのハクサイでの越冬が多いという情報がありました。
ミルフイユさんのイモムシももしかしたらヤサイゾウムシかも…
Commented by ミルフイユ at 2012-01-06 00:22 x
ヤサイゾウムシ、検索してみました。たしかにそれっぽいのも白菜にいますね。
でも、ヨトウムシや青虫なんかもいますよ。
たしかにヤサイゾウムシらしいのは中の方で生きていることが多いかもしれません。

植物、虫、鳥など自然を楽しむ  ★写真の無断転載はお断りいたします★
by sizenkansatu
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

最新の記事

漆掻きを体験
at 2017-10-06 12:56
ラクウショウとメタセコイアを..
at 2017-08-30 17:09
マダニの観察
at 2017-08-22 19:24
エゴヒゲナガゾウムシの成虫が..
at 2017-07-21 20:21
メタセコイアの花から実
at 2017-05-24 21:16

最新のコメント

> チョコさん コメン..
by sizenkansatu at 12:44
こんな感じの本が欲しかっ..
by チョコ at 14:10
鈴木裕子さん、コメントあ..
by sizenkansatu at 15:19
日経新聞で冬の雑草の記事..
by 鈴木裕子 at 19:35
アレチヌスビトハギ 最悪..
by EVIS at 15:16

検索

ブログジャンル

画像一覧