自然観察大学ブログ

ハルジオンを訪花する昆虫

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この幼虫はキリギリスの仲間。
今の時期、ハルジオンの花の上でじっとしている姿が数多く観察できる。
本来肉食(あるいは雑食)とされているようだが、訪花してくる獲物を待っているのだろうか?
長い触角で周りを探っているのか? 
それにしては目立ちすぎだ。これでは獲物が来ることはないだろう。
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こいつは腹が減ったのか、待ちきれずに花を食べている。
そう。バランスよく食べないと立派な大人になれない。

この日のハルジオンの花で一番目立ったのはハナムグリ(たぶんコアオハナムグリ)。
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頭を突っ込んで、名前のとおり花に潜るような勢いだ。
この性格でミカンの花(子房)を傷付けるので農業害虫とされているが、受粉には貢献しているのだろう。
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ときどき、プハーッ と顔を上げるので、この瞬間を狙ってシャッターを切る。
息苦しくなることもなかろうが…
ビールを飲んだのと同じ気持ちなのだろうか?
(ハナムグリは口ではなく腹部の気門で呼吸する。ちなみに、プハーッという声は出さない)

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モモブトカミキリモドキ。名前の通りフトモモ(後脚の腿節:たいせつ)が太い。
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こちらは雌。モモの太いのは雄だけで、雌は普通の脚になる。
前翅は半開きで後翅がはみ出ているが、これが種の特徴のようだ。少しだらしないカッコ。
それにしても、雄の腿が太いというのは何か意味があるのか? この脚で跳ねるわけでもなく、たいして力もなさそう。雄だけ太いというのは交尾行動に何か関係があるのだろうか?

ちなみに、カミキリモドキはカミキリムシとは別のカミキリモドキ科。カミキリムシ科とは分類的に近い関係ではないらしいが、確かに体型は似ている。

受粉昆虫で、質量ともにリードするのが双翅目(ハエ目)だろう。
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ハエには興味がないという方が多いかもしれないが、嫌がらずによく観てほしい。
きれいな金属光沢があり、さらに光の加減で不思議な紋様が浮かぶ。
(写真をクリックして拡大できます)
翅の付け根に見える小さな棍棒状のものは、平均棍(へいきんこん)という後翅の進化させたもの(退化?)。この平均棍でバランスを取って巧みに飛翔すると言われている。
ハチの仲間は前翅と後翅をカギで繋ぎ合わせ、一枚の翅とすることが知られているが、ハエ目は一歩先を行って後翅を無くしてしまったのだ。
(翅が2枚なので双翅目と言うそうだ。今はハエ目となったそうだが…)

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ヒラタアブの一種。
複眼の後ろにブラシのような白い毛があるが、これはどんな役割があるのだろう。
ここで花粉の付着した脚を掃除するのだろうか。機能を追及した双翅目のことだし、何か目的があるのだろう。次はよく観察してみよう。

ところで、ヒラタアブの仲間は、アブラムシを食べることで知られている。植物にとっては、幼虫がアブラムシを退治してくれ、成虫になると活発に飛んで受粉を助けてくれるという、ありがたい昆虫だ。

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変わったアブ(それともハエ?)を見つけた。全身が丸くて、愛嬌があると思って撮りはじめたのだが、平均棍が巨大な袋状であるのに気がついた。
ゴミか寄生虫が付いているのかと思って、背面からも観てみた。
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この角度では両側の袋が見える。
翅を平均棍に進化させる途中なのか?
はたまた平均棍を進化させて、さらに別の何かに変えていく途上なのか?

そういえば、昆虫が翅をもつ過程で、皮膚の一部が袋状に突出して膜状になったのが翅、ということを聞いた記憶がある。このアブはそんな進化の過程を想像させてくれる。

双翅目はもっとも繁栄した昆虫のひとつと言われている。
気をつけて観ると身近にもいろいろな種類がいて、その数の多いことに驚かされる。
私にはハエかアブかさえ分からないのだが、いろんな形に進化を遂げたことは分かる。なにしろカ(蚊)の仲間も双翅目に含まれるのだ。
よい図鑑がないためか、素人には種名がわからず、興味の対象になることも少ないのが残念だ。

2011年5月20日、報告:自然観察大学 事務局O

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【お詫びと訂正】…2011年5月23日追記
前記の巨大な平均棍云々は、全くの誤りでした。申し訳ありません。
お詫びして訂正します。
専門家であるS川先生からつぎのようにご指摘をいただきました。
………………………………………………………
●ヒラタアブの一種 = ヒメヒラタアブ
●変わったアブ(それともハエ?) = マルボシ(ヒラタ)ハナバエ/ヤドリバエ科
平均棍云々は不可。翅の基部によく発達している胸弁であって、ニクバエ科などと共に有弁類の特徴の一つです。
………………………………………………………
S川先生、ありがとうございました。
ヤドリバエ科をネット上で調べると、幼虫が昆虫体内に寄生する由。胸弁の役割についても記載はなかったです。う~む、奥が深いです。
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by sizenkansatu | 2011-05-20 19:48 | 昆虫など | Comments(0)

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