自然観察大学ブログ

ブロンズのようなバッタ

まずギンヤンマの報告

9月末にしつこくギンヤンマを撮りに行った。今度こそと300mmの望遠レンズを用意して、準備万端のはずだった。
ところが、肝心のギンヤンマの数がぐっと減ってしまったのだ。なんとか撮れたのがこれ。
d0163696_18162731.jpg
うしろ姿で、脚が下がっているのはケガでもしたのだろうか。あるいは獲物を捕らえる直前なのか… よく見ると翅の先がちぎれているのは、縄張り争いの喧嘩のせいだろうか。
今年の撮影は残念ながらこれで終了だ。

ノミバッタ

もうひとつ、去年の秋からずっと探していたものがやっと撮れた。ノミバッタだ。
普通に見られるバッタで、岡発戸の観察会と茨城大農場の観察会でも一瞬見かけたが、まだ撮れていない。それがやっと撮れた。
体長は5mm前後と小さく、しかも活発に跳ねるので現場での撮影は無理。写真は持ち帰って室内セットで撮ったものである。
d0163696_18172116.jpg
拡大してみると表面の質感がすごい。渋い金属光沢と適度な点刻、太ももの装飾的なラインと、関節部分の力感あふれたメカニックな造形。精巧なブロンズ像のようだ。
もう少しよく見てみよう。後脚は体の下に折りたたんであり、いつでも跳ねることができる体勢。反面、歩行に後脚を使うことはないらしく、前脚と中脚の4本足でのそのそと歩く。

※ 今回の写真はフィルム撮影したものをブログ用にスキャンニングしたものです。多少荒れているのはご容赦ください。
d0163696_18175419.jpg
一瞬見せてくれた後脚。跗節(ふせつ、脚の先のほうの部分)に注目すると、まことにシンプルな構造で、細い棒状。跳ねることにのみ特化しているようだ。大きなツメがあると歩行時にじゃまになるのだろう。
翅は小さくて、おそらく飛ぶことはできないと考えられる。この後脚の跳躍力があれば翅は要らないということか。

採集の話

ノミバッタは水田の畦や池の端など、少し湿ったところにはごく普通にいる昆虫らしい。これまでなかなか見つからなかったのは、私の探し方が悪かったからであった。
今回はギンヤンマがいないので、もてあました時間で地表をめったやたらに網ですくってみた。
“すくい取り(スウィーピング)法”というやり方である。そしたらノミバッタはすぐに入ってきた。
ノミバッタ以外にもいろんな虫が入ってきた。ヒシバッタやカメムシ、甲虫類、ハエ類など、 “こんなにいたのか!” と驚くほど多種多様な小昆虫がいた。
興味のある人は一度 “すくい取り”体験をおすすめしたい。
ちなみに使用した捕虫網はホームセンターで数百円のもので、これで十分なのである。

2010年10月8日、報告:事務局O
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by sizenkansatu | 2010-10-08 18:21 | 昆虫など | Comments(2)
Commented by けんぞう at 2010-10-21 12:42 x
あの小さいノミバッタもこうして拡大するとすごい迫力。
後脚が歩行に使われないという事務局の見解がほんとなら新発見か?
キリギリスやショウリョウバッタなど、歩行に後脚を使うバッタは数多いが、ノミバッタは飛ぶことができず、後脚が跳ね専用に特化したのかも知れません。
Commented by けんぞう at 2010-10-21 12:42 x
このギンヤンマの後ろ姿の写真はスゴイ!
よほど時間をかけなければこのような写真は撮れない。感動しました。
以前(8/31付)のミヤマカラスアゲハには、「もっときれいな写真は他のブログを見よ」とありますが、なるほどぼくにも撮れそうな写真。とても同じ事務局の作品とは思えません。
それにしてもギンヤンマはトンボの王様。遠い日のトンボ取り、長くガキ大将のかご持ちをした時代をほろ苦く思い出します。かごの中にはギンヤンマの餌としてシオカラトンボの胸部を割いて入れたっけ…

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