自然観察大学ブログ

平面ミノムシ

6月26日の見沼での自然観察大学観察会のこと。
見ることのできなかった人が多いと思うので、ここで紹介させていただく。

参加者のある女性 (お名前は不明、仮にFさんとさせていただく) が、不思議な形の樹皮片(?) を発見した。
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Fさんのすばらしかったのは、これを発見したことと、
もうひとつ、昆虫ご担当のS木先生に知らせたことである。

Fさんが樹皮片と考えたのは無理もない。
横から見ると平べったくて、ますます樹皮片のようだが、実は “マダラマルハヒロズコガ” という昆虫なのだ。
(蛾はご専門外にもかかわらず、現場で即座に名前が出るS木先生はすごい!)
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見ていると、左側に隙間が開いた。中でなにやら動いている。
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頭を出して外のようすをうかがい、また引っ込む。
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今度は反対側から頭を出した。体型は平べったい。
どうやら、中の虫は自在に反転したりできるらしい。
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外の安全を確認すると、グイッと一気に身を乗り出す。
体を伸ばしては、足場を固めて巣を引きつける。これを繰り返して移動する。
傾斜地でも、ちょいちょいと巣を糸で接着させることが可能。

マダラマルハヒロズコガ は、ヒロズコガ科に属する蛾。
分類的にはミノムシのミノガ科と近い系統らしく、糸を綴った巣からもうなずける。

漢字で書くと “斑丸葉広頭小蛾” となるのだろうか? 巣を丸い葉にたとえたものか?
別名でツヅミミノムシというのがあるが、鼓には似ていない。
あえて愛称をつけるなら “平面ミノムシ” とか “アイマスクミノガ” とかがふさわしいだろう。

みんなで作る蛾類図鑑http://www.jpmoth.org/Tineidae/Myrmecozelinae/Gaphara_conspersa.html では成虫のほか幼虫の全身も掲載されている。生態は解明されてないらしい。

私は以前、岡発戸でエノキの根際の樹皮上でこのミノを見たが、現場ではFさんと同様に “変な形の樹皮の破片” と思い込み、スルーしてしまったことがある。
後日、正体を知ってからは “観たい虫リスト” に挙げていたのだが、やっと見ることができた。
Fさん、S木先生、ありがとうございました。

2011年7月12日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2011-07-12 12:52 | 昆虫など | Comments(0)

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