自然観察大学ブログ

植物の雌と雄を観る-2

ヒメガマ

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ガマの穂。
穂の先に伸びたのは雄花穂で、すでに軸だけになっている。
ガマ類の中で、成熟した雌花穂と雄花穂の間隔が開くのがヒメガマだそうである。
ガマ科ガマ属の仲間の独特な花穂(かすい)だ。

近くに、まだ花期のものがあった。刈られた後の再生で今ごろ開花したらしい。
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上部が雄花穂(ゆうかすい)で、下部が雌花穂(しかすい)になっている。
雄花穂が変形して波打っているのは苞葉(?)によるものだろう。

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雄花穂には大量の花粉。
この花粉は蒲黄(ほおう)と言って、古くから血止めに利用されていたそうだ。
“いなばの白うさぎ” に登場するのはもともとこの蒲黄だったのが、いつのまにか熟した穂綿に置き換わってしまったらしい。

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ハナアブ(おそらくシマアシブトハナアブ)がやってきた。
これだけ花粉があれば腹いっぱいになるだろう。

次は雌花穂。
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ガマの穂特有のビロード状。これのどこが雌花なのか?
よく観ると、透明な糸状の1本ずつが雌しべの柱頭らしい。
文献でも確認できた。
私にとって、新発見だ。

雄しべと雌しべとの、よけいなものをなくしたシンプルな潔い形。しかもなんという大量!
合理性と数に圧倒され、ある種の感動を覚えた。

これだけの進化した繁殖システムを持ちながら、地下茎でも増えるというのだから、実にたくましい。

余談ですが…
かつてヒメガマの果実を撮ろうと、茶色の穂(上の2つめの状態)を持ち帰ったときのことである。
乾燥して綿毛になるのを待つつもりで、部屋の隅に置いたまま数か月が過ぎ、すっかり忘れてしまった…
ある日突然、部屋じゅうにガマのワタが敷き詰められていて驚愕したことがある。

2011年7月19日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2011-07-19 12:34 | 植物 | Comments(2)
Commented by ミルフイユ at 2011-07-20 00:24 x
増えそうな感じだけど、ヨシとかと比べてあまり見ないですよね。埋め立て地が空き地だらけの時には時々見ましたけど。今では水のあるところに行ってたまに見られる感じです。
見るとやっぱり穂にさわりたくなるんですよね~。

部屋中ワタだらけで思い出しましたが、昔ガマの穂が生理用品として用いられていたことがあったと聞いたことがあります。それだけワタがでるのですから、吸収力ありそう。
Commented by sizenkansatu at 2011-07-20 13:04
雌花の数は35万個とネット上にありました。すごい数です。
(数えたヒトもすごい!)
ガマの仲間は、あるところにはたくさんありますが、たしかにヨシなどに比べると少ないですよね。
ガマ科ガマ属で、独立独歩の進化をしているようなので、環境に対してそれほど柔軟ではないのかもしれませんね。

ガマを生理用品とは知りませんでした。
ご利用になる場合は、気がつくと部屋一面にワタが… なんていうことがないようにしてもらいたいです。

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