カエルの手の正体 - “ツタ”の続報 -
前回の 『秋葉原で“ツタ”を観察』 に関して、匿名の専門家からありがたいご意見をいただいた。
以下に紹介させていただく。
………………………………………………………
ナツヅタの吸盤をつける器官は 「根」 ではありません。
ブドウ科の巻きひげが変化したもので、茎またはそれが組み合わさったシュート群だと考えられています。
上の写真の若い吸盤の基に白っぽい半透明なものが写っていますが、これは鱗片葉ではないでしょうか。
葉がある以上、この器官は茎と考えたほうがよいでしょう。
ナツヅタは、ツルの “よじのぼり型” としては、付着根型に分類されることが多いとは思いますが、これは生態的な分類で、形態的には根ではないと思います。
………………………………………………………
なるほどそういうことか。そういえば半透明の器官が認められる。これが鱗片葉で、全体は茎ということか。(下の吸盤の写真では鱗片葉は落ちてしまっている)
昆虫の多様な進化には驚かされるが、植物もすごい。
自然観察って奥が深い。
ご参考までに、むかし撮ったボツ写真の中から、ブドウ科のヤブガラシの巻きひげの写真を掲載させていただく。ピントが今ひとつだがご容赦いただきたい。
2010年11月8日、報告:事務局O
以下に紹介させていただく。
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ナツヅタの吸盤をつける器官は 「根」 ではありません。
ブドウ科の巻きひげが変化したもので、茎またはそれが組み合わさったシュート群だと考えられています。
上の写真の若い吸盤の基に白っぽい半透明なものが写っていますが、これは鱗片葉ではないでしょうか。
葉がある以上、この器官は茎と考えたほうがよいでしょう。
ナツヅタは、ツルの “よじのぼり型” としては、付着根型に分類されることが多いとは思いますが、これは生態的な分類で、形態的には根ではないと思います。
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なるほどそういうことか。そういえば半透明の器官が認められる。これが鱗片葉で、全体は茎ということか。(下の吸盤の写真では鱗片葉は落ちてしまっている)
昆虫の多様な進化には驚かされるが、植物もすごい。
自然観察って奥が深い。
ご参考までに、むかし撮ったボツ写真の中から、ブドウ科のヤブガラシの巻きひげの写真を掲載させていただく。ピントが今ひとつだがご容赦いただきたい。
2010年11月8日、報告:事務局O
by sizenkansatu
| 2010-11-08 17:47
| 植物
|
Comments(4)
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りりねこ
at 2010-11-09 09:36
x
つたの吸盤、ほんとうに動く生きものみたいです。注意してみたことがありませんでした。色も意外に鮮やかなんですね。
そしてそれは、巻きひげが変化したものなんですか!
たしかに、巻きひげがある植物の様子を思い出すと(豆とか、朝顔とかも・・・)、動物みたいでひらひらひらひら、さかんにヒゲを伸ばして巻きつき先を手探りで探してつかまえてく様子に感心させられます。なるほどあの敏感な感覚があるようなヒゲの先なら、カエルの手みたいな吸盤にもなり得るかも・・・と思いました。
私の家の玄関の植え込みには、レッドロビン(?)に、朝顔と、ムクナが、絡み付いています。(なぜか今年は今になって満開になり始めた朝顔が・・・)
ヤブカラシの写真もいいですね。子どもの頃から身近でなんだか気になる植物です。
そしてそれは、巻きひげが変化したものなんですか!
たしかに、巻きひげがある植物の様子を思い出すと(豆とか、朝顔とかも・・・)、動物みたいでひらひらひらひら、さかんにヒゲを伸ばして巻きつき先を手探りで探してつかまえてく様子に感心させられます。なるほどあの敏感な感覚があるようなヒゲの先なら、カエルの手みたいな吸盤にもなり得るかも・・・と思いました。
私の家の玄関の植え込みには、レッドロビン(?)に、朝顔と、ムクナが、絡み付いています。(なぜか今年は今になって満開になり始めた朝顔が・・・)
ヤブカラシの写真もいいですね。子どもの頃から身近でなんだか気になる植物です。
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りりねこ
at 2010-11-10 15:11
x
その後お散歩したとき道端の緑を見て考えてみたら、ヤブカラシの巻きひげと、アサガオのつるは、違いますね。ムクナ(ハッショウマメ)も、葛に姿が似ていて、ヤブカラシとは掴まりかたが違います。ムクナも、茎の先端の芽の部分が伸びて巻きついていて、わざわざ絡みつき用のヒゲがあるのとは違うようです。
ヤブカラシのような、きゅるきゅるした巻きひげかあるのは・・・
ブドウもそうだけど、カラスウリ、キュウリ!あと、マメもあったような。スイトピーはどうだったかしら。
またお散歩したら蔦や蔓の植物を観察してみようと思います。
ヤブカラシのような、きゅるきゅるした巻きひげかあるのは・・・
ブドウもそうだけど、カラスウリ、キュウリ!あと、マメもあったような。スイトピーはどうだったかしら。
またお散歩したら蔦や蔓の植物を観察してみようと思います。
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sizenkansatu at 2010-11-10 18:18
するどい観察眼ですね。
岩瀬先生、川名先生共著の『雑草博士入門』では、ヤブガラシは巻きひげ型、ヒルガオ科は巻きつき型、とされています。
ほかに引っかかり型としてヤエムグラものっています。
マメ科は巻きひげ型になるのでしょうけど、少し違って、葉の先に巻きひげがあるタイプです。
植物観察では、『雑草博士入門』はぜひおすすめしたい本です。
(事務局Oが撮影を担当しました)
岩瀬先生、川名先生共著の『雑草博士入門』では、ヤブガラシは巻きひげ型、ヒルガオ科は巻きつき型、とされています。
ほかに引っかかり型としてヤエムグラものっています。
マメ科は巻きひげ型になるのでしょうけど、少し違って、葉の先に巻きひげがあるタイプです。
植物観察では、『雑草博士入門』はぜひおすすめしたい本です。
(事務局Oが撮影を担当しました)
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りりねこ
at 2010-11-11 10:12
x
Oh~!『雑草博士入門』は、持ってました!
いま、「巻きひげ型」「巻きつき型」「ひっかかり型」を確認。
そうそう、カラスノエンドウも、そういえば、ふにゃふにゃしたようなひげを持ってましたねー。春になったら見てみます。
こんどお散歩のとき本を持って出よう。
『雑草博士入門』は書店で雑草の図鑑の類をさがしていたとき、見つけた本で、これで急にいろいろ思い出したりして、りりねこが自然観察大学さんと出会うきっかけとなった本です。
いま、「巻きひげ型」「巻きつき型」「ひっかかり型」を確認。
そうそう、カラスノエンドウも、そういえば、ふにゃふにゃしたようなひげを持ってましたねー。春になったら見てみます。
こんどお散歩のとき本を持って出よう。
『雑草博士入門』は書店で雑草の図鑑の類をさがしていたとき、見つけた本で、これで急にいろいろ思い出したりして、りりねこが自然観察大学さんと出会うきっかけとなった本です。
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