自然観察大学ブログ

つる植物の話-3

カナムグラ

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林縁の低木を覆うカナムグラ。
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しなやかにつるを伸ばす。
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先端部付近は、葉の裏まで白い毛がビッシリ。
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六角形の茎の稜には反り返ったトゲが並び、これで引っかかりながら巻きつく。
鉄葎(かなむぐら)という名前の通り強靭で、なめてかかるとこちらが傷だらけにされてしまう。

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カナムグラの雄花序。
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花は小さいが葯は大きく、中には花粉がたっぷり入っている。
この花粉は風でよく飛び、花粉症の原因になるとされている。
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こちらは雌花序。あまり花らしくはないのだが、雌しべの柱頭が観え、下部では若い果実も観える。

強靭なカナムグラにも敵がいる。
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茎が膨れているのをよく見かけるが、愛用の備前長船で割ってみると、中に虫がいた。
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調べたところ、たぶんヨツスジヒメシンクイの幼虫。
カナムグラに近縁のホップの害虫として知られている。

ところで、いくつか虫こぶを切ってみたのだが、すべて雌株だった。気になってさらに幾つか確認したが、やはり雌株。シンクイ虫は選んで雌株に食入するのか、それとも偶然なのだろうか?

余談ですが…
カナムグラは雌雄異株とされているが、つるが絡み合って確認しにくい。
素手でつるをたどると、すっかりトゲの餌食。
自慢の磁器のような私の腕は赤絵に彩られてしまった。

もうひとつ余談
9月半ばというのに暑い毎日で閉口したが、植物は着々と秋へ向かっている。
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カナムグラのすぐそばに、チカラシバやカゼクサ、キンエノコロが登場していた。
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このチカラシバはまさに出穂したばかり。ぜんぜん力強くない。

2011年9月20日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2011-09-20 19:37 | 植物 | Comments(5)
Commented by ミルフイユ at 2011-09-22 00:28 x
詳しく写真を撮っていただくとわかりやすいですねえ。下手な図鑑より良いですよ~。
カナムグラは、初めて実を見たときに「ホップみたいで面白い~!」と思ったのですが、帰って調べたら近縁でした。

私が千葉で見たときは、雄花と雌花(実)はそれぞれかたまって咲いている印象だったので雌雄異株なのは納得だったのですが、今回は混じって生えていたみたいですね。

雑草としては、刈払機で刈るときにからまったり、手で引っ張ってもとげだらけで嬉しくないものなんですけどね。
雄花もかたまって沢山咲いていると綺麗だし。花粉は見えるときがあってすごいですけど。
Commented by sizenkansatu at 2011-09-22 14:43
おほめに預かり光栄です。
でも、岩瀬先生の「形とくらしの雑草図鑑」にはぜんぶ出ているんです。おまけに時系列も越えて芽生えと果実もです。写真は小さいですが…http://www.zennokyo.co.jp/book/ykhb/kkzso.html 
ぜひ一度てにとってご覧ください。

ところで、私も刈払い機で草刈しますが、いちばん困るのはススキとクズの絡まりあったやぶです。
縦横に絡んでいるとどうしようもなくなり、危険を承知で歯を縦横に回転させてしまいます。
Commented by みずすまし at 2011-09-23 19:57 x
しばらく田舎に帰って草刈をしていました。帰郷してブログを見たら未見の記事がたくさんあって驚嘆しました。写真もいつものとおりおみごとです。なお、立った草に蔓が絡んだものは本当に始末が悪いものですね。私は、まず上部を伐って絡みをなくし、次に根を払います。二度手間ですが結局これが一番早いようです。
Commented by ミルフイユ at 2011-09-24 21:49 x
全農教の図鑑と比べちゃダメですって。
でも、書かれているように、図鑑の写真って小さいんですよね。
カナムグラはわかりやすいから良いんですが、細かくて似たようなのが沢山あると(イネ科とか)、1冊の図鑑だけじゃわかりにくくて、他に図鑑を買ってしまったこととかあります。
だからネットで大きな様々な写真が見られるのは有り難いです。

もっとも、ネットも名前のわからない植物を調べるときには難しい時がありますね。似たのものがあったり、科がわかる場合は良いんですけど。
日本帰化植物写真図鑑が出る前に、マツバウンランの名前が知りたくてネットで色々検索していたのですがなかなかたどり着かず、園芸品種のリナリアに似てるよなあ?と思って検索してみたら正にリナリアはマツバウンランも含む学名で、ようやく探し当てたことがあります。
Commented by sizenkansatu at 2011-09-27 13:37
みずすましさん、ミルフイユさん、コメントありがとうございます。

二度刈りに挑戦してみます。今年は替え刃をダイヤモンドチップ入りの高級版(知る人ぞ知る)にしたので、快調です。

リナリア(ヒメキンギョソウ)というのは知りませんでした。キンギョソウがゴマノハグサ科と知って、ちょっと驚きでした。園芸植物はほとんど知らないもので…

ゴマノハグサ科は形態が多様なのでたどり着きにくいですよね。
マツバウンランと名前の似たツタバウンランなんて、見た目が全く違うし… オオイヌノフグリなんて、花の形が全く違いますもんね。

系統分類でなく、つる植物とか、ロゼット型や叢生型とか、生育型の分類のほうがわかりやすい場合がありますよね。
『校庭の雑草』は名著です。

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