自然観察大学ブログ

テントウムシの共食い

このところ虫の話ばかりで申し訳ないが、今日も6月はじめに観た虫の話である。
まずはごくあたりまえの成虫。
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農業害虫を食べることもあり、昆虫の中では、普通愛されるタイプとされている。
色や模様には変異が多い。

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エノキのナミテントウの幼虫。
ナナホシテントウとは朱色の紋様の感じが違う。
『カラスノエンドウをめぐる虫たち』 http://sizenkan.exblog.jp/13454321/ のナナホシテントウと比べていただきたい。

テントウムシがたくさんいるので、餌になるアブラムシがいるはず、と探してみると、ごく少数のエノキワタアブラムシがいた。
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エノキワタアブラムシは、全身に綿毛をまとい、季節には有翅形が空を舞う。
数年前の都心で、 “こんなにたくさんどこから飛んで来るのか” と驚くほど、間断なく舞うエノキワタアブラムシを観たことがある。
よく観るとなかなかきれいな紋様があり、ワンポイントの赤目が効いている。ワタを取り除いたらさぞかしニヒルな二枚目のアブラムシだろう。

話をテントウムシに戻そう。
テントウムシはたくさんいるのに、アブラムシがほとんどいないという話だった。
すでに成長の早いテントウムシは蛹になっているが、まだ幼虫のまま餌を求めてウロウロしているテントウムシもたくさんいる。

蛹のそばでじっとしている幼虫がいたので、つついてみたら蛹がポロリとはがれた。
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幼虫は蛹を食べていたらしく、食事を邪魔され、ぼう然と大あごを開いている。
食われたほうは、先に蛹になって “一抜けた” と安心したのも束の間。油断も隙もない世界だ。

幼虫が幼虫を食うところにも遭遇した。
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食われた方は体を丸め背中が割れているように見えるので、蛹化直前で動けない状態だったのかも…
やっぱりテントウムシは獰猛な肉食動物だ。

多産型の昆虫は、条件が悪くなったときに共食いすることを前提としているのではないか。だからこそ幼虫はあまり広がらずにまとまって生活するのかもしれない
…という話を、Y崎先生からうかがったことがある。
生きるため、そして種の存続のためとはいえおそろしい話だ。

2011年7月7日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2011-07-07 18:49 | 昆虫など | Comments(4)
Commented by りりねこ at 2011-07-09 10:43 x
黄色の紋があるテントウムシ、はじめて見ました!
オレンジ色くらいはよく見かける気がしますが、クレヨンの色みたいに真っ黄色ですね。かわいい。しかし共食いするのですか。厳しい。。
そして、もう一つ発見。エノキワタアブラムシ。
先日、某テレビ局の朝の情報バラエティ番組内で、タレントのキャスターさんが、渋谷に綿のような(?)白い虫がたくさん飛んでいた、始めて見て、なんの虫かわからない、
というようなことを話していてなんだろうと興味を持っていたのですが、
「都心で・・・と驚くほど、間断なく舞うエノキワタアブラムシを観たことがある。」とここにあるのを読んで、たぶんこの虫なのかな?と思いました。
子どものころ北関東に住んだことのあるりりねこは、
「雪虫」を思い浮かべたけれど、でもあれは雪が降る前に、からっ風と一緒に降りてくるから、季節が違うから別の虫だわ・・・と思ったりしていました。
でも、写真のエノキワタアブラムシが、からっ風に乗って空中を舞う雪虫を、手で受け止めて間近で見た姿に似ている気がしたので(雪虫はお尻に綿をつけている)、ついでに検索してみたら、
晩秋の抒情を感じる雪虫も、じつはアブラムシの一種と知り、が~~ん。
Commented by sizenkansatu at 2011-07-11 13:34
たしかに黄色い星(斑紋)は私も観た記憶がありません。
もしかすると羽化直後でこれから赤くなるのかもしれません。
この成虫はじっとしていて撮りやすかったし、まわりのテントウムシは幼虫~蛹だったのですから、羽化したてということは十分に考えられます。
エノキワタアブラムシの乱舞は、見た当時すぐにアブラムシのM本先生に報告したのですが “よくあること” ということでした。
虫の確認方法は、蚊をつぶすように「パチン」とつぶすというご指導でした。
Commented by ミルフイユ at 2011-07-19 23:06 x
群馬に来て農業をやるようになってから以前より色々なテントウムシを見るようになり、種類をネットで調べていたときに見たのですが、テントウムシは孵化直後に卵を食べることがよくあるそうです。そして卵は栄養豊富で、食べるとアブラムシを食べるより早く2齢幼虫になれるのだとか。共食いの場合はどうなのでしょうか?
Commented by sizenkansatu at 2011-07-20 12:55
なるほどです。孵化して最初に遭遇する食べ物は隣にある卵ですよね!

孵化のときは成長の早いのが遅いものを共食いして、
逆に蛹化のときは成長の遅いものが早いものを共食いするということになりますね。
そうしてバランスの取れた成長速度が保たれるのでしょうか?

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