姿を変えるイヌホオズキ三変化
立派なイヌホオズキ
昨年末、クリスマスイブの昼、イヌホオズキを観た。
事務所近くの、あるマンションの入り口だった。
イヌホオズキは冬でも見かける雑草だが、立派な姿でマンションの玄関口に鎮座しているので、ポインセチアのような園芸植物かと思った。
普通のイヌホオズキよりも葉が大きいのは、陽当たりが悪いのを効率よく補っているということだろうか。ビルに囲まれて、おそらく日照時間は一日1時間程度と考えられる。
普通のイヌホオズキ
ふだんイヌホオズキに注目してない方のために(!)、一般的と思われる姿をお見せしよう。
以前、秋に郊外の造成地で撮影したものだ。かなり感じが違う。
小さなイヌホオズキ
三態めは、小さなイヌホオズキ。大きさの比較のために、画面でほぼ実寸比相当になるようにしてみよう。 これを拡大すると下のようになる。 整地されたあとに芽生え、急いで開花・結実したようだ。草丈は5cmほどだろうか。
結実しているのだから、立派な成植物だ。
『形とくらしの雑草図鑑』(岩瀬徹、全農教)
昨年末、クリスマスイブの昼、イヌホオズキを観た。
事務所近くの、あるマンションの入り口だった。
普通のイヌホオズキ
ふだんイヌホオズキに注目してない方のために(!)、一般的と思われる姿をお見せしよう。
以前、秋に郊外の造成地で撮影したものだ。かなり感じが違う。
小さなイヌホオズキ
三態めは、小さなイヌホオズキ。大きさの比較のために、画面でほぼ実寸比相当になるようにしてみよう。
結実しているのだから、立派な成植物だ。
『形とくらしの雑草図鑑』(岩瀬徹、全農教)
http://www.zennokyo.co.jp/book/ykhb/kkzso.html では“草丈40-70cm”と記されているが、やはり自然界では型どおりにはいかないようだ。
これらとは別に、植えマスにもイヌホオズキがあって、こちらは逆に型破りに大きく草丈150cmほどになっていたのだが、これは撮影直前に除去されてしまった。残念
それにしてもこれら三態を観ると、環境に応じて柔軟に対応し、成長・繁殖できるのが雑草のすごいところだと思う。
このイヌホオズキに似た現象は、ナズナやヒメムカシヨモギをはじめほかの雑草でも数多く観察できる。
雑草は強くない
世の中には “雑草=強い” と勘違いしている人が多いようだが、この機会に整理させていただきたい。
雑草は草刈りや耕起、踏みつけといった人間の及ぼす力に対して、それぞれ強みを発揮するのであり、深山幽谷のような場所で雑草がはびこることはないだろう。
雑草は、人為的な環境変化に柔軟に対応し、身近で繁栄しているということなのだ。
見方を変えると、“雑草は、人間の近くでないと生きていけない弱い植物” ということではないか。
“雑草魂”などと言って、しぶとく生命力が強いことに例えられるが、そう考えると正しい表現ではない。
関連することで、岩瀬学長の『-野外観察で出会う- 雑草と野草の綱引き』という講演があった。
自然観察大学HPにこのレポートがあるのでそちらもご覧いただきたい。http://www.sizenkansatu.jp/index_2.html
“雑草” の定義そのものにもいろいろな解釈があるようだが、【自然観察大学では雑草をこう考えたい】 という結論もこの講演で示していただいたので、ぜひ。
話をもどそう
イヌホオズキ類には身近なところでアメリカイヌホオズキとイヌホオズキがある。先に紹介した三態はいずれもアメリカイヌホオズキと思われる。
アメリカイヌホオズキの花は柄が一箇所から放射状に出る。散形状花序(さんけいじょうかじょ)というそうだ。
対するイヌホオズキはブドウのふさのように花柄がつく。散房状花序(さんぼうじょうかじょ))という。
私のまわりではアメリカイヌホオズキを多く見かけるが、イヌホオズキ類にはほかにもカンザシイヌホオズキとかテリミノイヌホオズキなどがあるようでややこしい。このあたりの詳しいことは 『帰化植物写真図鑑 第2巻』 http://www.zennokyo.co.jp/book/kusa/kika_2.html で見ていただきたい。
2011年1月21日、報告:事務局O
これらとは別に、植えマスにもイヌホオズキがあって、こちらは逆に型破りに大きく草丈150cmほどになっていたのだが、これは撮影直前に除去されてしまった。残念
それにしてもこれら三態を観ると、環境に応じて柔軟に対応し、成長・繁殖できるのが雑草のすごいところだと思う。
このイヌホオズキに似た現象は、ナズナやヒメムカシヨモギをはじめほかの雑草でも数多く観察できる。
雑草は強くない
世の中には “雑草=強い” と勘違いしている人が多いようだが、この機会に整理させていただきたい。
雑草は草刈りや耕起、踏みつけといった人間の及ぼす力に対して、それぞれ強みを発揮するのであり、深山幽谷のような場所で雑草がはびこることはないだろう。
雑草は、人為的な環境変化に柔軟に対応し、身近で繁栄しているということなのだ。
見方を変えると、“雑草は、人間の近くでないと生きていけない弱い植物” ということではないか。
“雑草魂”などと言って、しぶとく生命力が強いことに例えられるが、そう考えると正しい表現ではない。
関連することで、岩瀬学長の『-野外観察で出会う- 雑草と野草の綱引き』という講演があった。
自然観察大学HPにこのレポートがあるのでそちらもご覧いただきたい。http://www.sizenkansatu.jp/index_2.html
“雑草” の定義そのものにもいろいろな解釈があるようだが、【自然観察大学では雑草をこう考えたい】 という結論もこの講演で示していただいたので、ぜひ。
話をもどそう
イヌホオズキ類には身近なところでアメリカイヌホオズキとイヌホオズキがある。先に紹介した三態はいずれもアメリカイヌホオズキと思われる。
対するイヌホオズキはブドウのふさのように花柄がつく。散房状花序(さんぼうじょうかじょ))という。
私のまわりではアメリカイヌホオズキを多く見かけるが、イヌホオズキ類にはほかにもカンザシイヌホオズキとかテリミノイヌホオズキなどがあるようでややこしい。このあたりの詳しいことは 『帰化植物写真図鑑 第2巻』 http://www.zennokyo.co.jp/book/kusa/kika_2.html で見ていただきたい。
2011年1月21日、報告:事務局O
by sizenkansatu
| 2011-01-21 18:56
| 植物
|
Comments(2)
イヌホウズキはよく見ます。
毒草だと聞きました。
黒い実がなりますね。
花はナス科の植物特有の形でした。
毒草だと聞きました。
黒い実がなりますね。
花はナス科の植物特有の形でした。
Commented
by
sizenkansatu at 2018-06-14 13:33
> なおぼんさん
コメントありがとうございます。
イヌホオズキの果実は熟すと黒くなりますね。
アメリカイヌホオズキはよく見かけますが、イヌホオズキは意外と見かけないようです。
果実がないと区別が難しいので、よくわからないということもありますが…
事務局Oより
コメントありがとうございます。
イヌホオズキの果実は熟すと黒くなりますね。
アメリカイヌホオズキはよく見かけますが、イヌホオズキは意外と見かけないようです。
果実がないと区別が難しいので、よくわからないということもありますが…
事務局Oより
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