自然観察大学ブログ

大町公園-5 谷津で観た虫(2)

上品なコミスジ
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コミスジは上品なモノトーンのチョウ。
飛び方がこれまた優雅で、数回羽ばたいて、あとは “すぃー” と滑空する。
飛ぶ姿をみたら、いっぺんでこの蝶のファンになってしまった。
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翅の表裏が同じ紋様なのも、素直な性格を思わせる。
ちなみにコミスジはタテハチョウの仲間で、脚は4本しか見えない。
参考:『セイタカアワダチソウの昆虫-1http://sizenkan.exblog.jp/12249177/

拡大して観ると胴体(胸部から腹部背面)には青緑色の金属光沢がある。
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目立たないところまで行き届いた上品かつ華麗な装いだ。
(ウィキペディアには “緑色の毛” とあるが、毛ではなく鱗片とすべきだろう)

キッカイなヒモワタ
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一見して不気味な姿。
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ヒモワタカイガラムシという虫で、今の時期の樹上で目立つ。
ふたのようなベージュ色の部分が本体で、白いのはロウ状の分泌物。この中にたくさんの卵を産んでいる。なんと合理的な形!
美麗昆虫だけに心を奪われないのが、自然観察大学の真骨頂だ。
でも、やっぱり不気味。

イスノキの虫こぶ
イスノキの葉がボコボコになっていた。
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昆虫の寄生によるもので、虫こぶ(むしこぶ)、虫えい(ちゅうえい)、ゴールなどといろいろな呼び名がある。
葉を一枚失敬して、こぶを切ってみた。
中にはアブラムシがいた。
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ヤノイスアブラムシの幼虫で、両肩に翅芽(しが)があるのがわかる。
アブラムシは虫こぶの中で安全に生活し、翅を持った世代が現れてコナラへ移動するそうだ。写真は5月中旬だったので、今頃はもう抜けた後かもしれない。

ところで、
虫こぶは症状であるいわゆる “虫こぶ” と、中にいる “虫” (この場合アブラムシ)で別々に名前がある。
虫こぶ名 : イスノキハタマフシ
アブラムシ : ヤノイスアブラムシ
本人たちにとってはどうでもよいことかもしれないが、名前がわからないといろいろ調べることができない。先人の積み重ねてくれた知識を得るためにも大事なのである。

参考図書①:『アブラムシ入門図鑑』(松本嘉幸、全農教)アブラムシの生態がよく分かる http://www.zennokyo.co.jp/book/musi/ab_nz.html
参考図書②:『日本原色虫えい図鑑』(湯川純一ら、全農教)イスノキの虫こぶが8種もあり、写真をていねいに掲載してあるのですぐに本種が分かった。値段がちょっと高いがいい本 http://www.zennokyo.co.jp/book/musi/cz.html

イスノキの虫えい(ヤノイスアブラムシ)は次でも紹介されている。
福原のページ http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/isunoki.html
福岡教育大学の福原先生という方のサイトで、昆虫だけでなくさまざまな生物写真が見られる充実した内容。おすすめです。


100回御礼
昨年の5月にこのブログを始めて以来、今回で100回目となりました。
たのしいコメントや声援をくださったみなさん、ご教示いただいた先生がた、そして読んでいただいたみなさん。本当にありがとうございます。

雨の多いこの季節、バックナンバーを見ていただくよい機会ですので、ぜひ!
コメントや投稿もお待ちしています。

2011年6月6日、報告:自然観察大学 事務局O
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by sizenkansatu | 2011-06-06 12:56 | 昆虫など | Comments(8)
Commented by るいこ at 2011-06-07 00:06 x
毎度、お写真の美しさに感心しております。
るいこは、虫の触覚が好きかもしれません。。

「ヒモワタカイガラムシ」と音読したら、次女に怪しまれました;
ヒトに冷たく?、動物に優しい次女は、ブログを見て納得してくれたようです。あー、よかった♪

カビのところで「増えすぎた生物の抑制・・」とか、ありました。
るいこの脳裏に浮かんだ増えすぎた生物は、ヒト。
るいこは、アレルギーで皮膚科に通院しますが、痒い場所のヒフは必ず顕微鏡で確認されます。
今のところ、カビではありませんが。
将来、ヒトがカビで苦しめられる事態も、無きにしも非ずなのでは。。と思ったりしてます。。
Commented by りりねこ at 2011-06-07 14:23 x
えっ、るいこさん、痒いのはカビかもしれないんですか?!
りりねこもアレルギーと、皮膚の知覚過敏があり、
かゆみ(おもに顔)に10年以上悩まされていますが、
あちこちの皮膚科で検査しても、いまだに原因不明です。
もしや・・・すこしおとなしくしてろという、自然界からの抑制?!

コミスジ、そうそう、この蝶々、すべるように優雅に飛びますね。
タテハチョウの種類?は、飛びかたかっこいいですよね。好きです。留まりかたも。
翅の模様は、夏の木漏れ日のよう。
裏表が同じ模様で素直な性格を思わせる、って言うのもなるほど、おもしろーい。
Commented by ミルフイユ at 2011-06-07 22:58 x
100回目おめでとうございます!いつもとても綺麗で面白い写真で楽しませていただいてます。書き続けるのって大変ですよね。無理せず、頑張って下さい。

人に付くカビは、水虫、癜風、カンジダ症などありますよね。あと最近は免疫抑制剤を使用すると、普通は大丈夫なカビにやられちゃったりするようになってきているそうです。

皆さんアレルギーでかゆい仲間だー。私もアレルギー体質ですが、最近あせもがひっこまなくなってかゆくて困ってます。アトピー化
してきている感じですねー。

Commented by るいこ at 2011-06-08 22:24 x
るいこの友達は。顔が痒くてたまらん!と皮膚科に行ったら「カビの一種だ」と言われて、ショックを受け。
さらに「これは中年男性に多く見られる」とも言われ、重ねてショックを受けていました。

かゆみの原因を知って、薬を処方しないと。
薬そのものが、カビの栄養分になって症状を悪化させるのだと、るいこの近所皮膚科医はつぶやいていました。
りりねこさんの原因も、早く解明できるといいですね!

ミルフイユさんは、色々お詳しいですよね!
農学部卒?毎回、すごいわー、と感心してばかりです。
最近の過剰な清潔癖?風潮は、生物としての免疫力を妨げているんじゃーないかと。
ずぼらなるいこは心配?しています。

どうでもよいことですが。
蝶。アゲハ類って、子どもの頃はもっとずっと大きくて神秘的な存在でした。
アオスジアゲハなんて、もう、うっとり見ていたと思います。
トシとって、アゲハってこんな小さかったっけ?と思ったり。
でも今だに、オニヤンマが飛んでいたりすると、軽くコーフンしたりするのでした;
(植物オンチで、すみません;)


Commented by りりねこ at 2011-06-10 19:53 x
顔の痒みがカビかもってことで、台所の除菌アルコールスプレーを見て思いつき、顔を除菌ウェットティッシュで繰り返し拭いてみました!(荒っぽすぎ?)。
それが、なんだかかゆみ少し収まるような。ってことはやっぱりカビ?(スースーするからかな)

ミルフイユさん、ヒトのからだにもいろんなカビが生えるんですねー!
名前を聞くと、どんな姿でしょと思います(残念ながら「カビ図鑑」にはヒトのカビは載ってない模様)。
るいこさん、私も痒みで病院にかかって、そういえば、菌の可能性を指摘されたこともありました。でも顕微鏡で見てくれたりしなかったわ。薬で治るか試してみて。という感じで。(あんまり効果はなし)
こんど皮膚科にかかったら、顕微鏡診断をリクエストしてみます(そして私も覗かせてもらいたい~!)。
評判の高い皮膚科や大学病院に3軒にかかって、3軒とも診断が違うんですよー。
何かのアレルギー(検査できるのはごく一部で環境のなにがアレルゲンか特定できない)、皮膚の知覚過敏、菌の仕業。
いったいどれが本当?と思ってたけど、今になってあらためて考えたら、ぜんぶ本当かも、という気がしてきました。複合的な症状なのかも・・・。
Commented by りりねこ at 2011-06-10 19:58 x
あ、100回記念のブログで、皮膚のカビの話になっちゃって。
けれどこれも自然観察ってことで。
自然界から抑制受けることに、思い当たるフシ無きにしも非ずのりりねこでございます。
遅まきながらおめでとうございます。
Commented by ミルフイユ at 2011-06-11 02:39 x
るいこさん、こんにちわ。お褒めに預かり恐縮です。当方一応農学部卒ではあるのですが、醸造学科(食品微生物分野)だったりしまして、その後10年以上食品会社の開発部門にいましたので、どちらかというと専門は食品分野でしょうか。
植物、特に雑草が好きなのは趣味ですが、農家に嫁に来たので作物や病害虫等については専門であるのかもしれませんが、まだまだ勉強中です。

りりねこさん、顔を除菌するのは原因がカビ等の場合には効果があるとは思います。でも、皮膚には有用な常在菌(カビじゃなくて細菌です)が沢山いまして、皮膚のバリア形成に役立ってますので、除菌しすぎや洗いすぎると、一緒に減ってしまってマズイですので、ほどほどにした方が良いですよー。
Commented by ミルフイユ at 2011-06-11 02:41 x
虫も好きなのですが、植物が優先になってしまって、作物や雑草に来たものを観察するのが精一杯です。
それと、育ったのが東京湾の埋め立て地なので、子供の頃はまだ空き地が多くて虫もいたのですが、種類は少なかったですね。オニヤンマやギンヤンマが来たりするとみんな大騒ぎ!だって、年に1回くらいしか見ないんです。
群馬に来て虫も植物も今まで見なかったものが見られて面白いですが、帰化植物は千葉より少なくて見られなくなっちゃったものも多いですね。
そういえば、大学の時、他学科聴講で雑草学とか昆虫生理学とか昆虫生態学とか取ったなあ。

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