大町公園-2 ついにカビ観察。そして…
カビ観察
鮮やかなオレンジ色の物体。これはカビだ。 変形して膨れた植物はキツネノボタン。表面のブツブツは “さび病菌” らしい。
キツネノボタンさび病だ。
ブツブツを拡大してみると面白い形をしていた。 これがいわゆる “さび胞子” なのだろうか。
まわりの白いものはなんだろう? ハルジオンの舌状花にも似ているが…
後日、植物病理学者の岸 國平先生に写真を見ていただいたところ、次のようにご意見いただいた。
………………………………………………………
さび病で間違いないでしょう。橙色のところにさび胞子がたくさんできていて、周りに散っているのが分かります。
周りの植物にはさびがないので、このさび菌の場合はキツネノボタンだけに寄生するのが分かりますね。
舌状花のようなものははっきり解りませんが、胞子を包んでいた膜がはじけたようなものではないでしょうか。
………………………………………………………
“キツネノボタンさび病”は正式に発表されてないということだ。この後さび胞子で他の植物に宿主を移す由だが、どこへ移るのだろうか。
自然観察大学では昨年の講習会で『カビライフ入門』 をテーマにしているので、そのレポートをご覧いただきたい。 http://sizenkansatu.jp/index_2.html
『カビ図鑑』(細矢剛ほか、全農教)にはさび病の生活史などが詳しく載っているので、そちらもぜひどうぞ。 http://www.zennokyo.co.jp/book/kagak/kb.html
うどんこ病とテントウムシ
こちらはトウカエデのうどんこ病。 果実の表面が、名前の通り、うどん粉をまぶしたようになっている。翼が変形しているのはうどんこ病菌のせいだろう。 果房全体にうどんこ病が出ているが、注目していただきたいのは、画面下の葉上の小さなテントウムシ。
このキイロテントウは、うどんこ病菌などのカビを食べる。
食べるところを撮らせてもらおうと、果実の上に移動していただいたのだが… 満腹なのか、じっとして眠そうな顔。複眼にピントを合わせようとしても、ぼんやりしてうまくいかない。
仕上がり写真をチェックして解ったのだが、透明カバーのような構造があって、複眼はその下に隠れている。うまくできているものだ。
やっと顔を出した。
おまけに見えてなかったヒゲもサービスしてくれた。
こんな立派なヒゲを何処に隠していたのか、特大のふっくらしたマガタマ型のヒゲだ。
先述の岸先生に、このテントウムシの写真も見ていただいた。
………………………………………………………
ほぉ、カビを食べるテントウムシがいるとは面白い。
うどんこ病菌だったらたっぷりと、腹いっぱい食べられるかもしれないね。
キイロテントウもいいところに目をつけたものですね。
………………………………………………………
多彩なテントウムシ
テントウムシはアブラムシなどを捕食するナナホシテントウ・ナミテントウなどの肉食性と、ジャガイモやナスなどの植物を食べるニジュウヤホシテントウ、今回紹介したカビを食べるキイロテントウなどがいる。
同じテントウムシ科というグループで 肉食、植物食、菌食に分かれるというのは面白い。
2011年5月30日、報告:自然観察大学 事務局O
キツネノボタンさび病だ。
ブツブツを拡大してみると面白い形をしていた。
まわりの白いものはなんだろう? ハルジオンの舌状花にも似ているが…
後日、植物病理学者の岸 國平先生に写真を見ていただいたところ、次のようにご意見いただいた。
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さび病で間違いないでしょう。橙色のところにさび胞子がたくさんできていて、周りに散っているのが分かります。
周りの植物にはさびがないので、このさび菌の場合はキツネノボタンだけに寄生するのが分かりますね。
舌状花のようなものははっきり解りませんが、胞子を包んでいた膜がはじけたようなものではないでしょうか。
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“キツネノボタンさび病”は正式に発表されてないということだ。この後さび胞子で他の植物に宿主を移す由だが、どこへ移るのだろうか。
自然観察大学では昨年の講習会で『カビライフ入門』 をテーマにしているので、そのレポートをご覧いただきたい。 http://sizenkansatu.jp/index_2.html
『カビ図鑑』(細矢剛ほか、全農教)にはさび病の生活史などが詳しく載っているので、そちらもぜひどうぞ。 http://www.zennokyo.co.jp/book/kagak/kb.html
うどんこ病とテントウムシ
こちらはトウカエデのうどんこ病。
このキイロテントウは、うどんこ病菌などのカビを食べる。
食べるところを撮らせてもらおうと、果実の上に移動していただいたのだが…
仕上がり写真をチェックして解ったのだが、透明カバーのような構造があって、複眼はその下に隠れている。うまくできているものだ。
おまけに見えてなかったヒゲもサービスしてくれた。
こんな立派なヒゲを何処に隠していたのか、特大のふっくらしたマガタマ型のヒゲだ。
先述の岸先生に、このテントウムシの写真も見ていただいた。
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ほぉ、カビを食べるテントウムシがいるとは面白い。
うどんこ病菌だったらたっぷりと、腹いっぱい食べられるかもしれないね。
キイロテントウもいいところに目をつけたものですね。
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多彩なテントウムシ
テントウムシはアブラムシなどを捕食するナナホシテントウ・ナミテントウなどの肉食性と、ジャガイモやナスなどの植物を食べるニジュウヤホシテントウ、今回紹介したカビを食べるキイロテントウなどがいる。
同じテントウムシ科というグループで 肉食、植物食、菌食に分かれるというのは面白い。
2011年5月30日、報告:自然観察大学 事務局O
by sizenkansatu
| 2011-05-30 12:35
| その他
|
Comments(3)
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by
ミルフイユ
at 2011-05-31 22:34
x
キツネノボタンのサビ病は初めて見ました。ムラサキカタバミやネギではよく見ます。特にネギは困ってますが、うちは野菜は売り物じゃないので放ってありますけど。
キイロテントウってうどん粉病菌を食べるんですか?ごくたま~に見かけることがあったような気がしますが、畑で会うってことは何かがうどん粉病にかかっているってことでしょうか?ウリ科かなあ?まずいですねえ、それは。
キイロテントウってうどん粉病菌を食べるんですか?ごくたま~に見かけることがあったような気がしますが、畑で会うってことは何かがうどん粉病にかかっているってことでしょうか?ウリ科かなあ?まずいですねえ、それは。
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by
sizenkansatu at 2011-06-01 12:57
細矢先生の『カビライフ入門』で、個人的に一番衝撃だったのは、
“カビは自然界で増えすぎた生物を抑制する役割がある”
ということでした。
これって、農作物はとび抜けて増えすぎた植物ということだから、カビ(病害)が出るのが当然だ、ということですよね。
一般に 農業 = 自然 というイメージがあると思うのですが、逆の一面を見せつけられた思いがしました。
このことはいずれ話題にしたいと思います。
そうなるとウリ科の野菜にうどんこ病が出るのは “自然の摂理” ということになりますよね。
“カビは自然界で増えすぎた生物を抑制する役割がある”
ということでした。
これって、農作物はとび抜けて増えすぎた植物ということだから、カビ(病害)が出るのが当然だ、ということですよね。
一般に 農業 = 自然 というイメージがあると思うのですが、逆の一面を見せつけられた思いがしました。
このことはいずれ話題にしたいと思います。
そうなるとウリ科の野菜にうどんこ病が出るのは “自然の摂理” ということになりますよね。
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by
ミルフイユ
at 2011-06-07 22:30
x
農業も園芸も、人工的に人間の好きな植物を植えて、病害虫は防除するわけですし、全然自然じゃないと思います。
それでも、アスファルトや建物だらけより植物があった方が良いですよね。よく田圃や畑が郊外型大型店舗になっちゃってたりしますが、田圃の方が保水力もあって涼しいし綺麗です。山だってあんまり荒れてるよりは杉山の方がまだマシだと思うし。そもそも里山は人の手が必要なわけで・・・自然の定義って難しいですよね。
畑では、一面に同じ野菜を沢山作ると病害虫が大発生する可能性が高くなります。
また、数本しかないと今度はそこに虫が集中します。
そこそこの量で色々なものを混ぜて植えるのが一番良いですよー。
それでも、アスファルトや建物だらけより植物があった方が良いですよね。よく田圃や畑が郊外型大型店舗になっちゃってたりしますが、田圃の方が保水力もあって涼しいし綺麗です。山だってあんまり荒れてるよりは杉山の方がまだマシだと思うし。そもそも里山は人の手が必要なわけで・・・自然の定義って難しいですよね。
畑では、一面に同じ野菜を沢山作ると病害虫が大発生する可能性が高くなります。
また、数本しかないと今度はそこに虫が集中します。
そこそこの量で色々なものを混ぜて植えるのが一番良いですよー。
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