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自然観察大学ブログ

セセリチョウとキク科植物

畑の脇に栽培されるキクでセセリチョウが吸蜜するのを見た。
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セセリチョウの仲間の多くは翅のたたみ方が独特で、ひと目でセセリチョウと分かる。
ところが仲間同士では似たものが多く、私には区別ができない。
いちばん多いのはイチモンジセセリだと思うが、これはどうだろうか。

観ていると、たくみに口吻(こうふん)を動かして次々に吸蜜していく。
セセリチョウとキク科植物_d0163696_19564538.jpgセセリチョウとキク科植物_d0163696_1957867.jpg
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体は動かさず口器だけを右に左に、あるいは前後に、鞭のようにしなやかに動かしている。

キクの花は頭花(頭状花序)と言って(*)小さな花が集まったものなので、ひとつずつ吸う虫のほうもたいへんだ。例えるならごはんを一粒ずつ食べるようなものだろう。

* キク科植物の特徴。タンポポもヒマワリも似たような構造。詳しくは『セイタカアワダチソウの花を観るhttp://sizenkan.exblog.jp/12241705/ を参照ください。

セセリチョウはキク科の吸蜜に好適な進化をしたのだろうか。
そういえば、キク科のアザミ類やヒメジョオン、ユリ科のハナニラなど、小さい花が集まった植物で観ることが多いような気がする。
セセリチョウは小型で活発に動くイメージがあるが、吸蜜では無駄なく要領よく行動している。

そんなことを考えていると、隣の頭花にヒメアカタテハが来た。
セセリチョウとキク科植物_d0163696_2023021.jpg
ヒメアカタテハの口吻は頑丈そうだが、しなやかな動きでは劣るようだ。体全体でくるくるまわり、移動しながら吸うので、いかにも効率が悪そうだ。

セセリチョウに関してもう少し…
イチモンジセセリやチャバネセセリの幼虫は稲の葉を食べる害虫として知られている。
セセリチョウとキク科植物_d0163696_2032938.jpg
写真はチャバネセセリ幼虫で、稲の葉を巻いて中におさまっているところ。(2010年7月21日、高井幹夫氏撮影)
大きな複眼に見えるのは筋肉袋(*)だ。猫の目のような紋様があるのは擬態のひとつなのだろうか。

セセリチョウはほかにも面白い習性を持っているようなので、引き続き注目したい。

* 筋肉袋については『イモムシの眼は筋肉袋』: http://sizenkan.exblog.jp/12032640/ を参照ください。

2010年11月30日、報告:事務局O



by sizenkansatu | 2010-11-30 20:11 | 昆虫など | Comments(0)

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